【1人目②】
目を開けると白い天井が見えた。首を横に回すと白いカーテンがある。白いベッドから抜け出して、俺はカーテンの外に出た。
ここは「化け物軍」本部。
「あら、起きたのね!おっはよう!!」
高くて明るい声が寝起きの俺にふりかかる。薄紫の長い髪を真っ赤なシュシュで右サイドで結び、くるんとした毛先が胸元で遊んでいる。シュシュと同じ真っ赤なハイヒールにレモン色のフレアスカートで、上は髪と同じ色のVネック。そして、ドクターらしく白衣を羽織っている。
「おはよございまーす。ライさん、相変わらずいい乳してますねぇ。」
「ほんとあんたも相変わらずよね……。」
苦笑いを返す彼女。大きく開いた胸元からは豊満な谷間が見えている。
「男なんてそんなものですよ。てか、出してるから悪いんです。」
「勝手に出るんだもの。……ま、元気そうだからいいか。血圧測るから。こっちきな。」
「うぃっす。」
促されるまま椅子に座り台に腕をのせる。俺が椅子の高さを調節している間、ライさんはごてごてした機械を慣れた手つきで操作していた。その機械以外にもこの部屋にはたくさんの、扱いが難しそうな立派な機械がたくさんある。見るからに最新式の高価なものばかりでこの部屋にあるものだけで○億円くらい軽く越してそうだ。ここは医務室だが他にも集中治療室や手術室もあるからすべて合わせた金額なんて想像もつかない。俺もそこそこの給料は貰っているが(命張る仕事だからそーでもないとやってらんない)、きっと人生五回分あわせたとしても届かない金額だろう。
(さすが「化け物軍」………。)