表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めるのごはんと俺の腕  作者: 52Te【てるる】
1/4

【序章】

「ん…。ぁむ……ん……。」

薄暗い路地裏で茶色の長い髪の少女が座り込んで食事をしていた。全体的に汚れていて異臭が漂う。しかし、その臭いは彼女の身体のみから発せられているわけではない。彼女の食料――人間の血肉。魚や食肉とは違った生臭さに俺は思わず顔をしかめた。

「んーー……。」

唸りながらほうり投げられた球体。食べられている“者”の頭部。その本来の持ち主は俺もよく知っている人だった。軍の一つ上の先輩で、俺達後輩に嫌がらせをしたり威張りちらしたりある意味典型的な嫌な先輩だった。幾度なく死ねばいいと思ったし、自分の手で殺ってしまおうかと考えた事も少なくはない。そんな、大っ嫌いな先輩が目の前で小さな少女の“ごはん”となっていた。

「正直なところ、化け物様々なんだよなぁ…。」

少女は黙々と先輩を食べ続ける。血を飲み、筋肉を裂き、脂肪をよけながら先輩のカタチを崩していく。

「おい、化け物。」

食事に夢中でよびかけても反応しない。そもそも言葉を理解出来ているのかも怪しい。なにせ彼女は化け物なのだから。見た目は人間と全く同じ、とはいえその人間を食べる厄介な“化け物”。そして俺の所属する軍の捕獲対象。俺の手を汚さずに先輩を消してくれたという点に関しては感謝しているが、それと仕事は別の話。俺はこいつを生きたまま捕獲しなければならない。

「化け物さーん?聞こえてます?」

「んー…?」

今度は振り向いた。化け物が自分を指しているということを理解しているのかはわからないが、俺のセリフの対象が自分であるという事はつかみとったらしい。長い前髪のあいだから俺をじっと見つめてくる。何を考えているのかわからない。恐怖を感じながらも再び話しかける。

「先輩を食べてるとこ悪いんだけど、もうそろそろ食欲はおさまったかな?」

「あー……。」

彼女は唸りながら手に持った先輩の右腕を見下ろした。そしてぽいっと投げ捨てる。それは見事に先輩の腹の上に着地した。

「ごちそうさま?」

そう聞くとその声に反応したのか、俺の方にふらふらと近付いてきた。化け物が自分から人間に近付いて来るなんて聞いたことがない。軍の調べによる「人間側から物理的に接触した場合殺され食される場合がある」というのが本当に正しいのなら今の俺は該当してないはずだ。何だ。こいつは何をしようとしている。もし対応を間違えれば戦闘になるのは避けられないだろう。考える。考えるうちに彼女はどんどん近づいてくる。やはり刺激しない方がいいのだろうか。腰につけたトランシーバーから隊の仲間の声がする。

「隊長っ…射撃許可をっ…。」

だめだ。刺激するな。俺は食べられようとしているのかもしれない。だが、もしそうでなかったら、この化け物についての新しい情報がわかるチャンスかもしれない。そのまま体制を変えずに近付いて来るのを待つ。念のため右手をナイフを取り出し易い位置にもっていく。彼女はもう目の前まで来ていた。1mもない距離。彼女がさらに一歩を踏み出す。思わずナイフに手が伸びたが取り出したそれは全く無意味だった。

ドサッ……。目の前で倒れた彼女。そのまま眠ったように動かなくなる。トランシーバーで仲間に呼びかけた。

「麻酔銃でも打ったのか…?」

「いや…私達は何も……。隊長がなにかしたのではないのですか?」

「俺は何もしてないない。よくわからないが、とりあえず捕獲に入るぞ。急いで来い。」

「はいっ。」

腰のポーチから麻酔を染み込ませたハンカチを取り出し、倒れた彼女の鼻に近づける。触れないよう気をつけながら充分に吸わせ、ハンカチをしまったところで隊の仲間が到着した。

「本部に連絡は?」

「しました。あと15分くらいで到着すると思います。」

「わかった。ありがとう。」

優秀な部下たちはテキパキと檻を組み立てていく。完成させて彼女を運び込むまでの数分間、俺は何もすることなくそれを眺めていた。

「隊長。そこに転がってるC班の隊長どうするんですか。」

いかにもしっかり者といった風貌の部下が聞いてくる。名前はアイリ。長い黒髪で前髪は大きな目の上できちんと切り揃えられ、迷彩服も真面目にきっちりと着ている。そして可哀想な程胸がない。おっぱいがない。しかし世の中貧乳はそれなりに需要があり、黒髪貧乳だと軍の中では噂になり他の隊にも隠れファンがいる…らしい。

「あぁ…回収班がもってってくれるだろ。」

「いや、それはそうなんですが。……あいつ半端なくうざかったしまじ死ねばいいクソむしろ殺してやろうか最高に辛い死に方でなぶり殺してやろうか糞虫が死ね、ってずっと思ってたので捕獲対象である化け物に食べられるという精神的にも肉体的にも素晴らしい苦痛を味わいながら死んでくれてとても幸せな気分なうなのですが、実際私自身は何もしていないので最後に少しだけでいいので切り刻みたいんです。」

……確かに見た目は可愛いのだがわりとこういうことを素面でゆってくるのが怖い。だからいつまでも彼氏ができないんだと思う。口にしたら次の日の出が拝めなくなりそうだから言ったことはない。俺だって命は惜しいからな。

「…回収班がくるまでならいいだろう。どうせもう死んでるしな。

…………俺の分までやっといてくれ。」

「はぁぁぁーーいっ!」

返事を聞くや否や元気な返事と共に死体の元へ全力疾走。その勢いのまま彼女は愛刀を先輩の亡骸に叩きつけ、すばらしい勢いで人間の原型を崩していく。

「なんかあの死体、ツナみたい見えますね。美味しそう。」

おっぱいが話しかけてきた。

「……隊長今私のことおっぱいって思ったでしょう。」

「…そんなことない。」

「隊長って嘘つく時、相手の耳のあたり観るんですよ。知ってましたか?」

「……思いましたごめんなさい。」

「いつものことなので別に怒ってませんよ。コンビニアイスで許しましょう。」

そう言ってにこにこ笑っている。この巨乳部下はなかなか手ごわい。セミロングの茶髪の髪で162cmと女子の中では少し高めの身長。多食いだけれどウエストはきちんと締まっているから、カロリーは全ておっぱいに向かっているんだろうと思う。

「それより、クリミナはあの狼少女をどうみる?」

「あぁ、今までに見ない行動でしたし今の私ではなんとも…。」

「そうだよな。わかった。ありがとな。」

そう言ったところで俺の顔を見ていたクリミナの表情が強ばる。

「隊長っ…後ろ!!!!」

こんにちは。52Te【てるる】と申します。こちらのサイトへの投稿としては初作品になります。ダークファンタジーも好き、ゆるふわも好き、ギャグも好き、とわがままな私ですので今回の作品もわがままに書いていこうと思います。メリハリはつける。でも全部入れる。そんなわがままーーーな作品に仕上げていこうと思います。そして私のさらにさらに大好きなもの。それは…「女の子」!!!いぇあ!!!!!かわいいかわいいいろんな属性の女の子を出していきたいと思います♡頑張って考えさせていただきます。かわいいかわいい女の子達。そして!女の子達の読者様のためにもイケメン君をぱらぱらっと出して生きたいなと思います♡頑張って設定考えます(笑)

Twitter@52teruruもやっているのでよかったら感想などお声を掛けてください。では!楽しんで読んでもらえると幸いです!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ