表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンドラの領域シリーズ  作者: いす投げ小太郎
パンドラの領域
2/12

第二の災い

第二の災い


ロンギヌスの槍、それはキリストを刺した槍である。

この槍はオカルト的とされ、多くのアニメや小説などで語られている。

実はロンギヌスの槍を手に入れればどんな戦いにも勝てるとされ、ヒトラーもてに入れたらしい。しかし、そんな物は存在しない。

では、安心していいのだろうか?

いや、最強の武器が存在しないからこそ戦争は起きるのだ。(田中 レーニン)


混沌な夜明け


朝起きると北の国とは思えないほど暖かかった。

しかし、そのせいで寝坊をしてしまった。もう、昼だった。

「やべー。もう、昼じゃん。急いで起きないと。もう、お昼じゃなん。」豊永は思った。

その頃、高橋はクラシックを聞きながらガーリックトーストとコーヒーを平らげていた。

「お前、何故そんなに落ち着いていられる。われわれは拉致されたんだぞ。」頭副所長が言った。

「俺はさっき、カンネと話したところによると我々はこの研究所に正式に派遣されたらしいよ。」高橋は言った。

「そんなことあるはずがない。」

「いや、あんた勘違いしていないか。俺がいったのは日本国亡命政権から派遣されたという意味でいったのだけどね。」

「はあ?」

この二人が分かり合うには千年あっても足りないようだ。

そして、同じくして西岡は霧島と話していた。

「先生はどんな発見をここでされたのですか?」西岡が言った。

「電気信号操作装置の開発だよ。それのせいでお前たちが捕まってしまったんだ。私はこれを運動能力低下改善の特効薬として使う予定だったんだ。先方もそれを了承してたし、私もそれを望んでいた。しかし、そこでお前の論文「電気信号と身体の動き」からヒントを得て、いや最初からそのつもりだったのかもしれないが洗脳に利用できるんじゃないかと思われてしまった。

しかし、身体を操作するのはあくまでも身体を増強することしか実験ではできなかった。なぜか?お前がお年寄りのためにつくったからだ。そこで彼らは調べ上げた。そして、お前の研究室の豊永にいきついたのだ。彼の研究能力は非常に優れていた。さらに彼は記憶損失改善や自殺症候群などの精神病の改善、

あるいは殺人を犯した者の改心のために電気信号と脳の関係を調べ、そして一定の関係性を発見した。しかし、彼はほら呼ばわりされて研究をやめてしまった。そこでお前たちをあの研究施設に送られたのだよ。お前たちに頼み込んできた男いただろ。そいつはスパイだったんだ。」

「なんで、私の研究内容どころか豊永君の研究内容までしっているのですか?」

「奴らが私にお年寄りを助ける為に協力してくれと言ってきたんだ。しかし、それは達成されなかった。」

「信じられない!先生だけは信じていたのに。まさか、高橋君のことも話したんじゃないですよねぇ?」

「ああ。彼らのひとりで信頼できる人と昔話してたときにすこしな。しかし、まさかそんなことからまさか連れてくるとは思っていなかった。」

「本当これだから困るんですよ、桐島先生はおっちょこちょいだから。しかし、このさい、どうでもいいじゃん。もうね。」論破に成功した高橋が現れた

「いい加減にしろ、霧島先生の前だぞ。」

「お前こそいい加減にしろよ。」

ついには言い合いになってしまった。

「お互いにいい加減にしてくれ。もうお前たちったら。」霧島は笑顔で言った。

「そういえばどこにいるんだ、お前のとこの坊主?」

「ああ、そういえば今日見かけてないなあ、豊永君。」

その頃、豊永はまだ寝ていた。

* *********************************

正午ごろ

「やべぇじゃん、もうお昼じゃん。もう起きなきゃ。」豊永は慌てながら言った。「しかし、何するんだろう?」豊山は思った。

起きて食堂に向かうと冷めたガーリックトーストとコーヒーが置いてあった。

「遅いぞ。これがもし日本脳科学研究所だったら減俸+肩もみをやってもらうよ。まあ、今日は肩もみだけでいいや。」

「おい、ずるいぞ。私にも肩もみな。」

「どいつもこいつもじいさん臭いなぁ。ほんとどいつもこいつも。」

「お前、所長やその恩師になんていう言葉を言うんだ。」頭副所長が言った。

「なんだとハゲ!」

「はいはい、では今日から諸君はプロジェクト オブ パンドラに参加してもらう。この開発にあたって天才プログラマー河元敦コンピューター活用研究室室長に協力してもらうからよろしく。では、まずプログラムを作る必要がある。」

「はぁ、おれはアメリアをハッキングしたぐらいだから問題ないとしても残りはどうする気だ?」

「お前、シリコンバレー事件の参加者だったのか?」

「違う!参加者じゃなくて首謀者。二国の政府から頼まれて、俺がハッカーを雇ったの。まあ、あの程度だったら俺一人で十分だと思ってたけど。」

「はぁ、お前ってそんな特技あったの?いや、そんなことよりもお前なんて言うことしてたんだ。お前のせいで二回世界大戦がおきたんだぞ。」

「それがどうかした?まぁ、さすがにアメリア軍に呼ばれた時は死ぬかと思ったけど。でも、まさかみんな知らなかったなんて思わなかった。」

「おいおい!話を遮らないでくれないか。では、先ほどの質問に答えよう。他の人はコード(記憶を司る電気信号)を研究する班と電気信号発生装置の改良班に分ける。そして、完成した暁には全員を釈放しよう。」

「さすが、ラジア人。しかしそんなことをしたら僕がアメリア人にチクっちゃうぞ。まぁ、そんなことできるはずがないか。」

「当然だ。君たちはここでの記憶を全て消して旅行でもしてたことにしてもらうつもりだ。まぁ、当然金を与えるけど。」

「金?何円?」

「一億円と別荘をあげよう。」

「よし、何でもしますぜ。カンネ様。」高橋が言った。

「おまえ、いい加減にしろ。私は絶対に協力しないぞ。」西岡が言った。

「まあ、そう言うな。しかし、私はこれを今すぐ洗脳に使うのはダメだ。これは危険性がありすぎる。これを使うと脳腫瘍ができたり、多大なる損傷ができる。だめだ、実用化を待ってくれ。」

「えっ。そんな期限なんて言ってなかったじゃん。何かあったんですか?」

「彼はこれを半年以内で作ってほしいという希望を出している。すなわち命令だ。絶対にそんなことをしたら人間を洗脳するどころか半数が死ぬぞ。しかし

この機械自体を使うことへの倫理的な抵抗感もない訳ではないがもし、あと半年待ってくれるなら手伝ってくれても良いよ。」

「どうするんだ、君は?」西岡が聞いた。

「僕は、この研究に参加しません。こんな行為は、人の人生を書き換えることなど絶対に許されるはずがありません。」

「そうか、招待客の内二人が反対するとはなあ。しかしもう手は打ってある。君たちの中で一人でも反対すれば君たちの両親又は息子に死んでもらう、まあ、一種の連帯責任だよ。

「なんて非人道的なやり方だ。しかししょうがない、わしの二十歳の息子が殺される訳にはいかないからなあ。」西岡は言った。

「しょうがない、こんなことになってしまうなら諦めよう。」

「ではこれからは頼むよ。」カンネが言った。


研究開始と終了


そして、その次の日から研究が始まった。

河元敦と高橋はコンピューター上で人間の脳記憶記録、消去を再現する作業を行っていて、かなり難航した。なぜなら、人間の脳とは一度忘れたことでもある日突然思い出すということがあるからである。しかし、彼らは妙案を持ってして為し遂げた。

まずはそれまでの日々を適当に語ろうと思う。

「おお、河元久しぶり。大変だったみたいだな。」

「貴様こそ敗戦したからといってアメリア側に転向しおって。お前のせいでどれだけの仲間が捕まってしまったと思っているんだ。」

「ああ、今この世にいるのは俺と鄭差樽とお前だけだもんなあ。」

「そうだ。でも、たぶん二度と鄭差樽とは会えないぞ。あいつは「アラーの騎士団」というイスラム原理主義に加盟して、そのハッキング部隊隊長に就任し

ているよ。みんな、アメリアへの恨みをもち続けているというのにお前だけだぞ、今までアメリアの味方になって我々を打ったのは。」

「そうか。まあ、俺は金以外興味がないからなあ。しかし、まあこれからは大前と一緒にやっていくんだから良いだろ。」

「いいや。お前は絶対に許さないし、この件が終わったら絶対に絶対に殺してやる。それが死んでった奴らにできる唯一のことだ。」

「うあ、恐ろしい。まあ、お前程度に殺されるほどヤワじゃないし、やれる者ならやってみろ。まあ、俺は金のため、お前は死んだ奴のために利害が一致したろ。とりやえず、とっととやるぞ。」

「ちっ!しょうがない。で何をやるんだっけ?」河元は尋ねた。

「脳記憶領域機能コンピューター上再現ソフトを作るよう言われている。」

「はあ!それはお前の得意分野だろ。とっととやれば良いだろ。」

「いやぁ、俺はあの賞、世界ハッカー大賞を取ってから何年たっていると思っているんだ。もうやり方、忘れちまった。」

「ふざけんな、コノヤローが。お前がちゃんと覚えていれば俺がやらなくてすんだだろが。」

「まあ、そうかもな。」高橋は言った。

「とりあえず、僕に記憶に関することをすべて話してくれ。」河元は言った。

その十二ヶ月後、彼はほとんど、完成させたが最後に脳の忘れてもある日突然思い出す、そんな部分を作ることができなかった。

「ふん、この程度もできないのか?」高橋は言った。

「お前が言うな、もう何も覚えてないお前が。」河元は言った。

「おい、ちょいと借りるぜ。」高橋はそう言って華麗にキーボードを打ち始めた。

五分後、全ての問題を解決してしまった。

「オィィィ;;;;;;。お前、この十二ヶ月返してくれよ。お前が何もかもやり方を忘れてしまったっていうからやってやったのに何も忘れていなかったなんてふざけるんじゃあねえよ。」

「こんな子供だましの手に載るお前が悪いんだ。」高橋は言った。

更にこう付け加えた。

「このソフトは人の記憶を電気信号から読み取ってそれを編集してもどす、そのためのソフトだよ。俺も簡単な部分をやるのはめんどくさくてお前にほとんどやらしたけどこの部分だけは俺じゃないとできなそうだからやったんだ。」

「ふざけるな。人を洗脳するための基幹ソフトなどを作らせやがって。いつか絶対に殺してやる。」

こうしてソフトは完成した。

そして、コードを検索するのはかなり簡単だった。

なぜなら、豊永の書いた論文に全て書かれていたからだ。

このコード検索作業は一ヶ月で終わった。

しかし、電気信号発生装置の改良作業はかなり難航した。

「どうやればいいんですか?」西岡は聞いた。

「お前、わしの研究室のときに教えただろ。もうわすれてしまったのか。」

こんな感じで一から仕込み直さなければならなくなったのだが時間はかかったもののなんとか完成した。

だが、この機械の量産化に手間取り、レーニン自ら催促に現れるようになった。

そして完成披露宴が開かれた。

しかし、そこに高橋とレーニンの姿はなかった。


正義の執行者、又の名を偽善者と呼ぶ


2人は殺されていた。誰によってか?

河元はナイフを持って、その現場に倒れていた。

すぐさま、警察が来て河元は尋問された。

(ラジア語で)「私はモルネス。国家的大事件捜査官です。」

(``)「わたしは河元敦。ここのコンピューター活用研究室室長です。」

(``)「なぜこのようなことを起こしたのですか?」

(``)「レーニンは洗脳技術の開発を行い、人から人生選択の権利を奪おうとし、高橋はシリコンバレー事件の首謀者のくせに全員の名前をあかし、多くの人を殺した。こんなことが許されるはずがない。

(``)「だれかに頼まれたんではないのか?」

(``)「違います。人の尊厳を守るのと友の敵を討つためにやったんです。」

(;)「そうか、おそらく君は死刑になるが覚悟はあるのか?」

(;)「ええ、でもできれば母に手紙を出させてください。それが僕の最後の望みです。」

こんな具合に尋問は終わった。


そして例のとうり、彼は民会による裁判にかけられた。

そこで、何と豊永は裁判官に選ばれてしまったのだ。

裁判はとっとと進み、彼例外の全員が死刑に票を入れた。しかし、彼は棄権をした。

そして次の日。

カンネは言った。「みんな、おつかれさま。今日中にみんなの記憶を消去して日本に送り返そうと思っている。悲しい事件もあったがみんな忘れる。一億円と別荘は宝くじに当たったかなんかで手に入れたということのしておくから大事に使ってくれ。」

そんな中、西岡は一番お金にこだわっていた奴のことを思い、豊永は地獄の日々のことをもうすぐ忘れてしまうと思い、今までのことを思い出していた。

そして霧島は日本に戻るのは何十年ぶりだろうと思いながら。

頭副所長はやっと日本に帰れる、しかし自分をあれだけ馬鹿にしていた人間がいなくなって、考え深い思いに駆られていた。

そして、次の日の某新聞の一コマ、題名は「失踪していた科学者たち、発見

家族の喜びを綴る」だった。

***********************************

「あの研究者たち帰ったか?」

「ええ、帰りました。いよいよですね。」

「サレーの者たちの長年の地獄の日々がようやく終わる。それでちゃんと殺したな、レーニンを。」

「はい、これでなにもかも予言どうりですね。」

「さて、イブの降臨を待つとでもするかな。」

そう言った男の手にはPandora”s book(パンドラの書)と書かれた本があった。

「さて、つぎはどうしようかな。」その男は笑みを浮かべながら一人つぶやいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ