表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

天使のお仕事3

作者:

天使のお仕事、天使のお仕事2の続編で完結編です。

よろしかったら前のお話もどうぞ。

天使のお仕事→ http://ncode.syosetu.com/n7631bi/

天使のお仕事2→http://ncode.syosetu.com/n7801bi/


関係者の話を聞いての事実確認は終わった。後は神様の意向だ。話を聞く限り、美里は既に死んでいるようだから、いつもの手続きをしたってかまわないだろう。でも美里は自分の名前を覚えているんだ。その辺りが神様の考えに影響してくるかもしれない。神様って割と面白いことがお好きらしいからな。


——では、神様。美里とやらの処遇はどういたしますか?

——いつも通りにするべきか、それとも何か考えでもおありで?


上司と悪魔の一人がいう。僕やほかの人たちも、それから美里も、一番気になっていたことだ。お二人の神様は顔を見合わせて、それから僕たちに告げられた。


——そなたらは美里の過去をみたかの?

——いいえ、みておりません

——名前を覚えているという時点で、手続きは後回しにいたしましたから。


一番下っ端の僕がこの場で発言するのはどうかと思ったけど、でもこの場にいる中で僕が美里の手続きを中断した張本人だ。僕が答えるべきだろうと思って、天使——もちろん僕よりも階級が上だ、直接の上司ではないけど——に付け加えるように発言した。そうか、と神様がいわれる。手続きを後回しにしたことをおこられるだろうか、神様の聞き方じゃまるで…


——美里はまだ死んではおらぬのだ。


やっぱり。神様の話し方じゃ、まるで美里が死んでいないみたいだったと思ったら、本当だったなんて。死者以外がここに来ることなんてあったんだな…そんな風に静かに驚いていたら、神様はさらに驚くべきことを言われた。


——しかし美里が死に近い状態にあることは否定できん。

「死に近い状態…?」

——眠り続けておるということよ。植物状態とかゆうたか?


そのことを知っていた神様以外のすべてが絶句した。死者じゃないのにここに、あの世にきた。ただし植物状態。僕だって、上司たちだってすごく驚いている。でも美里にとっては、驚きとかそれどころじゃなかったようで、呆然としていた。思わず僕は神様に尋ねた。


——では、美里はどうなるというのですか?

——どうもせぬわ。いや、どうにもできぬといったところかの。

——それは、どういうことで?

——妾たちではどうにもできぬということよ。美里自身がどうしたいか考え、努力するしかなかろうて。

「私は!私は、まだ生きたい!」


呆然としていた美里が話の途中で我にかえったのか、突然叫んだ。その瞬間、光があふれた。僕たちはぎょっとして美里の方を向く。驚いたことに美里から光があふれているのだ。美里自身も驚い多様な顔をしていた。意思の力…と誰かがつぶやいた。神様が叫ぶ。


——美里!驚いている場合ではない!「生きたい」という意志を強く持つのじゃ

「生きたいという意思…そう、私はまだ生きたいの!死にたくなんてない!」


美里が再び叫んだとたん、光はさらに強くなり、僕は目を開けていられずに、目を閉じた。目を閉じている間、何があったのかはわからない。だけど、その間に美里が還ったらしいことは間違いがないようだ。目を開けたとき、そこに美里はいなかった。



美里が還って数日経った。僕の日常はかわらない。今日も今日とて受付業務だ。目の前には長い行列がある。どれだけさばいても減っているようには見えない。それでも僕は僕の仕事をするだけだ。


——はい、次の方ぁー

なんだかんだ、3話も続いてしまいました。

しかも1回1回終わり方があんなのですいませんorz


これで天使のお仕事は、ひとまず完結ですが、ネタというか、アイデアはあるので、また続くかもしれません。いえ、まだなんにも考えてないのですが。

それでは次の作品、もしくは続編でお会いできますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ