表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
2部 目指せスローライフ!? 5章 ダンジョンアタック・・・?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/207

11話

「・・・」

何だ?何があった?

俺はしばらくの間呆然としてしまう。


―白昼夢


「・・・イシュゼルとリーナ。」

イシュゼルは俺の爺さんの名前で、リーナという女は俺の爺さんの机の上にあった写真の中の女性にそっくりだ。


「白昼夢ではない?」

――であればあれは何なのだ?


「そもそも俺はここに何をしに来ていたんだったか・・・?」


―そう、ボア。ボアだ。またしてもセバスに頼まれてボアを取りにこの森へ来たのだ。

この森はおかしなことだらけだ。だが、あの白い蛇なら何か知っているかもしれない。


「―おい!蛇!いるか!?」

俺は誰もいない森の中で一人叫ぶ。


―何じゃ?騒がしい。

これはテレパシーのようなものだろうか?蛇の声が聞こえてきた。

魔眼で周囲を確認するが、どこにもそれらしい姿は見えない。


「・・・イシュゼルとリーナという奴らに会った。だが、あの二人はこの時代の人間ではないはずだ。どういうことだ?」


―イシュゼルにリーナか。面白い人間ではあったな。

蛇がふっと笑った気がした。


「お前の仕業か?」

もしかしたらこの蛇ならそういったことも可能であるのかもしれない。


―我は何もしとらん


「なぜだ!?一体誰が!?」


―我は何もしとらんと言っておるじゃろう。・・・まさか、ーか? どこで会うた?

蛇はよく聞き取ることができない言葉で誰かの名前を言う。


「誰のことだ?俺はそんなやつは知らん!」


―おぬし、何を見た??

どうやら本当に蛇の仕業ではないらしい。


「・・・分からん。イシュゼルとリーナ、それに無駄にくねくねした木々に巨大な湖だ。」


―ほう


「何か知っているのか??」


―あやつめが何を考えているのか我にも分からん


「どういうことだ!?」


だが、それっきり蛇から何の返事もなかった。



―全く、何だというんだ

日の傾きから考えて、ここに来て時間はそんなに経っていないはずである。それなのに、俺は自分がくたくたに疲れていることに気が付く。


「・・・ボアは明日にするか。今日のところは帰ろう。」



離れにある自分の部屋に戻ると、俺はそのままベッドにダイブする。

そしてそのまま眠りにつくのだった。



―しばらくして、

―ジリリリッ

玄関のベルが鳴る。


「・・・誰だ?」

まだ眠いが、壁時計を見ると夕食の時間だった。


階段を降りて玄関の扉を開けると、メイドがバスケットを持って立っていた。


「イシュバーン様。こちら本日のお夕食になります。」


「ああ、いつもすまないな。」


メイドはバスケットをこちらに手渡すと、一礼して別邸の方へ向かって行った。


―飯を食うか。

俺は食卓へ向かう。


思えば、あの二人もこの離れにしばらく住んでいたのだろうか?


きっと恋人どうしだったのだろう。

そう思うと少しだけ二人が羨ましい。ここでの食事も一人と二人とでは随分と違うはずだ。


「・・・」

俺は飯を食いながら、今いる食卓の、かつての様子を思い浮かべる。


――イシュゼル、今日の食事はどう?腕によりをかけて作ったのよ?

――愛しいリーナ、いつも君の食事は最高さ!でも俺はデザートの君を待っているのさ。

――もう、イシュゼルったら!

――ほら、おいで? リーナ

――うん・・・

――抱き合う二人


そんな会話がここでされていたのかもしれない。


・・・そんなことを考えると、急に一人で飯を食うのが寂しくなってきた。


俺は別邸の様子を思い浮かべる。たまには向こうで食べてみるのはどうだろうか?


――イシュバーンよ、おまえは少しはイシュトを見習おうとは思わんのか!

――父さん、兄さんに何を言っても無駄だよ?

――おお、我がイシュトよ。お前こそ侯爵家にふさわしい

――父さん・・・。兄さんなんか気にしちゃだめなんだ

――おお、愛しいイシュトよ・・・。

――父さん・・・

――見つめ合う二人



「・・・やはり一人ほど気楽なものはないな。」

何故かは知らないが、急に元気が出た。


そんな妄想をしていると、いつの間にか飯を食い終えていたようである。


―そろそろ鍛錬の時間か

鍛錬室に向かうことにする。睡眠を取ったためか、疲れも取れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ