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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
2部 目指せスローライフ!? 4章 公爵家

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15話

風呂から上がり、着替えて外に出ると、ソフィアが待っていた。


「ずっとここで待っていたのか?」


「―いえ。イシュバーン様がご入浴されている間、少し細々とした用事を片付けておりました。本日の寝室にご案内致します。こちらへどうぞ。」


そう言うと、浴場からさらに奥に進み、部屋がいくつかある場所に案内される。


「―こちらになります。」

ガチャッとドアを開けるソフィア。その部屋の中はかなり広く、ソファにベッド、食器棚、テーブルに椅子などがあった。


「お湯はこちらから沸かすことができます。紅茶はこちらに。お水はこちらの水差しからご利用ください。」

そう言うと、ソフィアは小さな魔道具と小さな容器を持ってきて、テーブルに置く。


「何かお困りごとがあれば、こちらのベルを鳴らして頂ければ私どもメイドが参ります。」

何かの魔道具だろうか?部屋の隅にある紐付きのベルを手で示す。


「それではイシュバーン様。私はこれで。ごゆっくりしてください。」

深くお辞儀をし、ソフィアは退室する。


トイレは途中通りかかったところにあるものを利用させて貰えばよいだろう。


風呂に入って少しずつ酔いから覚めてきた。それと同時に喉が渇いてきた。


―お茶を入れるか。

俺はティーポットに水差しを入れ、茶葉を金網に入れる。それを魔道具に配置し、ボタンを押す。魔力は予め魔石に込められたものがセットされているようだった。


しばらくすると、湯が沸き、それと同時に加熱もオフになるようだ。

以前の世界ではよくあるものであるかもしれないが、今この世界でこのように自動で制御されるものはほとんどない。


―そういえばアウグスタが魔道具も作ることができるといっていたな?

ふと原作でハーヴェルとアウグスタとの間でなされた会話のシーンを思い出す。


そんなことを考えながら、紅茶を飲んでいると、なんとなく机の引き出しが気になった。

その引き出しを開けてみると、聖杯に蛇の模様が刻まれた卵型の置物が入っていた。


―材質はラピスラズリだろうか?

それはとても美しく、ラズリーの瞳の色を思い起こさせるものである。


――コンコン

とふいに、部屋の扉がノックされる音が聞こえてきたので、それを引き出しの中に戻すことにする。


―誰だろうか?

扉のところまで行き、扉を開ける。


すると、ネグリジェを着たラズリーがいた。いつもの制服より胸が強調されて見える。


「―ラズリーか。何か用か?」

できるだけ下の方を見ないようにしながら、俺はラズリーに聞く。


「んー、遊びに来ちゃった!」

にこやかに答えるラズリー。


―遊びに?何をしに?ナニを??

これでも元は成人男性である。思考が良からぬ方向へ走る。


―そういう意味ではないはずだ。

俺は首をぶんぶんと振り、


「全く、カードゲームでもするつもりか?」


「それもいいけど、お話しましょ?」

そう言ってラズリーはそのまま部屋の中に入る。


「あ、ああ。」

とりあえずそのままラズリーを部屋に入れる。



―緊張するな。

こちらの世界で女の子と二人きりになったことはない。


―目がラズリーの胸に自然と向かってしまう。


「・・・えっち。」

少し自分の胸を手で隠すようにしてラズリーが言う。


「・・・男の生理的な反応だ。」

俺は目を逸らして言う。


「イシュバーンってえっちぃんだ?」

いたずらっぽく言うラズリー。


ラズリーも風呂に入っているせいか、やたらいい香りがする。


―思考をピンク色の何かから外さねば!


「・・・何か俺に用があるのではなかったのか?」


「だから、お話しよ??」

上目遣いでこちらを見てくるラズリー。ベッドにポンッと座る。


―こいつ俺をからかってやがるな?


俺はラズリーの肩を掴む!


「きゃっ!」

ラズリーがびっくりしたように言う。


「男の部屋に来たんだ。押し倒されても文句は言えんだろう?」


「・・・だめよ。まだ、だめ。」

ラズリーは顔をふせてそんなことを言う。


―まだ、だめ?


俺はラズリーの肩から手を放し、ラズリーから少し距離をとって目を閉じる。


―心頭滅却すれば火もまた涼し


「・・・どうしたの?」

首をかしげてラズリーがそんなことを言う。


「ラズリーよ。では、テレジア公爵家とはエルドリアの民の期待に応えるためどうあるべきか、ということついて教えてくれないか?」

俺はニヤリと笑ってラズリーに言う。


「へ? ・・・~~~~もう!つまんない!!イシュバーンのバカ!」

そう言うと、ラズリーは怒って部屋から出て行ってしまった。



―ふう。

ラズリーの肩を掴む手にかなり力が入ってしまっていた。


「全く、何をしに来たんだ、アイツは。」

何とか俺の理性が勝利したが、前かがみの姿勢を保つことがやっとだったことは内緒である。

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