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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
1部 転生した悪役貴族 3章 生贄イベント

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5話

翌日、ちょうど休日。

俺は朝から森へ来ていた。


午前中この森に魔物が現れることは経験上、ほとんどなかったが、念のため他の魔物がいないか、レーダーを用いて周囲の様子を探る。

幸いなことにボアやフライングバットなど、魔物の姿はなかった。


昨日ラズリーから習った通りに魔法陣を完成させる。

起動、発動条件、方向、位置、発動を魔法陣に組み込み、完成したサンダーボルトの魔法陣に魔力を流し込む。

すると、30秒ほど経過し、魔法陣がぼんやり輝き、サンダーボルトが正確に発動した。


―よし。


次に、俺は自身の身体に魔力を集中させる。

―これも問題ない。


今の俺には遠隔にある魔法陣に魔力を流し込むといった器用なまねはできない。ラズリーほどの実力があれば、そういったことも可能であるようだが、俺は純粋な魔力を飛ばしたりすることがあまり得意ではなかった。


レーダーを使い周囲の様子を知ることができるのは、あくまでも魔力から変換されて生じた電磁波の特性を利用したものだろう。


そのため、魔力を流し、30秒の間に急いでサンダーボルトの到着地点まで走り、サンダーボルトを体に当てる、といった地道な鍛錬が必要なのだ。とても面倒なことだが、やむを得ないだろう。


サンダーボルトの発動も、魔力集中も問題ないことを確認し、さっそく鍛錬に移る。


まずは、魔法陣に魔力を流し、そして到達予想地点まで体に魔力を集中させながら移動する。


―そして

ズンとした衝撃を体に感じる。


「~~~」

かなり痺れる。魔力を集中させていなければこれはかなり危ないかもしれない。


いざという時のために、通常の回復ポーションと状態異常回復ポーションを準備してきたが、魔力を集中させる限り、活動に支障はないことが分かる。


ちなみに魔力を集中させずにサンダーボルトを直接受けることを試そうとはしない。

威力のある電撃を体に受けることがいかに危険であるかということは、前世の知識から明らかであるためである。


さて、一度試してみたところで、この鍛錬のポイントは何であるのかを再度整理しよう。


まず、魔法攻撃を繰り返し受けることで、魔法攻撃そのものの自身の耐性の向上を行うことができる可能性がある。

次に、魔法攻撃を繰り返し受けることで、魔力集中の密度の向上を行い、魔法攻撃耐性の向上を行うことができる可能性がある。

そして、魔法攻撃を繰り返し受けることで、魔力集中の更なる効率化を行い、魔法攻撃耐性の向上を行うことができる可能性がある。


これらはあくまでも可能性の話である。


もちろん、魔法攻撃耐性以外に純粋に防御力や魔法防御力といったものの向上もできる可能性があるが、原作の世界で存在したこのようなパラメータが、この世界に同じように存在するかどうかは今のところ明らかではない。

こちらの世界で俺はステータスメニューを見たことがないからである。


―だがやってみる価値はある。


情報を整理し、改めて今回の鍛錬の目的を明らかにしたうえで、更なる鍛錬を続けることにするのであった。




――そして何度目かのサンダーボルトを受けたとき。


ふいに、体に電気が(まと)わりつくような感覚があった。


―なんだこれ?


自身の身体が発光し、そこから電気がほとばしっている。まるでサンダーボルトが(まと)わりついているみたいだ。


じっとしていても何も効果がないので、動いてみると、近くにあった木に電撃が放出された!


バチバチッ!

放出された電撃は木に当たり、木を黒くこがした。


(まと)わりついた電撃が弱まったので、体に魔力を集中させてみると、再度、身体に(まと)わりつく電気が復活した。


―どうなってんだ?


どういうわけか、この電気が(まと)わりつく状態で何か付近の物体に近づくと、そこにほとんど自動で電撃が放出されるようだ。


そして、魔力集中を途切れさせると、(まと)わりついていた電気も霧散(むさん)したのだった。


「これは思わぬ副産物だ・・・。」


―何とかこの技術を使いこなすことはできないだろうか?

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