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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
1部 転生した悪役貴族 2章 鍛錬

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16話

「やあ、イシュバーン。」


ん、この声は?講義が終わった後、誰かが俺に話しかけて来た。そちらを見ると、

「―ヒューヴァか。何か用か?」


ルディ以外のやつが話しかけてくるのは珍しいことだ。


「次の学院のランクマッチだけど、対戦相手は僕だよね?」


「ああ、そうだったな。」


「まさか僕に勝てると思っているのかい?」


―何だこいつは。


「急に何を言い出すかと思えば、そんなことを下らない気にしていたのか。」


「下らないことだって?おまえ、本気でこの僕に勝てると思っているのか?」


「そもそも、俺はランクマッチとやらに興味がないからな。」

これは本音だ。ランクマッチで勝ったところで、得られるものは、名誉と賞金と上位下位問わず貴族への求婚の権利でしかない。


「イシュバーン、おまえ、ハーヴェルからアイリスを取り戻したいと思わないのかい?」


なるほど、そういうことか。ヒューヴァはアイリスが好きだ。つまり、ランクマッチに勝って、ハーヴェルにモノにされつつあるアイリスを奪い取りたいのだろう。


「婚約破棄という事実がある以上、アイリスは俺のものではない。そもそも、アイリスはハーヴェルに惚れているのだろう?ならランクマッチに勝ったところで、俺は他の女をアテにするだろうさ。」


「・・・気づいていたのか、イシュバーン。」


「まあ、あれだけハーヴェルと一緒にいると分かるだろう。そして、ヒューヴァ、お前はランクマッチに勝ってアイリスに求婚でもするつもりか?」

俺はニヤリと笑ってヒューヴァに言う。


「――その顔をやめろ、イシュバーン。」

気色ばむヒューヴァ。


「俺はお前の恋路を邪魔するつもりはないから、心配するなよ。」


「・・・どういうつもりだ、イシュバーン。」


「そのままの意味さ。」


「この僕を相手に手を抜くとでも言うのか!?」

ますます怒り出す。


――面倒くさいことこの上ない。


「まったく、ヒューヴァ。お前は俺にどうして欲しいんだよ?」


「どうしてって・・・。」

戸惑うヒューヴァ。


―と、そこへちょうどアイリスが通りかかる。


「おい、アイリス、止まれ。」


「―何よ。」

冷たく言い放つアイリス。


「こいつがお前に用があるらしい。じゃあな。」

そう言って俺はさっさとその場を立ち去ることにする。


「ま、待てよ!イシュバーン!」


―聞こえない、聞こえない。




「――ってことがあったんだ。」

今日はルディにならって、サンドウィッチを食うことにした。

サンドウィッチもなかなかの味だ。


「ヒューヴァも災難だったなあ。」


「何だ、ルディ。人を災害獣か何かのように言って。まあ、俺をドラゴンに例える気持ちは分からんでもないが。」


一体(いったい)何をどう考えれば、そんな解釈になるんだ、イシュバーン。」

ルディは頭を抱える。


「ヒューヴァは災難だったのだろう?現に、ヒューヴァのやつは俺と戦うのが怖かったのだろう。」


「あのな、イシュバーン。ヒューヴァがお前に負けるなんてことはありえないんだ。むしろ、俺たちより実力がずっと上のヒューヴァをどうやったらそんなに怒らせることができるのか、俺には分からない、イシュバーン。」


「何、簡単なことだ。ルディ。おまえも俺みたいになればよいのだ。」


「また、そんなことを言う。・・・もしかして本心なのか?」


「本心以外何があるというんだ、ルディ。」


「いや、俺が悪かったよ、イシュバーン。」

ルディは頭を抱えたままだ。


「分かればよいのだ。分かれば。」


「はあああああ。」

いつものように屋上にルディのため息が木霊するのだった。


「そういえば。」


「どうしたんだ、イシュバーン。」

頭を抱えたまま答えるルディ。


「―ところで、お前はプリムに勝てそうなのか?」

俺は気になったことをルディに訊ねる。


「・・・」

しばらくの間頭を抱えているルディだった。

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