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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
1部 転生した悪役貴族 2章 鍛錬

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9話

今日は学院が休みの日である。

俺はいつものように早朝、ランニングをした後、いつものように学院に向かうのではなく、サンドバッグ相手に鍛錬をすることにする。


「シッ!」

短くワンツーを繰り出す。


バスッ、バスッ。


小気味よい音がして、サンドバッグが揺れる。


初めてサンドバッグを相手にしたときから、少し経つが、随分と痛みにも慣れてきた。このまま鍛錬を積めば、サンドバッグに全力の正拳突きを放ったとしても、ほとんど痛みを感じないレベルにまで持っていけるはずだ。


蹴りの方はどうかというと・・・。


サンドバッグの紐を調整し、

「シッ!シッ!」


バスッッ!バスッッ!


サンドバッグを相手に左右交互にローキックを繰り出す。


蹴りの方は、日ごろからランニングをしているからか、魔力を集中させる訓練をしているからか、全力でローキックを放ってもそこまで痛みを感じないようになってきている。


あるいは、もともと人間の作りとして、足の構造の方が手の構造よりも頑丈にできているということもあるかもしれない。


フットワークは、武術に限らずあらゆるスポーツの基礎である。それを考えると、ローキックがサンドバッグ相手に強く放つことができるということは、フットワークの向上にもつながるだろうし、これは喜ばしい進歩である。


だが、蹴りにも様々な種類がある。俺が今集中的に鍛錬をしてきたのは、ローキック。ミドルキックとハイキックの鍛錬もしなければならないだろう。



ちなみに、練習着はこの世界の体操着を使っている。しかし、この世界の体操着は少し動きにくいのだ。道着があれば最高だが、そうでなくとも、Tシャツにジャージくらいの格好はできないものか?


―金物屋に行けば何かあるかもしれない。


しばらく鍛錬を行い、その後体を洗うことにする。


離れにも簡単な風呂がある。風呂に水をはり、魔石に魔力を流すと、しばらく加熱されるというものだが、邸宅のもののように、自動で加熱のオンとオフが調整されるようなシロモノではなく、加熱のしすぎに注意する必要がある。


少しばかり使用してみたが、水の加熱のされ方にもムラがあるようで、しばらくの間、湯の見張りをしなければならなかった。


そのため、大抵の場合、俺が使う際には水風呂だった。既に季節は春から夏に移り変わっており、運動後に風呂に入るということもあって、全く寒くはないのだ。


だが、タライぐらいは買った方がよいかもしれない。これも金物屋に売ってあるだろう。



ちなみに、俺の普段着は制服ではなく、家紋の入った上品な動きにくい服だ。こんな動きにくい服を着て何になるのか。


―早く新しい服を買ってこよう。



そんなことを考えていると。


「坊ちゃん。昼食の準備ができました。今日はどうなさいますか?」


「今日もこちらまで持ってきてくれないか?」


「かしこまりました。」


ちょうどセバスが離れまでやって来たのだった。




―そういえば、今日はルディのやつがヒューヴァの所で合宿をする日だったか?


ルディは自分は戦士ではないと言っていたが、俺にはルディが、正しく戦場に向かう戦士に見えたことは内緒だ。


ヒューヴァは確か、ランクマッチにおける俺の初戦の相手だ。やつは火と土の2属性に適性がある。


きっと普通の魔法を使うのであれば、ヒューヴァの方が強い。もしヒューヴァに勝つことができた場合には、確か次に当たるのはレティとかいう、別の魔法学院から留学しに来ている生徒だったはずだ。


ちなみに、このレティ、原作では、学院の3傑には入らないが、他の国の貴族か何からしく、かなり強い。見た目こそ可愛らしい少女だが、魔石核か何かを体に保有しているらしく、様々な魔法を使う。原作では魔石核ごと体を魔族に乗っ取られ、ラスボス手前のボスとして現れ、最終的にはハーヴェルに魔石核とその身体ごと魔法剣で焼き尽くされるという、これまた胸糞な展開をする。


そのイベントが出現するのはまだまだ先のことであり、そのイベントが出現する頃には、俺は悠々自適にどこかに引きこもって悠々自適にスローライフを送っているはずだった。


そんなことを考えているうちに、いつもの金物屋に到着した。

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