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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
4部 たゆたう波音 12章 Snow Labyrinth

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15話

―ありったけだ

どういう理屈か知らないが、溢れるまでの魔力を感じる!


それは絶対零度の世界に完全に抗い、なおも有り余るほどのものだった。


右手に思い切り魔力を集中し、ラスティアの本体には決してあてないように——


それを船に向かって叩きつける!!!


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」


幾重の稲妻が船を駆け抜ける


ズンッ

―まだだ!


ガッッガッガッガガガガ

―まだだ、まだいける!!!


ズガガガガガガガッガッガガアガガガアggダガアg

―もっとだ、全部、何もかも溶かしきってやる!!!!!!!


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」



ガガガgxgdgdsガッガガサッガアガッサガsガガッガsdgサsッガアsガgdガdガアgsッガアガガガガガgサッガsガsガガガsガガガガガッガガアガッガガガガg!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


―どうだっ!!!!!!!


既に魔力を迅雷にして数十発以上は軽く放出して、それでもなおも(みなぎ)る魔力である!


船を分厚く覆っていた黒く凍える世界は既に溶け、それどころか逆にところどころ炎が噴き出していた。


「ぐぇえ・・・・。」

くぐもった呻き声が聞こえてきた。


よく見ると、黒く焼け焦げたヴェリスだった。


俺は一歩(いっぽ)ソレに近づく。


「―ヒィッ!!!化物!!!!!!!」

その目にはあからさまな恐怖が浮かんでいた。


「―じゃあな。かけらも残さねえよ。迅雷」


ドバンッ!!!!!


血しぶきが舞い散る。



——最後はあっけなかった





「・・・ふう。タバコがあればなあ・・・。」

俺はその場に座り込む。今度金物屋で探してみるか。きっと在庫があるだろう。




「・・・すまなかった。もう少し俺に力があれば・・・。」

いつの間にか、俺の目の前に黒い姿のラスティアの分身が姿を現していた。


ふるふると頭を横に振るのが見えた。



「俺、実は、こことは違う世界から来たんだ・・・。君の知らない世界から。」

もっと言えば、この世界ですらない、遥か遠い異世界



「サフィラから頼まれていて、さ。・・・お姉ちゃんを助けてって。」


静かにこちらの話を聞くラスティア。


「・・・だけど、結局―」



ガサッ

そこで何かの物音が聞こえてきた。


「—誰だ!?」

ちょうど物音が聞こえてきたのは、ラスティアの本体の所から。


「ヒィイィ!!!」

よく見ると、それはいつかの魔法使いの少女だった。


「——丁度良かった。お前には聞きたいことがある。せいぜい抵抗することだな。」

この船には俺とラスティア以外はいないと思っていたが、都合よく生存者がいて何よりである。


「冗談じゃないわ!!!最後にこんなのがいるなんて聞いてない!ヴェリスがヤられるのよ!!!!私にどうしろっていうの!!!!!」

そう言うと、女は何かの瓶を投げる。



―煙幕!?古典的な!!!

しかし、気の抜けていた俺にそれは非常に効果的な対抗手段だった。


「大いなる混沌の神、エナウマディハよ!!!願わくば我を汝のもとにいざ行かん!ゲ——」

そこまで女が唱えたとき、キンッと音がした。


見ると、ラスティアの影が女の方へ右手を伸ばしていた。


何かの魔法陣を展開した状態で凍りついている女。その表情は恐怖で歪みきっている。


そして、そのまま少女はズブズブとラスティアの影の中に引きずり込まれていった。




「・・・私、いつかきっとまた、貴方に会いに行く。」

ポツリっと呟くラスティア。


「―ああ、是非そうしてくれ。」

ここで断るのは男として野暮というものだろう。


「・・・うん。きっと。約束。」

そう言うと、ラスティアは静かに俺の方に手を伸ばし、


「ゲート」


そう呟くのだった。

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