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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
4部 たゆたう波音 11章 幽霊船

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8話

「――どうする?」

ハーヴェルが皆を見る。


魔法剣を連発しないあたり、ハーヴェルといえども、やはり魔力消費は気になるのだろう。


「魔法も通じない、剣も効かないのでは・・・。」

先ほどからガーランドは意気消沈といった感じである。


「でも、このまま閉じ込められるのが一番ダメだと思う。」

レティが言う。


「イシュバーン。お前はどう思っているんだ?」


正直、俺も特に解決法を持っているわけではない。しかし、気になることもあった。


「ハーヴェル。敵の正体が何かは分からないが、もし俺たちをここに閉じ込めることが目的であれば、既にそれは達成されていることになる。レティの言う通り、このまま何もしないでいてはジリ貧だ。せめてその目的くらいは明らかにする必要があると思うが。」


「だが、それぞれが別の部屋に閉じ込められたら・・・。」


「皆ができるだけ同じタイミングで扉をくぐればいいんだよ。」

努めて明るく言うレティ。このような時にこのように振舞ってくれるのは心強い。



しかし、ふとラズリーの方を見ると、ぼぅっとしているようだ。


「ラズリー?どうした??」


「・・・え?」

すると、こちらを見るラズリー。だが、目の焦点がどことなく合っていない。


「気分が悪いのか?」

先ほど幻聴が聞こえてきたと言っていたことが気になった。


「え、ええ。大丈夫・・・。」

特に立ち眩みがしている様子ではない。しかし、状況が状況だけに、何か精神的な影響があるのかもしれない。


「少し休んでいくか?」


「―ううん、大丈夫・・・。心配かけてゴメンね?」

そう言ってこちらを見るラズリー。今はしっかりとこちらを見ている。


―問題ないか?

しかし休憩するにしても、こんな狭い所で休憩するのは(こく)ではないか?


「休憩をとるか?」

俺はラズリーに確認する。


「ううん、大丈夫。」

そう言うと、わずかに笑うラズリー。


―?

彼女のその様子に少し違和感を覚えた。やせ我慢というわけではないようだが―


だが、休憩するにせよ、しないにせよ、ここで留まっていてもどうにもならないだろう。


「ガーランド、次に探索するべき場所はどこだ?」

俺はガーランドに次に探索するべき場所を確認することにする。


「・・・機関室だ。この船がどのように動いているのか確認するべきだと思っている。」



「じゃあ、できるだけ皆一緒に外に出よ?せーの!」

レティの掛け声とともに、俺たちはできるだけまとまって扉をくぐる!


だが、扉が急に閉まったりすることはなく、懸念していたような事態は起きなかった。


「―特に問題なかったな。ガーランド。機関室はどっちだ?」

俺は先に進みながら、ガーランドに確認する。


・・・

しかし、返事はない。


「―ガーランド?」

振り返って確認すると、ガーランドだけが見当たらない。


―なに?

咄嗟に魔眼を使用して、周囲の様子を確認するが、ガーランドはどこにも見当たらない。


「ガーランド!どこだ!?」


すると、皆一斉に周りを見るが、


「―いなくなってる・・・!」

レティが口を押える!


「そんなはずはない!先ほどまでいたはずだ!!おい!!!ガーランド!!!」

ハーヴェルが大きな声でガーランドを呼ぶが、やはり返事はない。


―どういうことだ?何者かに攻撃されているのか?

だが、俺たちが攻撃を受けた形跡はない。ガーランドが忽然と姿を消した以外は。



「ねえ、ガーランド・・・?」

レティがおそるおそる、といった様子で操舵室に戻ろうとするが、


「レティ!だめだ!」

俺はそれを止める!


すると、レティはビクッとして立ち止まった。




「・・・何者かから攻撃を受けているかもしれない。」


昔、見えない何かが船の中で一人ずつ襲撃して消し去っていくホラー映画か何かを見たことがある気がした。考えたくはないが、それと同じような存在が、今、ここにいるのかもしれない。

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