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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
1部 転生した悪役貴族 1章 迅雷のイシュバーン

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21話

―ゲームのシナリオを思い出してみよう。


まず、ハーヴェルは小手調べとして何度か剣をふるう。

その時点でイシュバーンは何度かダメージを受ける。ただし、その攻撃は結界の許容範囲に収まるレベルである。

次に、イシュバーンは反撃に何度かサンダーボルトを放つが、それはハーヴェルの防御魔法によって防御されてしまう。

そして、一発イシュバーンにファイアーボールを放ち、イシュバーンの態勢を崩し、直後の魔法剣で決着をつけるのだ。


「覚悟しろよ、イシュバーン!」


そう言ってハーヴェルはこちらに突進してくる。

―速い!


ガシィン!!

俺は何とかギリギリでハーヴェルの初撃を防御する。


「ふん、少しはやるようだな、イシュバーン。」


「うおおおおおおおおお!」

ハーヴェルの凄まじい剣戟が降りかかってくる!!


ハーヴェルは剣の腕前でも王国騎士に全く引けを取らない達人である。

俺は何度か防御を試みるが、剣での戦いにあまり慣れてはいないせいか、何度か重たい攻撃を食らってしまう。


「ぐっ・・・!」

―ていうか、普通に痛えな、これ。


やられっぱなしも癪に障るので、こちらから仕掛けることにする!


「ハーヴェル覚悟しろ!!!」

俺はハーヴェルに向かって剣で切りかかった。


だが、所詮は素人の剣。


カァアン!!!

俺の剣はハーヴェルに簡単にパリィされ、その勢いで剣が吹っ飛んでいった。





―カラァン。

俺の剣の転がる音が静かに木霊する。


「天に住まう神イシュヴァルよ、その名において我は命じる。唸れ!サンダーボルト!」

俺はすかさず、サンダーボルトをハーヴェルに放つ!

バチバチ!


―だが。

「風よ舞え。ウィンドシールド」


詠唱短縮!?

まだ完璧ではないようだが、もはやほとんど魔法名だけの詠唱だ。


シュッゥウゥン、という音がし、俺のサンダーボルトが防がれてしまう。


―まだまだ。

「天に住まう神イシュヴァルよ、その名において我は命じる。唸れ!サンダーボルト!」


「風よ舞え。ウィンドシールド」


やはり俺のサンダーボルトではハーヴェルに敵わないようだ。



「――その程度か?イシュバーン。」

ハーヴェルが冷たく言い放った。


「炎よ、飛べ。ファイアーボール。」


巨大な炎の塊がこちらに飛んでくる!!

ズォオオン


「――炎よ、飛べ。ファイアーボール。」


―連続かよ!


ズォオオオオオオオンッ!


「っっっつ!」

何とか回避したつもりだが、かなり熱い!!


―――だが、準備しなくては!!

前を見ると、ハーヴェルがすぐそこまで迫っていた!!!


「天よ、地よ、鳴動せよ。我が名はハーヴェル!―終わりだ、イシュバーン。 魔法剣!!!!」


迫りくる圧倒的な光と熱。


そんな中で俺は小さく呟く

「―迅雷」


直後、ゴオオオオオォォォォォンンンンという音と凄まじい爆風。



―俺は、どうなっている?


気が付くと、まさに目的とした場所にピンポイントで移動し、思い描いていたように尻もちをついた状態でいた。あんなのを受けたら結界を貫通して、意識を失うどころか、再起不能になってもおかしくはない。しかし、今回俺が受けたダメージはない。



―成功だ。


「ま、まいったよ、ハーヴェル。」


――その瞬間、周囲から大きな歓声がわあぁっと響いた。


ハーヴェルを賞賛し歓声を上げる観客とは対照的に、ハーヴェルだけは、信じられない、といった顔をしていたのだった。

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