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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
4部 たゆたう波音 10章 波間にたゆとうもの

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7話

「・・・まさか、ここに潜るのか?」


俺がゴンズに案内されたのは、ちょうど谷の淵になっている部分である。先ほどまでいた場所に比べ、川の底がここからでは見えず、かなり深いことが分かる。


「んだ、ここから潜る!オメエさん、泳げるダ?」


俺は魔眼を使い、内部の魔力を探るが、あの滝にいた蛙の魔物ほどでかいのはいないが、俺の身長程度はある魚影がちらほらいることが分かる。


ここから淵に向かって電流を流して一網打尽にすることはできるかもしれないが、それでは食材として利用できるものも黒焦げにしてしまう恐れがある。


では、淵に入って手づかみをすればいいではないかと言われると、決して泳ぎが上手いわけではない。元の世界にいたときも、水泳の授業を受けてようやく泳げるようになったぐらいのレベルである。


「いや、こんな場所を泳いだことはないな・・・。」


「これを着るとええダ。」

そう言うと、ゴンズはどこかで見たことのあるような服を渡してくる。それは、膝丈程度のトランクス型の海水パンツによく似ていた。


「?これは水着か?」


「これは泳ぎを補助してくれる魔道具だべさ。マーマン特性ナンダべ。」


魔眼で見ると、確かにその海水パンツに似た服には魔力が宿っているようだった。


「―いいのか?」

俺は海水パンツを手に、ゴンズの顔を見る。


「ンダンダ。構わんさ。それくらいの魔道具ならいつでも作れるだ。」


「よし。ちょっと着替えてくる!」

俺は少し離れた場所に行き、とりあえずゴンズから手渡された海水パンツを履いてみることにした。水の中に潜るのに、上のシャツもとりあえず脱いでおくことにする。


「どうだ??」


「おう、似合ってるダ!それじゃ潜るべ?」

そう言うと、ゴンズは淵の中に飛び込もうとする。


「ちょっと待ってくれ!水の中で魔物に襲われたらどうすりゃいいんだ!?」


「そんときはオラがフォローするから心配なさんな!」

そう言うと、先に淵に飛び込んだ!


「まじかよ・・・。」


すると、すいっと慣れた様子でゴンズが浮かび上がり、


「オーイ、早くするだー。」

そう言って、早く水の中に入るように急かしてくる。


「ええい!!」



じゃぼーん!



俺も水の中に飛び込んだ!!しかし、さすがに水の中で喋ったり、息が出来たりはしないようではあるが、すぐに嘘のように身体が軽いことに気が付く。


―おお、これは凄いな

泳ぎが決して得意とはいえない俺でも、水の中を簡単に泳ぐことができるようだ。


水の中でゴンズを見ると、二ッと笑い、サムズアップをしてきたので、俺もサムズアップを返す。


―しかし、道具も持っていないのに、どうやって魚を獲るつもりなのだろうか?


すると、くいくいっと指で自分を指し示す。おそらく付いて来いという意味だろう。


―了解

俺はゴンズに向かって指で〇のサインを出す。


ゴンズは頷き、少し深く潜りながら先へ進んでいくので、俺はそれに付いて行くことにする。


――と

ある程度進んだところで、俺たちが今いる場所より更に深い場所に大きな魚の群れを見つけた。


ゴンズの方を見ると、頷き、指で上を示す。おそらく一旦(いったん)息継ぎのために水中から顔を出せという意味だろう。


俺も頷き、そのまま浮上することにする。


「――ぷはっ!!!」

水から顔を出し大きく息継ぎをする。そして、水中には潜らずにひとまずいわゆる立ち泳ぎをすることにした。


「―どうだべ、イシュバーン。美味そうな魚だろ??」

すると、すいっと水面に顔を出すゴンズ。見ると、不思議なことに、ゴンズは特に立ち泳ぎをするでもなく、自然と水の中で姿勢を保っているようである。


―ありゃ、どういう原理なんだ?


「ああ。あんな魚の群れは初めて見た。しかし、どうやって獲るつもりなんだ?」


「ソリャ、手づかみだべさ。道具を使ってもいいンだが、そうすっと魚を傷つけてしまうからナア。」

そう言って、ゴンズは手で何かを掴むような動作をするのである。

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