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17話

――閃光が走る!!!


「―ッッッつ!!!」

間一髪魔力を足に集中して逃れることができた!


山のようにデカい図体にも拘わらず、不釣り合いに俊敏な動き!


「―よくぞ躱した。それでこそ。」


―何だ?どうなっている!??


いきなりのことであり、まだ戦う準備ができてはいない!

しかし、体中の鳥肌が立ち、ソレの濃密な存在感が急速に高まるのを感じる!!


「闘気か!!!」


「お前たちはこれを闘気と呼ぶのか?―では参るぞ。覚悟せい。」

すると、敵の姿が消える!!


―縮地!!!?


スィイイイン

――澄んだ鈴のような太刀の音


「!!!」

かろうじて回避する!!


俺の足に最大限の魔力を集中させる!!

この敵を相手にもはや防御は意味をなさない!!!


「―躱すことに全ての力を注ぐか。じゃがな。」


再び敵の姿が消える!!そして


―刺突。だが!!


「迅雷!」

――このまま脇腹に打ち込む!


「―っ!?」

目が俺を捉えている!?


――回避だ!!


ブォン!

直後、がら空きだった敵の急所を前に、急旋回した太刀が走る!!!!!


「~~~~~~~~!!!!」

回避していなければ危なかった!迅雷は相性が悪い!!


「ふう、ふう、はぁ・・・!」

そのまま距離を取り、ようやく息を整える。


―――人間の動きじゃねえ・・・!


敵は太刀をぐるりと回し、肩にもたげる。


「はっはっは!見事じゃ!!」

ガシャガシャと無骨な鎧が音を立てる。


分厚い鬼のような面兜に金の角。夜叉のような真っ白い(たてがみ)に深紅に燃える鎧。

ご利益どころの騒ぎではない。


「はん!天下統一できなかったその腹いせかよ!?」

どうにか油断を誘えないか??


「――未練はなし。じゃが、こうして仮初の肉体を得て、しかもおぬしのような武人と巡り合えた。血が騒ぐのでな。」

くつくつと笑う鎧。


―魔力変換!!

バチン!バリバリバリバリバリ!!!

練り込んでいた魔力を一気に放出する!!!!


―並みの相手ならば木っ端みじんのはずだが―


バアン!!!!!!!

大きな音を立て、焦げたような臭いがする。


「―おお、痒い痒い。そのような技は初めて見たぞ。」


ガシャリ。鎧が音を立てる。


「くそが!」

―もう一度だ!!


バチン!ズガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!


周囲に味方がいないので、俺の最大出力を放出する!!!!!

これほどの電撃を出せるとは思ってもみなかったが・・・!


「―むぅ!!」

ガシャリガシャリ。少したじろぐ鎧。シュウシュウと煙が出るが。

――だがそれだけである


「まじかよ・・・。」

であれば、残る手は一つしかない。

となれば・・・!


「今のは痛かったぞ?それではこちらから。」


相手の姿が消える!!!


―右か!!!!!



神速で迫る太刀をほとんど髪の毛一本のところで躱し!!!!!


「ぃぃぃぃいいいいいいいい!」

身体が悲鳴を上げるが関係ない!!!!

そのまま脇腹めがけて極限まで魔力を集中させた突きを放つ!!!!!!!


ズゴォオオオオオオン!!!!!!!!


―まだだ!まだ足りない!!!

次の瞬間、ありったけの魔力を右手に集中させ、すっ飛んでいく鎧目掛けて勢いまかせにそれ投擲する!!!!!!!!!!!


―――雷切ッ!!!!!


ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


凄まじい音が聞こえ、雷の炸裂するような爆発があった。


―今のは、何だ???


雷切があんなように音を立てることは普通ない。そのまま貫通するか、突き刺さり、そのエネルギーで感電させ続けるか、どちらかのはず。


「―まさか」


――ガシャリ

もうもうと立ち込める煙の中からゆっくりとその姿が現れてくる。


「―素晴らしい。」


見れば、鎧に大きな亀裂が入っているものの、中身にまで達した気配はない。


「これを使うことになるとはのぅ。」

敵が左手に持っているのは、その代名詞とも言われるべき軍配。


―そんなのありかよ・・・


「血沸き、肉躍るとはこのことよ・・・!! ―そうは思わんか?」


「ふぅ、ふぅ、ふぅ・・・!」

呼吸を整える。


―思わねえよ!!!

もはや魔力はすっからかんだ。

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