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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
3部 見えるもの、見えざるもの 9章 合同ダンジョン探索

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6話

「―それでは今回の合同演習の説明を始める。」


―ついに来たか


この合同演習とは、例の「ルディの悲劇イベント」が発生するダンジョン探索のことである。もっとも、このイベントは、ハーヴェルがルディからエミリーを取ってしまうきっかけになるイベントであり、ルディにとってはもはや悲劇以外の何物でもないが、その他の学院生にとっては何のこっちゃという話ではある。


本来、このイベントが始まるころにはイシュバーンは既に引きこもりになっており、イシュバーンがこのイベントに参加することはないのだが、俺は参加するつもりだ。


理由はいくつかあるが、まず何よりも第一に、真面目なラズリーがおそらくは参加すると思われるので、その護衛として参加しないわけにはいかないこと。次に、優先度は低いが、やはり多少はルディの助太刀をしてやることがある。


原作では、エミリーが魔物に襲われ、その魔物をハーヴェルが倒すのだが、これにルディが関与することはない。それはさすがに俺もあんまりだと思うのだ。せめて、ルディの心友として―ルディは嫌がるだろうが―そのイベントの場にルディを居合わせさせる程度のことはするべきだろう。


とはいえ、あくまでも公爵家より雇われている以上は、ラズリーを優先するべきであり、ルディに何か大きな問題が起きたときたとしても、ラズリーを優先する。すまんな、ルディ。


そんなわけで、あくまでもルディにはルディで頑張ってもらう必要がある。該当のイベントが起きるときにはハーヴェルがいるから、大きな問題があればさっさと逃げろとだけは言っておくことにしよう。


・・・以上の方針で問題はないはずだが、しかし気になる点もある。


本当に俺の想定するイベントが起きるのかどうか、である。何もなければそれに越したことはない。問題ない。しかし、俺の想定を上回る敵が現れ、しかもハーヴェルすら上回っていた場合、下手をすればルディはおろか、ハーヴェルとエミリーまでも全滅するおそれがある。


あれからハーヴェルも更なる実力を付けており、そんな敵が簡単に出てくるとは思えないが、実際に魔法学院対抗戦で妙な双子が出てきたということがあった。


それを防ぐためには、やはり俺もルディたちに同行するべきであるが、そうするためにはラズリーをその場所に誘導する必要がある。だが、護衛としてそうすることはできない。


確実であるのは、そもそもそのイベントが起きる場所までエミリーが行くことを事前に防ぐことである。そうすれば、ルディの悲劇イベントが発生することがないのである。しかし、これもまた悩ましい。なぜなら、それはルディが頑張ることでエミリーを守らせるということができない。


―どうするべきか?


結局、ルディをイベントの場所に送ることはやはりリスクがないとは言えない。そうであれば、やや過保護であるかもしれないが、イベントが起きる場所までエミリーが行くことを防ぐことが最も良い選択肢かもしれない。


合同演習まではまだ少し時間がある。それまでに他に有力な選択肢がないか考えておくことにしよう。


「・・・というわけで、今回の探索には中等部の優秀な学生諸君が参加する予定である。」


―今回の探索にはイシュトも参加するんだったな


すっかりイシュトのことを忘れていた。俺の知っている中等部の学院生で、合同探索に参加するのは、エミリー、イシュト、ローズの三名である。おそらく他にもいるだろうが、原作ではこの三名以外は登場しない。


仮にイシュトが危険な目に遭ったらどうするべきか、までは考えていない。

イシュトはヘイム家の跡取りであるので、おそらくは親父より、強力なイシュトの護衛が送られるはず。そして、これについては親父とイシュトの問題であり、俺が考えても仕方のないことだった。

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