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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
3部 見えるもの、見えざるもの 9章 合同ダンジョン探索

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3話

「そういえば、ハーヴェルのやつは剣の実技班は誰と組むんだ?」


「ハーヴェルはヒューヴァとらしいぜ?何でも、今は物凄く剣術を鍛えているんだとか。」

ルディが答える。


「―そいつはおっかねえな?」

前回の敗北がよほど堪えたのだろう。しかし、ハーヴェルはきっとこれからメキメキと実力をつけていくはずだ。


「プリムも、アイリスもハーヴェルに追いつけ、追い越せで、とても成長しているんだとか?」

ルディがそんなことを言う。


―その展開も知っている


「・・・俺だって負けはしないんだ。」

ルディは何かを決意したかのように、一人(ひとり)呟く。


「―なあ、イシュバーン。皆それぞれに鍛えているんだ。何もしないと本当に置いていかれるぜ?」


―それは痛いほど分かっている

俺には迅雷も、雷切もあるが、未だ俺は俺の目指すべきところに到達したとは言い難い。


「―俺もまだまだだな。」



見れば、ルディが驚いたような顔をしていた。


「・・・なんだ?鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして。」


「いや・・・。正直、イシュバーンからそんな殊勝な言葉が出るとは思わなかった。」


「まったく。お前は俺を何だと思っているんだ?」


「・・・ナマケモノ?」


ナマケモノって、あのやけに動きの遅い謎の進化を遂げた生き物か。ってなんでやねん!

だが、ついつい鍛錬をサボってしまうことがあることも事実だ。


「しょうがないじゃあないか。人間とはそういう生き物なんだ。」


―つまりまだまだ、伸びしろがあるということだ

こじつけではあるが、実際に俺は、俺自身をまだまだ鍛えていけると感じている。


――雷切にしても、最初は短剣を作成するのに一分程度かかっていたしな


「・・・ラズリー様はこんなやつのどこがいいんだろうなあ。」

呆れたようにルディが言うのだった。


さて、実はその剣の実技の初回がこの後すぐに行われる。

普段はローブを着て魔法を訓練しているやつらが、今日は運動着を身に着け剣を使うのである。


―もしかすると、思いもよらぬ剣術使いがいるかもしれない


「まあ、ラズリーは見る目があるということだな。」

今は彼女からは高評価を得ていることは間違いないと思うが、これから周囲が、何よりもラズリー自身が成長し出すと、その評価がどうなるか分かったものではない。


故に、俺は本当の意味で鍛錬を怠けることはできないのだ。


―伸びしろがあることは良いことだが、鍛錬しても鍛錬してもキリがないな


「そろそろ、行こうぜ!」

ルディが立ち上がる。


「―そうだな。」

俺とルディはクラスルームに戻ることにした。着替えをして、向かう先は剣術場である。






「――では、あらかじめ配布しておいた実技班に分かれてくれ。」

担当の講師が言う。


アイリスを探すと、謎に近寄り難いオーラを放っているのが分かった。


「本当に、なんでこんなやつと組まなければいけないのかしら・・・。」

ため息交じりに言うアイリス。


「俺に言うなよ。俺が決めたんじゃあない。」


「喋らないで。あなたの言葉を聞くたびに気分が悪くなるわ。」


「―それは悪うござんしたね。」


誰がどういう意図でこの班分けにしたのかは分からないが、随分と悪趣味なことをする、という点では俺もアイリスと同じ意見だった。


「では、まずは互いに自由に模擬戦を行ってくれ。とはいえ、スペースの制約もある。他の生徒と衝突しないようにしてくれ。これも訓練のうちだ。」

担当の講師が続ける。


―アイリスと模擬戦か

アイリスもハーヴェルのパーティメンバーである。気が抜けない。


俺はアイリスを見ると、既にアイリスはロングソードの模造剣を構えていた。


「さっさと構えなさい。」

静かにアイリスが言う。


―やれやれだ

俺も剣を構える。


「―それでいいのよ。」

その次の瞬間、アイリスが大きく踏み込んできた!

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