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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
3部 見えるもの、見えざるもの 7章 見えるもの、見えざるもの

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13話

午前中が試験で、その後の講義はなかった。そこで、王都の商業区に剣を見に行くのと合わせて、飯もどこかの店で食べることにした。


「なあ、ルディ、お前、エミリーとは上手くいっているのか?」

俺は気になっていたことをルディに聞くことにする。


「ああ・・・。大丈夫さ!問題ない!!」

多少強がりのように見える。


「実際はどうなんだ?」

俺はもう少し聞いてみることにする。


「そうだな・・・。ここだけの話、エミリーは多分、俺よりも剣も魔法もできると思うんだ。」


―まあ、それはそうだろうな


実際、ルディがメキメキと力を付けて行くのはエミリーをハーヴェルに取られるのが原因だ。

今そのイベントは起きておらず、いわばルディ覚醒前であるので、現段階ではエミリーの方がかなり強い。


だが、俺は知っている。

エミリーを取られてからというもの、ルディは剣の実力ではエミリーを凌駕する程に成長するということを。


―今のうちからルディが剣を鍛えておくと、仮にイベントと同じことが起きたとしてもエミリーをハーヴェルに取られなくて済むかもしれないな


仮にルディが立ち向かうことがあれば、俺もルディをサポートする必要があるかもしれない。そのときは、ルディを格好よく目立たせる必要があるだろうか?


「―大丈夫さ、ルディ。きっとお前は強くなれるぜ。」


「イシュバーン・・・。」

涙ぐむルディ。


そんなことを話していると、飯屋についた。ちょうどメニューが店の前に表示されている。


「・・・どれにすっかなあ?」

ルディがさっそくメニューの表示されている看板をじっと見つめる。


「俺はこの魚の煮つけにするわ。」

何の魚かは分からないが、普段俺は鳥のぱさぱさした肉を食べており、たまには魚が食べてみたくなった。


「魚かあ。うーん・・・」

ルディはまだ迷っているようだ。


すると

「―あれれ?どこかで見た顔だナア?」


どこかで聞いたような声が後ろから聞こえてきた。俺たちが振り返ると、薄い赤色の髪が見えた。


「よお、レティじゃあないか。こんな所で何をしてんだ?」

俺はレティに声をかける。


「ボク?ボクはお腹すいたからこの店にでも入ろうかなってところ!」

元気よくレティが答える。


「じゃあ、レティも一緒に飯を食うか?問題ないよな、ルディ。」

俺はレティを誘うことにする。


「ああ、問題ないぜ?」

ルディもそれに賛成のようだ。


「そ?じゃあボクもご一緒しちゃおっと!」

そう言うと、レティは店の中に入っていく。




「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

店員が俺たちを見て人数を確認する。


見れば三名と分かるが、後から合流する者がいたりするときがあるので、念のため人数を確認するのだろう。


「三名で!」

レティが元気よく答える。


「―かしこまりました。それではこちらのテーブル席へどうぞ。」


俺たち三名はテーブル席に案内される。


「そういや、レティはよくこの商業区で見かけることが多いな?」

俺はレティに聞くことにする。


「そうだね、ボクここの商業区に住んでいるからね!」


「どこかの貴族の娘じゃないの?」

ルディがレティに訊ねる。


「そうそう!って言ってもあんまり貴族らしくないかも?実家はオルビス都市国家群の港街セルペタだよ~」


―ここに来て初めて聞く情報が出て来た。

オルビス都市国家郡というのも原作では聞かないし、港街セルペタというのも初めて聞く。


「ルディ、オルビス都市国家群について何か知っているか?」

ルディが何か知っているかどうか確認する。


「いいや、イシュバーン、俺もあまり詳しいことは分からない。けど、エルドリアからはかなり遠い国なんじゃないか?」

ルディも詳しくは知らないらしい。


「そそ、オルビスに行くには船が必要だね!」

レティが胸を張って答える。


「そんなところから遠路はるばるよく来たものだ。」

素直にそう思う。


「えらいでしょ!」

そう言うと、レティはにっこりと笑う。


「ねえ、レティ、そこはどんな街なんだ?」

ルディが、レティに詳しい街の様子を聞くようだ。


「そうだねえ、港街だからね、海風がとても気持ちいいよ!それにここよりもずっと暖かいかも?」


よく考えてみれば、俺はレティのことをほとんど知らない。

しかし、なんとなくではあるが、そのレティの言葉で街の様子を想像することができるのだった。

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