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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
3部 見えるもの、見えざるもの 7章 見えるもの、見えざるもの

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5話

「モノクルって何の話だ?」

ルディが俺にモノクルについて質問する。


「ああ、ただのレグルスの趣味みたいなものだ。」

確かに悪趣味なモノクルであるとは思う。


今ここにはエティナがいるので、やつにモノクルが魔道具であることを知らせるわけにはいかない。そのことはラズリーも気が付いているはずだ。


だが、もしかすると、エティナはウソ発見器ということまでは分からずとも、今の言葉に何らかの意味があることぐらいは感づいたかもしれない。


「いつごろに来る?」

慣れない状況に、そろそろ皆疲れてきている。できれば早い方がよい。


「午後の部が終わってすぐだってよ。もうそろそろ決まりそうな感じだったから、すぐ来ると思うぜ?」

午前の部が魔法学院アルトリウスと魔法学院エルディスの試合だった。午後の部は残りの二校の試合である。


「私たちの学院はどうなったの?」

さっきまでうとうとしていたラズリーだったが、どうやら起きたらしい。


「結局ハーヴェルが負けた相手に一人勝ちされたってよ。」


「――うそ」

ラズリーが口を覆う。


だが、幻覚や状態異常の魔法はハマればかなり強力だ。前情報がなければ対策ができないことが多く、今回のように一方的な結果になることもあるだろう。


おそらくレティ以外のアルトリウスのメンバーにとっては、本格的にそういった種類の魔法を使う相手をしたことはなく、おそらく今回が初めての経験だったのだろう。


「・・・どんな強力な攻撃も当たらなければ意味がないか。」

俺はポツリと呟く。


そして、それは俺にも当てはまる。そのようなある意味で特殊な魔法に対して何も対策をせねば、俺もハーヴェルのようなことになりかねない。


―たまたまエティナが相手で、あの妙な召喚魔法で自滅したのが幸いだった


だが、エティナがあの妙な召喚魔法を選択せず、仮に、たとえば他の状態異常を引き起こす魔法を持っていてそれを使用した場合、きっとかなり危ないことになっていただろう。


―対策の必要があることは分かったが、問題は、どうやって対策をするか


エティナの方を見ると、相変わらず寝息を立てている。だが、本当に寝ているのかどうかは俺には分からない。


「なあ、ラズリー。このエティナもエルディスの今回のメンバーだろう?」

俺は少し気になったことをラズリーに聞く。


「―そのはずよ?こんなところで寝ているけれど。今回アルトリウスを一人抜きしたのはイザベラっていう、この子の妹さんね。」


原作ではエティナもイザベラも出てくることはなかった。イザベラのことは伝聞でしかないが、エティナについてはこの目でその異常さを確認している。二人のことは警戒しておくに越したことはないだろう。


「——そこで寝ているエティナも、今回アルトリウスを一人で勝ち抜いたイザベラも特殊な魔法を使うらしい。警戒しておくに越したことはないな?」


「どうしたんだよ、イシュバーン。おまえらしくもない。今日はそんな渋い顔ばかりしてるぜ??」

ルディが俺に突っ込みを入れる。


―確かに、肩に力を入れすぎだろうか?


俺は人知れず魔眼を使用することにする。寝ているエティナの様子を探るのだ。もし魔力を練っているのであれば、俺は魔眼を通じてそのことを知ることができるかもしれない。


―結果、特にエティナの周囲に魔力が集まっているような様子はなかった


「・・・そうだな、ルディ。お前の言うとおりだ。」


だが、俺は警戒を解くことはしない。魔力を継続的に使用することになるが、引き続き魔眼にだけ魔力を集中させることにした。


なんとなく、エティナもイザベラも、あのラズリーとセフィリアの襲われた事件に無関係ではないだろう、と俺の勘がささやいていたからである。


そんな話をしていると。


―ガチャ

部屋の扉の開く音がした。


「やあ、みんな。元気だったかい?」

このタイミングでレグルスが現れたのだった。

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