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迅雷のイシュバーン ~転生した悪役貴族は覇道を目指す (悠々自適にスロ―ライフを送りたいだけなのだが!)~  作者: ねこまじん
2部 目指せスローライフ!? 6章 金魚のフン作戦!?

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3話

飯を食った後は、ラズリーとソフィアを先に風呂に入れることにした。

ネグリジェについては二人とも自分の分を持ってきているようだ。


流石に二人同時に入る分には狭いだろうと思ったが、ラズリーの背中をソフィアが流すなどで、二人一緒に入るらしい。



―やっと一人(ひとり)の時間ができた。

女子二人を同時にもてなすのは随分と気を遣うようだ。肩がこるぜ!


とりあえず、することもないので、俺は自分用に紅茶を入れることにする。


そういえば、この世界には娯楽があまりない。

今後もしかするとラズリーがまた遊びに来ることもあるだろう。そのときはソフィアも一緒だと思われる。複数人で気軽に遊ぶことのできる、トランプなんかがあればいいのだが―


―今度、金物屋へ行ってみるか。

あの店に行けば、もしかするとそういった類の物もあるのではないか?直感的にそう思った。


食卓で一人紅茶を飲んでいると、風呂場の方からきゃあきゃあと声が聞こえてきた。どうやら風呂から上がったらしい。


その声は扉を閉めている食卓の前を通り過ぎ、二階に向かって行った。自室へ戻るのだろう。

と、思ったら、トントントンと階段を降りてくる音が聞こえてきて、ガチャッと食卓の扉が開いた。


「あ!こんなところにいた!」

ラズリーが扉を開くなり、そんなことを言う。後ろにはソフィアの姿も見えた。


「―なんだ、何か用か?」

俺は紅茶を一口飲んで、答える。


「・・・特に用はないのだけれど・・・。」

もじもじするラズリー。


「お嬢様、私たちもお茶を頂きませんか?」

ソフィアがそんな提案をラズリーにする。


「そうね、イシュバーン、私たちもお茶を頂けないかしら?」

ラズリーから要求されると立場的に断りづらい。


―このメイド、考えてやがる


「―まったく、俺はいつお前たちの召使になったというのか。」

俺は重い腰を上げ、二人分のカップを用意し、再び湯を沸かすことにする。


「・・・ねえ、イシュバーン。ランクマッチのことなんだけれど。」


「ランクマッチがどうした?」

二人の紅茶の準備をしながらラズリーに答える。


「ええ。それがね、魔法学院エルディスにとても強力な魔法使いがいるらしいの。」


「強力な魔法使い?」


―そんな奴いたっけ?

原作ではどんな敵があろうともハーヴェルの敵ではなかった。


確かに、魔法学院エルディスには、ある程度使える魔法使いがやっかいだったという記憶はある。だが、ハーヴェルを苦しめるほどの敵かと言われれば、ノーである。


「どういうやつか知っているのか?」

俺は二人に紅茶を淹れながら、ラズリーに言う。


「私も知らないわ。でも、アウグスタがそんなことを言っていたのよね。」


「アウグスタがねえ。」

アウグスタは男であり、ハーヴェルのハーレム要員ではないので、アウグスタについてはほとんど知らない。ゲームではゴーレムを操作するような描写があったくらいだ。


「アウグスタって、どんなやつだっけか?」

そもそもゴーレムを使うくらいしか知らない。


「―アウグスタ様はエデルフィム家の直系の跡取りです。」

ここでソフィアが口を開いた。


「つまり、ソフィアはアウグスタの―」


「・・・はい、腹違いの妹になります。」


―今、明かされる衝撃の事実。

ソフィアもある程度戦えるようだったが、エデルフィム家というのはかなり優秀なのだろうか?


「エデルフィム家とはかなり優秀だったのだな。」

正直、知らなかった。


「―そうね。派閥的に色々あるみたい。」

ラズリーがソフィアに代わって答える。


「ん?エデルフィム家はテレジア家の派閥ではないのか?」

テレジア家の派閥であるのならば、そんな答えにはならないはずだ。


「・・・エデルフィム家はバルモン家の派閥なのです。」

ソフィアが言いにくそうにする。


―バルモン家。バルモン家とは、確かあのグラウスの実家の公爵家だったはずだ。

ゲームには名前しか出てこないので、これについても俺はほとんど情報を持っていない。

もしかすると、このランクマッチにも何かあるのかもしれない。


「―全く、貴族というやつは色々と面倒事が多い。嫌になるよな?」

そう言って俺は二人を見る。


すると、二人は互いに顔を見合わせ、


「・・・私は、イシュバーン様ほど気楽に貴族をやっている方を見たことがありません。」


そんなソフィアの言葉に大きくうんうんと頷くラズリーだった。

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