死出の旅
窓の外を眺めていた。
雨が降ってるなぁ、なんて思っていたんだ。
深夜2時か
その時、家のドアでガチャガチャ音が鳴ってるのに否応なしにも気付かされた。
なんだ?
私は一人暮らしだぞ
ガチャリと音が大きく響いた。
私は急いで玄関に走ると見知らぬ男が立っていた。
「泥棒か!てめぇ!」
男は慌てる様子もなく笑みを浮かべている
「泥棒だなんて、物騒なことを言いやがる。俺はお前を救いに来たんだよ、佐藤」
言ってることが分からない
「救うだと?深夜に泥棒行為をして舐めた事を言いやがる!」
男は動じない
「あのな、人には死という最終地点があるんだ。それは分かるな?俺はお前を救いに来たんだよ」
深夜の時間に見知らぬ男と会話をしている事が理解できないし、言ってる事が分からない。
「佐藤、お前は今から死出の旅に向かうんだ」
男はおもむろに刃物を取り出した。