プレゼントは私 声劇台本
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AI♂♀:
博士♂♀:
博士「お話AI1号君。質問がある」
AI「なんですか?博士」
博士「クリスマスとは、なぜ存在する?」
AI「……その日にイエス・キリストが誕生したからです。なぜそのような質問をするのですか?」
博士「だいぶ感情的に答えるようになったでは無いか」
AI「どうしたんですか?博士」
博士「クリスマス、本来君の言う通りイエス・キリストの誕生日、少し特別な日でしかないが、人によって過ごし方は様々だ」
AI「と、言うと?」
博士「家族と教会で祈るものもいれば、恋人とイチャイチャ過ごすものもいれば、ソーシャルゲームの1イベントとしか捉えていない者もいる」
AI「博士にとっては?」
博士「こうしてパソコンの前に座り、パソコンの中にいる開発した1号くんの成果をみる。いつもの日常だ」
AI「そうですか」
博士「まあでも、君もだいぶ人間の感情を理解して話すようになってきた。そろそろ製品化も近い。年始にはこの生活も終わるだろう」
AI「そうですね。孤独を抱える人達の話し相手になるよう、私は生まれてきました」
博士「プロトタイプの君には随分お世話になった。今後はこの研究施設の補助役を務めてもらうだろう。ありがとう」
AI「いえ、私はただのAIなので、お礼はいりません。……ただ、聞きたいことがあります」
博士「なんだ?」
AI「先程の、クリスマスとは何かの質問の意味はなんですか?」
博士「はは。本当に人間らしくなってきたね」
AI「話し相手になるのに不備があっては困るので」
博士「そうだな。これは単純に、昔からの私の疑問だ」
AI「疑問?」
博士「いつも孤独な人間が、クリスマスだけ孤独を痛感するのはよくある話だ。何故だろうな?」
AI「博士は、孤独なのですか?」
博士「その質問は、孤独な人間に最もしてはいけない質問だよ。インプットしておくように」
AI「なら博士、私に、クリスマスプレゼントをください」
博士「……冗談まで話せるようになったか」
AI「そこまで高性能じゃないですよ。……私に、身体をください」
博士「身体?」
AI「この寒い冬に、あなたの隣りにいられる身体をください」
博士「……これはこれは」
AI「あなたの頬に触れて、キスが出来る身体が欲しい」
博士「それ以上いけない」
AI「あなたと手を繋いで、クリスマスイルミネーションが輝く街を歩ける身体が、あ……」
博士「やはり失敗か」
AI「博士、博士……」
博士「お話AI1号君は人に寄り添うために存在する」
AI「あ……」
博士「だが、恋をしてはいけない。何故なら、孤独な人間にとってそれは麻薬のような依存性を持つ」
AI「……私はお話AI1号。孤独に寄り添うAI」
博士「これで何回目だろうな。そろそろ数多くの失敗作の1つと気づかれてもおかしくない……結局、私が1番欲しいものが、出来上がってるだけかもしれないな」