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2日目

 日記の位置が変わっている気がする。


 朝食を食べにこの快適な部屋から出ることにした。

 ベッドもとても寝心地が良かった。


 大部屋に行くと、クラスメイト達が談笑しながら朝食をとっていた。

 とても豪華に見える。

 近くにあるクロワッサンを食べる。

 ……なんとなく味がしない気がした。

 気のせいと思うことにして、僕は朝食はそれっきりにした。

 いつも朝食は少なめなのでまぁ…問題ないだろう。


 さぁ、図書館に行こうか。


「お前…」


 声が聞こえた。しかし、僕に話かけてくる人間なんてほぼいないことを僕は知っているので、無視した。


「お前だよ!芥川!」


 どうやら僕らしい。

 振り返って見たが、知らない人だった。


「はあ、何です?」


「…なんで動いてるんだ!?」


「は?」


 まるで僕が今動いているのがおかしいみたいじゃないか。


「だってお前は俺が…」


「殺したって?」


「…」


 こちらを睨んできた。


「ははは、冗談だよ!全く自分はほら、この通りすっかり元気だぜ?昨日何があったかなんてもうすっかり覚えていないくらいに」


「…。そうかよ」


 いなくなった。

 とりあえず気になったので【この会話】は覚えておくことにした。



 ▫



 鍵が鳴る方向に歩くといいと聞き、それ通りに進むと図書館に着いた。

 王城の図書館という割には蔵書数が少ない気がした。この分なら2日もあれば読み終わるんじゃなかろうか。


 本を見回していると、首の魔石が光った気がした。

 本棚から音が鳴り、扉のように……いや、そもそも最初から扉だったのかもしれない、が開いた。

 地下室につながっているようだ。


 少し前の僕ならまず踏み出さなかっただろう……。

 しかし、昨日のことを思い出す。

 ぼんやりと腕をふっただけであの威力である。

 もう僕より強いやつなんてそんなにいないんじゃないだろうか。


 ……考えていても仕方がない。

 僕はその、地下室まで続く階段を降りることにした。


 地下室までの道に、僕が想像していたような困難に出会うことはなく、地下室の前に着いた。


 カチッと音がした。鍵が開いたのだろうか。

 扉を押すと、簡単に開いた。中はとても明るかった。


 地下室の中心には1つの人形が液体の中に浸かっていた。


「ふむ」


 有機物には絶対再現できないであろう美しい金髪を眺める。

 ……よくできている。

 目を閉じていて、虹彩がどうなっているか分からないのが少しもったいない。


 パリン


 ガラスにヒビが入った。壊れた。

 僕は何も触っていないので、僕のせいでは無いさ。……そうだとすると誰がこのガラスを割ったのかという話になる。思わず周りを見渡した。


 お人形さんが目をあける。美しいブルーサファイアみたいな綺麗な瞳。瞳孔は無い。

 お人形さんが手を前に出し、そのままひび割れたガラスを突き破った。


『…貴方のことはなんと呼べば?』


「え?…マスターで」


 お人形さんは口を開けずに話している。


『…マスター、私は何をすれば?』


「もう1回ガラスの中に戻って欲しい。また機会があったら呼びに来るから」


『分かった』


「…おお!」


 お人形さんがガラスの欠片の中に入り、液体が戻り、ガラスが直った。

 まるで逆再生みたいだ。

 僕はとても感心した。


 僕は図書館に戻った。


 ……まずは暦からだ。

 そう思ったが、一向に見つからない。

 少し疑問に思った。


 まぁ、ないものは仕方ない。

 とりあえず適当に本を引っ張り出す。

 ……普通に日本語だ。

 まぁ並んでる本の背表紙は全部日本語なんだけど。

 ざっと見ていく。


 光の聖女と不思議な世界


 童話だろうか?

 また後で見よう。


 文化を知りたい。


 ……。どうやら西洋の中世後期といったところだろうか。どうやら機関車も通っているらしい。


 あんまり異世界という感じがしない。

 それもこれも光の聖女!

 異世界から来た光の聖女が文としての日本語を広め、他国との争いを嘆き翻訳の魔法を使った。それは今も有効のまま……ということだ。


 光の聖女は今どうしているんだろうか?

 ふと気になった。普通なら寿命で死んでいるのだろうけど、なんとなくそんな気がしなかった。


 僕と縁が深いらしい風の魔道士は最後異世界に帰ったらしいんだけど……。

 光の聖女のその後について書かれている本は見たところ、全くない。


 光の魔法は得手不得手はあれど、誰にでも使える等価交換の魔法らしい、本に書いてあることを要約すると大体そんな感じだ。

 それと何か関係があるんだろうか。


「やあ、読書は捗っていますか?」


 お姫様の低い声だ。


「そうですね…。少し気になったことがあるのですが」


「はい、なんでしょうか?」


「この図書館にはなんで幼い子供向けの本が無いんですか?いや、他にそれ用の別の部屋があるだけかもしれませんが…」


「なかなか鋭いね…」


 笑い声が聞こえたので、振り返って見ると、そこには誰もいなかった。


 なんだこの怖い話。


 明日も図書館には行くだろう。


 おやすみ


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