仲間
前回の続きです。
俺が富裕層共に反抗するチーム【レジスタンス】を結成するために、ごみ溜めの世界を駆けずり回りだしてから速くも3年が過ぎた。
公に仲間を集められない以上脚で稼ぐしかないのだ。
そして遂に1人の仲間を見つけた。
その場所はスラムでは珍しく綺麗な場所だった。
地面がちゃんと見え、雑草まで少し生えている。
自分でリサイクルして作ったと思われるテントを張り、生活してたそいつは〈ONE〉という名前だ。
ONEは非常に手先が器用らしく、色々リサイクルして作っていた。
そして警戒心も非常に高く、信頼されるまでかなり時間を要した。ONEのお願い事を無償で1ヶ月聞き続けたのだ。
最初は鍋やフライパンなどの調理器具を見せてくれては自慢してた。
最近では武器まで見せてくれる。武器は勿論持っているだけ、いや、在処を知ってるのがバレただけでも逮捕される。
そうして何ヵ月か一緒に生活して、レジスタンスに誘った。答えはYESだった。
まずやるべきことは不当に逮捕された者達を解放したいって事だ。
俺は3年間スラムを駆けずり回ったお陰である程度の情報は得てきた。一番警備が弱い牢屋。そこを狙う。
計画は単純。ONEの作った武器で警備員を排除するだけだ。監視カメラの位置も把握してる。
ONEの作った武器達は凄い。まるで錬金術師だ。
しっかりとした弓と矢。切れ味の鋭いナイフ。
奴らの武器には遠く及ばないが、奴らは油断してる。反抗する者がずっと居なかった世界。
今この瞬間だけはありがたいと思う。
まだ続きますので、よかったらお付き合い下さい