闘いの日々
毎回毎回同じことの繰り返しだった。戦わされ、殺され、生き返る。しかし、そうして強くなってきた以上文句はない。それどころか今か今かと待ち望んでいるくらいだ。
そして、今日ようやく新しい鎧が届けられた。一つ目は黒い衣装に仮面とマントという不審者というにふさわしい格好だった。仮面はベルトを使って後頭部と首の後ろで止めるようになっており、そこだけはしっかりと金をかけて作られている。次に二つ目の鎧ははなんだか荒くれものみたいな鎧だ。兜と胴だけの鎧で鋭い棘がつけられていて、まるで世紀末のようだ。
最後に三つ目であるが、これだけは今までのものとはあ少し違った。前と同じような毛皮の鎧ではあるが、厚くしっかりとした作りをしている。そのうえ、獣の頭がそのまま残されており、まるで獣がそのまま立っているかのようだ。俺がバルトのほうを見ると、バルトが話し出す。
「いつかあのジョンという男もどうにかしなくてはならん。」
バルトによればこの毛皮はジョンを永久に闘技場から消し去るものらしい。確かにただの奴隷に「最強の男」を倒させるわけにはいかない。そこで高価な鎧を着た俺に倒させようというのだ。確かにそれだけの鎧を着ているということはそれだけの実力があるということで観客たちを納得させられるだろう。
しかし、それを毛皮の鎧にした理由だが鎧の中でも毛皮は安く済むのだ。重装鎧に装飾を施そうとなると際限がなく、いくらでも高くなってしまうのだ。一方で毛皮であれば無駄な装飾をする必要がない。そんな話を聞かされながら俺は新しい鎧を眺めていた。
・・・・・
次の日からいつも通りの俺の生活が始まった。仮面マントと棘の鎧で勝ち星を増やしていく。これで勝率を上げ、次の八百長試合に備えるのだ。
しかしここにきて、俺にある気持ちが再び湧き出ていた。それは外に出たいという欲求だ。この世界に来てからというもの全く外の世界について知る機会もなかったのだ。しかし、あの毛皮のような俺の知らない生物、俺の知らないことがあるのだろうと考えるとそれを知りたくなったのだ。
だが、首輪がある以上そうはいかない。確かに今までも逃げたいと思うことはあったが、何とか自分を納得させ、ここでの暮らしにも慣れ、前向きに生きていくことを考え何とかそれで生きてきているのだ。
首輪をしている以上もはやどうしようもない。俺はここでこのまま戦って過ごすという現状維持を望むことしかできないのだ。結局俺はすべて忘れようと、あきらめようと思って過ごすことになった。
・・・・・
・・・だが、俺のそんな外の世界へのあこがれは思いもよらない形で実現されることになった。