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剣闘士

 「ここです。」


 俺はバルトに促されるまま部屋に入った。そこは戦う場所を見下ろすことができるバルトの部屋である。俺はすぐそこにあったソファに座りバルトを見る。


 「あなたが負けるのも珍しいですね。」


 いきなり嫌味かと身を構えたが、どうやらそうではないらしい。確かに本気で戦って負けるのは久しぶりだ。八百長試合のためにわざと死ぬこともあったが、今回ばかりは八百長試合などではなく本気だった。いつも通り相手を降参させるという勝ち方をしたかったが、今回の戦いは彼女のほうが上手だったようだ。


 「まあ、彼女も・・・」


 バルトは話し出すと長い。というより、話しているうちに自分で話の終わらし方がわからなくなってしまうといったほうが正しいだろう。今まで、彼女の名前がリヨンということは入場の際や観客からの声援で知っていたが、どうやら彼女はほかの剣闘士たちとはちょっと違うらしい。リヨンは地位や名声というものには全く興味がなく、各地で金にならないような仕事ばかりを受ける万年金欠の傭兵なのだという。しかし、その実力は本物ででありバルトの話を聞く限り、遊ばせておくのは惜しいと思っているようだ。

 そもそも、剣闘士とは金だけでなく、地位や名誉、名声が手っ取り早くはいる場所でもある。なぜなら周りには数百、数千もの観客がいて自分の強さを見せることができるのだ。

 その方法は様々だが、簡単に言えば次のような試合がある。


「剣闘士同士による決闘」

  これはそれぞれの剣闘士による一対一の決闘であり、勝ったほうが賞金をもらえる。

  賞金がかかった大会となるとトーナメント戦が行われ優勝者にその賞金が支払われる。


「剣闘士と奴隷による決闘」

  これには二つの形式があり、それぞれAとBがあるとすると俺が出ているのはAの形式だ。

  俺が出ているのは一回だけ行われる決闘であり、剣闘士側が勝てば賞金がもらえる。

  一方でBの形式になると奴隷との一対一の勝ち抜き戦であり、初心者向けであり五戦行われる。これは勝ち続ければ賞金が上がっていくルールとなっており、全勝すれば賞金がもらえ、途中で棄権すれば勝ち続けた回数で賞金は支払われる。逆に途中で負けてしまった場合、今まで勝ち続けていても賞金がゼロになってしまうルールになっているのだ。


「剣闘士と複数の奴隷による戦闘」

  俺が初めて戦わされた形式であり、ある程度実力のあるものが行う戦いといえる。


「剣闘士と猛獣による戦闘」

  相手によって初心者でも実力者でも戦うことのできる形式でであり、俺のような奴隷が出る幕はない。


 とはいっても、奴隷である俺にはどのような戦いでも関係がない。ただ戦わされるだけでそんな事情とは関わりようがないのだ。それにしてもそろそろ本題にないってほしいし、先ほどと同じ話をバルトがしだした。とにかく本題に入ってもらうことにしよう。


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