都市の戦い
ひときわ大きな都市についた。掲げられている紋章は前に見たものと同じであるが、門や紋章の大きさが一回りは大きい。
「大きいな。」
「そりゃ、ルギリア帝国の帝都だからな。」
俺の言葉に解説が入る。まるで誰でも知っていて当たり前だといった感じだ。
新しい都市に足を踏み入れた俺の隣にはリヨンがいた。あの日以降、リヨンはどういうわけか俺についてくるようになった。最初のほうは適当にあしらって寝ているところを置いていこうとしたところもあるが、獣人は気配というものには敏感なのかいずれも失敗に終わった。
俺の体の性質上、飲まず食わずの上に睡眠も必要しないがそれを気づかれるのも面倒であり、彼女の目の前である以上それをしなければならない。しかし、それを必要としてこなかった以上そのやり方を知らない俺は完全にリヨンに任せっきりになっている。俺のそんなところがお節介焼きのリヨンにとっては離れないという理由に拍車をかけている。
・・・・・
そして、俺はとある一つの建物にたどり着いた。そこは俺のいた闘技場よりも大きく、その周囲はまともに動けないほどの人通りであふれていた。
「すごいな。なんだこれは。」
「なんだ。闘技場も知らないのか?ここは大陸一大きいルギリア闘技場だ。」
話を聞く限りでは俺のいた闘技場と変わらないことをしているようだ。闘技場は観客の入場料や胴元として稼ぐ。冒険者たちが剣闘士として参加し、剣闘士や奴隷、猛獣と戦って賞金を得る。いたって普通の闘技場だ。
「だけど今回は帝国戦みたいだな。」
「帝国戦?」
「年に一度、帝国が主催するトーナメント戦だ。」
闘技場の外にある広場の一角には人だかりができていた。頭一つ分は身長が高いのでよく見えるが、どうやら、兵士たちの向こう側に見えるのが優勝者に贈られる品々だということだ。
「各地を治める貴族たちが一定以上の価値があるものを出品する。というよりはさせられるからなどれもそれなりのものが出ているはずだ。」
確かに、見てみれば金貨や銀貨、宝石のほか様々なものが並んでいる。
「ちょっと肩貸せ。」
いきなりリヨンはそういうと、俺の両肩に手をのせてジャンプする。俺の身長と相まって奥のほうまでよく見えるだろう。
「あ!あれは!?」
リヨンの駆け寄った先には、賞品とともに並べられている檻の中には一人の獣人がいた。
「リナ!」
「リヨンさん!」
どうやら同じ村の仲間のようで、奴隷として捕まり、技場の賞品として出しているのだという。
「大丈夫私が必ず助け出してあげるから。」
そういうとリヨンは男爵への怒りを表すと同時に人ごみの中へ姿を消していった。
「(あれ?置いていかれた。)」
俺はそんなことを思いつつリヨンの行った方向へ探しに行くことにした。




