第51話 乱入回
はいどぅもー
キリアちゃんのDMGB実況でーす。
いやぁ参っちゃいましたね。
まさか私の分身が倒されるような展開になるとは。
もぅね、軽い気持ちで100回記念~とかやったボックスガチャに祟られっぱなしですよ…
ランク低いダンジョンと直接やりあってウマーしようと思ったら、勇者が乱入するなんて聞いてないし!
そんなの対応できません。
行く先々で邪魔をしてくれるあの勇者、ワタシに何か恨みでもあるんでしょうか。
おや、こんな時間に誰か来たようだ。
ちょっと誰よアナタ、勝手に入ってこないで!
ロングでウェーブをかけたピンクの髪の非常にスタイルの良い女性がキリアの実況ブースに入り込んでくる。
豊満な体ではあるがウエストはキュッとしまっているあたり、よりスタイルの良さをアピールしている。
「私はこの154133世界を管轄しているDMGBのGMだ。
154133世界でDMGB参加者として活動しているDMキリアに不正疑惑がある」
「この154133世界はDMGBの世界ではあるが実際に生き物が生活する本物の世界だ。
DMの君はボックスガチャの一気開けの際、不正な術式を使用してガチャの排出確率に介入しようとしたな?」
「そしてエレメンタルドラゴンなりのLRのユニットを召喚しようとした」
一気ににまくしたてるGMにキリアも負けず言い返す。
「知らない!知らないよ!!そんなユニット出なかったじゃない!」
「やっていない、ではなく知らないと来たか、そしてガチャを回したことは配信したんだからごまかしようもないわのぅ」
「チ…証拠があるっていうの?あるなら見せなさいよ。
証拠がないんだったらそんなのイチャモンよ、従う必要ないわ」
「ではお前が開けた1100回のガチャで絶対に排出されることのない異世界転生、もしくは異世界からの転移者であることを示すスキルがあれば納得するのか?」
「え…まさか…そんなのなかったじゃない」
「スキルの中にはDMには見えない、意識できないExスキルという物があってな?」
「Exスキルは運営側がDMGBでDMに対して放つ鬼札。
これはよくいうチートスキルとはまた筋の違うものだ」
「お前がトレードに出したボックスガチャの生き残りのリザードマン、アレがそうなんじゃが、どんどんExスキルを取ってえらいことになったのはうぬもその身で知ったであろ?」
「そしてお前の勇者召喚術式に巻き込まれたのが、お前のダンジョンから侵攻したグランドレイクゾンビを撃退した異世界からの勇者、あれが本来お前の不正術式で出るはずだったLRユニットよ。
まぁ排出される前に我らGMが不正術式に気付いて横取りしたがの」
「なんですってー!」
「まぁそれに差し替える形でExスキル持ちのリザードマンが出た訳だ、さっきも言うたがExスキルが見えなければ、アレはただの低グレードのユニットにしか見えん」
「さて、これがお前の不正の証拠だ、なにか言い逃れはあるか?」
「…そんな…あのボックスガチャには振り回され続けてこんな結果になるなんて…
いや、それが本当だと確認することが出来ないなら証拠にならないわ」
「妾の胸元にある黒い鱗、これはそ奴のものでな、細工の痕跡が残っておるわい」
黒曜石のような黒く輝く鱗が豊かな彼女の胸元で輝いている。
「振り回されたのもExスキルの所為と言えん訳ではないがな。
おおかた配信中にLR出して動画の評価もがっちり上げようという魂胆だっただろう?
残念ながらDMGBは不正がばれたら利用停止だぞ?」
「ううぅぅぅ…」
「では、本件のDMキリアの処分について通告する」
「DMキリアのDMとしての神格を降格させて神権資格はく奪とそれに合わせたスキルLvと記憶の調整、それに伴う全コアの破棄、及び蓄積エネルギーを件の勇者とリザードマンの復帰に当て、それ以上の残余は自然解放、全ての配下モンスターと支配・被支配関係解除。
まぁDMGBのことは忘れて一般ユニットとしてやり直せということじゃ、練磨してまた上がってくる分には止めぬがの」
そう告げると薄桃色した胸元の肌にはまり込んだ黒い鱗をきらめかせて去って行った。
ダンジョンコアの破棄とため込んだエネルギーの破棄によって、キリアのラストダンジョンにあるプライベートスペースに崩壊の鳴動が伝わってくる。
「あぁぁぁ…」
キリアの嘆きも飲み込みながら地を揺るがす鳴動は3日続いたという。
最も、呪われたと噂される廃都を噂で知るものはいても、実際足を運ぶ者はいなかったが。
『キリアちゃんのDMGB実況』は空前の再生回数を記録した。




