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第50話

キリアの攻撃は力強く、そしてフェイントを多用した多彩な攻めを繰り出してきた。


レーラさんやチヒロさんと鍛錬したからキリアの攻撃を凌ぐことが出来る。


横から胴薙ぎと見せかけて左足を縦に掠めて行った攻撃になんの驚きもなかった。


「右手と言って胴、と見せかけてその実狙ったのは左足か。

 お前みたいなひねくれものが言った通りの行動なんてするものか」


先ほどの左足を掠めた攻撃で、役目を終えたかのようにプツリと最後に残った左足のミサンガが切れる。


途端に俺に力が漲ってきた。

この力の源泉は!


俺は他人の力を借りて今までの困難を生き延びてきた。

ならばこの戦いでも仲間と一緒に戦うべきか。


右手の炎、左手の水の紋様は胸まで届くのに熱くも冷たくもなく、額に風の力をまとって武器を振るう。


そして俺が最初に仲間にしたアオ、アカ、シロ。

俺が一番一緒にいた仲間、


「みんな、一緒に戦おう…」


俺のそのつぶやきは祈りにも似て。


「何それまだ強くなるの!?おかしいんじゃない?」


<Exスキル カンパニーマンLiz

 新条件解放!>


<スキル解放に伴いHP、SPを回復!

 一時的にグレードが上昇します!>


<カンパニーマンLv05発動!>


<発動に伴い能力値が上昇します!>


<シャドウを発現し実体化します!>


「まったく呼ぶのが遅いんだっての」


右胸まで燃え上がるタトゥーのような模様から召喚される、力自慢のリザードマン。

赤い鱗のリザードマンは両手斧を担ぐように持ち上げる。


「呼ばれれば、ともにある 盟約の友よ」


青いリザードマンが槍をしごいて現れる。

左胸まで津波のタトゥーのような模様から召喚される、速さ自慢のリザードマン。

青い鱗のリザードマンは穂の長い槍を担ぐように持ち上げる。

 

「ちょっとなんでアンタの周りにメスがどんどん増えていくわけ?」


白い体色に美しい瞳のリザードマンが魔法増幅器がばっちり嵌った魔導杖を光らせる。


「ちょっとちょっと

 LR(レジェンドレア)ランク4体なんて無理無理、どうなってんのよ、ここで負けるのはマジでヤバイんだから。

 お願い見逃して、報酬は払うから!」


それを聞いた3人は眼をギロリといからせると、


「お前の事情なんか知るか!」


「よくも引き離してくれたわね」


「一度くらいは死んでおけ」


まぁ言われたキリアもホントにその懇願がかなうとは思ってはいなかったんだろう。


「べぇーだ、リッチだからもう死んでますぅ。

 アタシは生死を超越し神になるんでーす。

 そんでその秘密を知ったアンタたちは絶対に逃がさないし」


~Regular Battle~

~勝利条件:敵の戦闘不能または死亡

 敗北条件:味方の戦闘不能または死亡

 DMステータス:AUTO

 BGM:果たされる誓い


キリアの顔と全身が干からび、目は窪んだ穴になった。

即身成仏とかそういう系列のぱさぱさの動く死体がドレスをまとった姿がキリアの本性だった。


「行くわよ~」


俺達は激しく戦った。

アオの槍もアカの斧もシロの魔弾も激しく当たっているが、ダメージは与えているのか?なかなかHPが減らない。


<キリア

 HP ??????→??????>


おかしい、こんなHPが減らないなんて変だ。

俺達の最初のクエスト、点検路の巡回の時の門番はスケルトンはどうだった?

『聖属性弱点』、奴はリッチでアンデット。

それならこれはどうだ。

俺は鞄から『蘇生回復薬』を取り出すとキリアに投げつけた。


「うっきゃ-なにすんのよ!

 こんなの食らったら死んじゃうじゃない。

 あ、もう死んでたんだった」


<キリア

 HP 244220/248320>


不死者リッチの不死の特性は消え、攻撃を無効化するフィールドを消失させられたキリアに、俺達はとっておきの一撃をお見舞いする。


アオの一撃、

「このワレの分を見舞おう受けて見よ!」

『水撃烈天突』


アカの一撃、

「やられたことは返すのがオデの流儀だ!」

『劫火衝烈激』


シロの一撃、

「よくも引き離して戦わせたわね!」

『烈風斬烈破!』


「そしてこれが!俺の分だーーーー

『絶神斬烈衝』!」


必殺技は声に出すものだ!


というわけで沸き上がるまま必殺技名を叫んでみたが、仲間の3人もそうなのかな?


<キリア

 HP8427/248320→0/248320>


俺たち4人の攻撃にHPを0にし、キリアは埃のような粉末になって風に吹かれて消滅した。


~Regular Battle~

~勝利条件:敵の戦闘不能または死亡

 敗北条件:味方の戦闘不能または死亡

 戦況:勝利!(WIN!)

 DMステータス:AUTO

 BGM:巡る因果


<ユートリアのLvが上がりました>

<ユートリアがEx(エクストラ)スキル 神殺し を取得しました!>


ちょっとだけ残った灰に蘇生回復薬を振りかけながら皆に聞いてみた。

何か悲鳴みたいなのがどこかから聞こえるけど、敵だろうから気にしないでおこう。


「どう思う?」


「身代わりよ」


「フェイクだと思う」


「ああいうのはしつこいわよ~」


「そうだな」


「ちょっと何こっち見てんのよ!

 私がやるんなら直接やるに決まってるでしょ!」


「まぁなんにしろ一回は片を付けた訳だ。

 今度あっちからちょっかい掛けない限り、こっちは無視でいいだろうか?」


「いんじゃね?」


「まぁ気は済んだし、構わないわ」


「いちどきの 恨みははらせり 足りる事」


「そうか、さてそれじゃあみんなの所に帰ろうか」

<レンゼティア側ユニット・ユートリアがキリア側DMキリアを撃破しました>


<ダンジョンバトルを終了します>


<防衛レンゼティア勝利>


~Dungeons Vs Dungeons (大規模戦争イベント)~

~勝利条件:敵拠点の抵抗力喪失

        敵総大将ユニットの撃破または戦闘不能

 敗北条件:自軍総大将ユニットの撃破または戦闘不能

        敵拠点の抵抗力が残っている時の撤退

 戦況:防衛側勝利!!(WIN!)

 

 初期攻撃側

 『鬼哭啾啾たる忘れられし王城』

  総大将:DMキリア(Lost!) 

  単独攻撃ユニット:筆頭配下ルトール(Lost!) 

  単独攻撃ユニット:グランドレイク(ゾンビ)Lv15(Lost!) 

  部隊/指揮官:混成Gob(鬼族)歩兵旅団/オーガロード (Dead!) 52

  部隊/指揮官:混成Udd(死霊)歩兵旅団/スケルトン・ジェネラル(Lost!) 侵入済ユニット数残 0

  部隊/指揮官:混成Udd(死霊)歩兵旅団/スケルトン・ジェネラル(Lost!) 侵入済ユニット数残 22

  

 Vs

 

 初期防衛側

 『常春の花乱れ咲く森の迷宮』

  総大将:DMレンゼティア

  単独迎撃ユニット:筆頭配下レーア

  単独迎撃ユニット:ミサキ・チヒロ

  単独迎撃ユニット:シュティーナ

  単独攻撃ユニット:ユートリア

  部隊/指揮官:混成Gob(混成)歩兵大隊/グァガ(オーガロード) 482


ギルド貢献ポイント654940Pt獲得!


 DMステータス:Manual

 BGM:人知れぬ失われし王城の戦い~


気力(SP)切れでカンパニーマンが終了する。

3人の仲間のリザードマンたちはこことは別の世界に帰っていく。


「呼ばれれば いつでも来よう 友の為」


「困ったときと旨いもの食うときはいつでも呼ぶんだぜ?」


「いつでも会える、いつまでも一緒、今はそれでいい」


3人はそういうと消えていった。


「ありがとう、みんな助かったよ、またな」


<各ユニットにそれぞれ経験ポイントが割り振られました。>


<レンゼティアが経験ポイントを「@」:p;おぃくjyhg!>


……

<ユートリアがEx(エクストラ)スキル 界渡り を取得しました!>


<界渡り

 自分の知る任意の世界に転移することが出来る>


おぉぉ!?これがあれば元の世界に自力で帰るんじゃないか?


でもなぜ今このスキルを開眼したんだろう。


『スキルは鍛えて開眼するものよ。

 望んで鍛錬する限りそのスキルが開眼する可能性は必ずあるわ』


レンゼティアが以前言っていたことを思い出す。


そうかそういうことか、レンゼティアは俺に自分の鱗を授けることで空間転移のスキルが開眼するのを狙ったのか。

その好意が首に交換した首元の鱗に感じる。


俺の願いはいつでも元の世界に帰ることだった。

だからそれを叶えるスキルが開眼したのだろう。


手を振ってこっちに走ってくるチヒロさんにどうやって伝えようか考えながら、俺も軽く手を上げてレンゼティア、レーラ、シュティーナの所に歩き出した。


「ほほー世を渡るスキルを得たようじゃな。

 目出たい目出たい。

 いやぁチヒロは普通にこの世界に転移してきただけじゃから移し替えせばよかったが、お主元の世界では死んでおるでの。

 いやぁどう伝えるか悩んだ訳じゃが…

 もう大丈夫じゃの?」


「あ、やっぱり俺死んでたのか、だろうなぁとは思ってはいたんだよ。

 でも、やっぱりちょっとショック…かなぁ…」


自分が元の世界ではすでに死んでいると聞かされてもちょっとしたショックで済んでしまっている。


それほどに俺はもうこの世界になじんでしまっていた。


「俺としては、まぁ奴をぶん殴るより元の世界に帰りたいってのが本音だったしなぁ。

 これで目的達成か」


チヒロさんが珍しくおずおずと聞いてくる。


「それ、アタシも一緒に帰れるモノ?」


「心配はいらんぞ。

 妾も界渡りの術は使えるでな」


「ユートリアがどの世界に渡るか決めてくれれば妾が補佐する故、ここの全員渡るなど造作もないわい」


「やったぁ!早速帰ろう」


「まてまて、そこは今のユートリアと同じような身体をしたものが普通にいる世界かえ?」


「元々の身体は処理されてしもうて居るし新しく作り直さねばなるまいよ。

 妾が新しい身体を作ってやるよって材料を取ってきてくれんかのう」


「それは当然任せてくれ」


「ワタシ達も当然手伝うからね、トカゲさんも一人で動き回れるから三手に分かれてあっという間に最高の材料揃えて見せるわ」


「それとあんまり悲しませたくないから人がいるからこの顔の前、普通の人間だったころとは違う顔にしてほしい」


「そうか…その願い叶えてしんぜよう」

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