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第43話

「双方戦闘不能、もしくは落馬したら負けとする!では開始!」


~Duel Of Aggressor~

~勝利条件:敵の殲滅

 敗北条件:落馬、もしくは戦闘不能(致死攻撃禁止)

 DMステータス:AUTO

 BGM:炎の対決


火竜の大音声で開始の合図がかかる。

この声は多分さっきゲラゲラ大爆笑してくれた奴だ。



グレード    DM(ダンジョンマスター)

所属

名前      アルェール・ザン

種族/Lv    ??????

職業/Lv    火竜神??????

階級       ダンジョンマスター

HP/MaxHP   ??????

SP/MaxSP   ??????

スキル01    天位火魔術

スキル02    ??????

スキル03    ??????

スキル04    ??????

スキル05    ??????

スキル06    ??????

スキル07    ??????

スキル08    ??????

スキル09    ??????

スキル10    ??????

スキル11    ??????

スキル12    ??????


おぅ…


レンゼティアと同じく、DMなのだろうその火竜は、やはりステータスを見ることが出来なかった。

開始の合図とともエルフたちは後ろに向けて走り出した。

その動きに合わせるようにチヒロさんが剣から衝撃波を発するが、後ろから追われているのに避けた。

後ろに下がりながら相手に間合いを詰めさせないで遠距離攻撃でこっちに攻撃する作戦のようだ。

ところで槍試合ってこんなのだっけ?

どっちも槍なんて持ってませんが?


<心眼

 視界に入っていなくても物品のありか、動きが判る。

 敵意のある者には大きく反応する>


「ちょお!エルドア様の所の姐ちゃんこれ一発でも食らったらウチら両方戦闘不能だぜ、年なんだから無理すんなって」


「誇り高きハイエルフの私を年寄り扱いしたね…

 覚えてなさい…

 一撃ももらわず倒せば問題ないわ。

 一撃必殺はこっちも同じ!

 くらえ滅却の連矢!」


文字通り矢継ぎ早に飛んできた矢を、ガガギョンと音を立てて受け止めた盾に激しい衝撃が響く。

あ、この感触はやばいぞ…


「チヒロさんまずい、この威力だと盾が持たない」


「しょうがない、回避しきれないのは全弾撃ち落とすわよ」


「攻撃精度が落ちるけど仕方ないか…」


「大丈夫大丈夫しばらく防御に重点おいて行くからトカゲさんも回避集中でよろしく」


「何か考えがあるんだな?わかった、ナビさんサポートよろしく」


「まかせるがよい」


連弾攻撃に貫通攻撃、横薙ぎの矢っていったいなに!?


チヒロさんも負けじと衝撃波を相手に飛ばし、時に回避し時に受け止めていた。


剣から出る衝撃波を矢で相殺とかどっちもおかしい気がする。

少なくとも俺は飛び道具持ってな…ボーラの射程は短いからな、あんな相手が豆粒みたいに小さくなるくらい遠くになんて届かないぞ?




時に受け流し、時に回避し足を止めないでなんとかかんとかやり過ごしていたら矢の勢いが衰えてきた。

おかしいと思って逃げ回る相手の方を見る。


短距離走でもないのに全速を出し回避するドゥ・レディアさんとやらだが、徐々に追いついてきたというか下の馬役やってるせいなのか、足がもつれてひっくり返りそうになっている。


「あれってもうばててるんじゃないか?」


「よしそれじゃあ遠慮なく」


走りつかれて膝をついた相手方といっても騎手はまだ元気である。


「もはやこのような苦戦をするとは、作戦を間違えましたか…」


「アダレード、お前俺の気力まで持って行きやがったな…」


どうやら気力(SP)を全力で振り絞って防御を貫通する作戦だったようで、どんどん使う気力を多くしていって、しまいには相方の気力も抜いて大技を連発していったらしい。


だが防御するのは勇者ミサキチヒロ、DM(ダンジョンマスター)でさえまともにやったら負けるかもしれない相手にたかだか(スペシャル)(スーパー)(レア)が全力出してまともに打ち合いやった程度でかなうはずもなかった。


馬になってる方が恨めしそうに乗り手を睨むが、これは勝負。


「では。

 失礼」


チヒロさんはそう言ってドゥ・レディアの頭を、鞘のついたままの聖剣でを引っ叩くと、ずべしゃーと音を立て腹を擦るように倒れ?滑り?倒れて動かなくなった。


~Duel Of Aggressor~

~勝利条件:敵の殲滅

 敗北条件:落馬、もしくは戦闘不能(致死攻撃禁止)

 戦況:勝利!(WIN!)

 DMステータス:AUTO

 BGM:炎の決着


強烈すぎる止めにやりすぎたんじゃないかと気をもんだが、息はしているようだから大丈夫だろう。


「勝負あり!レンゼティア組の勝ちである、お見事であった」


「なぁ大将、これ面白いから一年おきくらいでまたやらねぇか?」


笑い上戸の火竜がギルドマスターらしい老火龍にこう言えば、


「む。

 参加者が多ければやってもいいのぅ」


「今回は良いがお主らも次回は参加してくれよ?」


と俺達の方を見てくるが、残念俺は自分の世界にチヒロさんと戻っているさ。


「で、レンゼティア様の鱗の君はこれでいいのかのぅ」


「代表が出て見事に負けてるんだからいいんじゃね?」


「そうじゃな、ではそういうことで」


「よぅし皆の衆この件はこれで決着じゃ。

 以後文句があるならこの場にいる全員を倒していくくらいの気概が要ると知れ!」


「それでは特に用のないのは疾く自分のねぐら(ダンジョン)に帰るがよい!

 ワシの眷属共は火属性のはずだが、これだけ火属性のDM()が集まってはバテてしもうて生活に差し障るわ!」


「おぉぅすまなんだ、では帰るとするかのう」


話しぶりが年寄りっぽい赤い龍のDMから話しかけられる。

まぁ立派なひげが下あごを覆っていることと合わせて年寄りっぽいなと思えるだけなのだが。


「おんしには同族がだいぶ世話になったようだの。

 まぁおんしも鱗族じゃから同族の一人なんじゃが」


お使いの品を懸けの景品にするなとは思うが、物語的にはこんなのはありふれているかもしれない。


無事入手したお使いの品は一抱えの小包みになって中がうかがい知れなかったが、大事に持ち帰ろう。


今回のことで俺の存在はDMギルドの上層には認められたってことかな。


場内を一つ眺める。


三々五々帰り始めるギルドのDM達だったが、側近らしきものたちの中には俺達に触発されて血が騒いだのか、騎馬戦大会が始まっていた。


うん、俺がここですることはもうないな。


「それじゃお世話になりました。

 また機会があればお会いしましょう」


「ほっほ、次の縁は敵かもしれんがのぅ」


「それはそれで(DM)の思し召し、俺は従うだけですよ」


「まぁワシも神の1柱ではあるんじゃがの」


「とはいえワシはレンゼティアの嬢ちゃんとはよほどのことがない限り事を構えようとは思うておらんよ」


そう威厳たっぷりに言うと老火竜は去って行った。


~Mission Clear!

 

 勝利条件:目標物入手!

 敗北条件:ユニットの死亡

 DMステータス:None 

 BGM:Fire Element~炎と大地の贈り物


<常春の花乱れ咲く森の迷宮>


「おぉおかえり~

 予想より早かったのぅ。

 さては早々に勝負を吹っ掛けられて蹴散らしてきたかぇ?


見てきたかのように言うレンゼティア。

ある程度の展開は想定済みだったのだろう。

もしくは何らかの手段で様子をうかがっていたとか。


「割とひどい目にあった気がしなくもないけど、実害考えるとそんなでもないんだよな」


「それよりも鱗の件!なによあれ?生涯を共にする誓いの証って、まんまエンゲージリングじゃない!」


「ほほう主らの世界にはそのような習わしがあるのか、そこのところもそっと詳しく」


鞍から降りもせずレンゼティアに食って掛かるチヒロさんだが


「そういう話じゃないでしょう!」


うがぁと頭をかきむしるチヒロさんにレンゼティアはマイペースのままだ。


まぁ長年DMやってきて年齢もわからないくらいの時間を過ごした古トカゲ、そう簡単にチヒロさんの思った通りに動いて行く訳もない、か。


まぁそれでも一言言っておかなくてはいけないだろう。


「言っておきますが俺は全くその気はないですからね?」


「分っておるわえ」


相変わらずの表情でこちらに語り掛けるレンゼティアだったが、


「今はな、フフ…なに適齢期になった時までその態度が持つかどうか楽しみに待っているがいいわ」


その表情の変化は俺には今一つわからなかったが、彼女は確かに妖艶(ヨウエン)なほほえみを浮かべていた気がした。


「楽しみに待っているのはあなたでしょ…うに…?

 え、まさか俺、発情期持ち?」


レンゼティアの後ろでレーラさんが静かにうなづく。

シュティーナに目を向けると彼女もウンウン首を振ってる。


ありゃこれ本気のヤツだ。


ちょ、首の後ろで俺にまたがったチヒロさんが掴んだ鞍のグリップからしてはいけない音がしてませんかね?


ミシミシミシミシー!って言ってますけどせっかく別注で作ってもらったんだから壊しちゃだめだからね、勇者の力で握ったらポックリ逝っちゃうからね。


といったようなドタバタしたところもあったが、『赤き炎と黒き大地の洞窟』で老火龍から預かった小包をレンゼティアに渡し、お使いミッションその1が完遂できた。


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