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第42話

「いやいや、ここのボスとお話するのはトカゲさん居ないとダメなんだから、安全にそこまで行くのがアタシの仕事よね?

 それと、むやみに殺すのもナシなのはわかってるわ。

 大丈夫、今まで出てきたのも殺してないから」


俺はミサキさんからの指示の通り動けるように彼女の声に傾注し、動きやすいように重心を移動させる。

チヒロさんの指示で剣武魔神の舞(ナタラージャダンス)の練習をする。


「じゃあいくよ~ステップ、右左右左、右左右左でジャンプしてアタック」


俺にも見えるマーキングをステップでかわし、飛び上がりざま顔を振り向ける間もなく敵が横っ面を棒で叩かれ逃げていく。

どや!と思ったがチヒロさんはさらにその上を行っていた。


なにあれ?剣から衝撃波飛ばして遠くの敵に当ててる?


何なら敵を認識する前にもう倒されている。

これを役割分担と言っていいのかな?


違うと思うぞ…ヒモトカゲ…?


「やめろぅ!心が痛い!やめろぅ!ヒモはいやだぁ!」


「えトカゲさんがヒモになってくれるの?それもいいなぁ…

 養ってあげるよ?」


「ええ加減にせんか、この色ボケ娘」


喋る余裕があって良いのかとも思うが索敵範囲が段違いのチヒロさんのおかげで大した苦労もしないで進む。

やがて灼熱の洞窟を抜けると温かな風が吹く大きな広間に到着する。


出迎えは大きな赤い火竜だ、入り口に甲羅から炎を噴き上げる大亀、他にもちらほら火属性の竜を中心に色々な種族が集っている。


「鱗族ギルドホールへようこそ!若き鱗の者よ」


「我らは新しいDMを助け一族として鱗族の繁栄を望むものである」


これが全部DM(ダンジョンマスター)とその側近か…

見た感じ以上に集まっているっぽいな。


「で、そちは何用にてここにきたのだ?」


~Mein Mission ~

~赤き炎と黒き大地の洞窟の攻略


~Mission Clear! 

 勝利条件:最深部に到達してボスと接触しよう!

 敗北条件:ユニットの死亡

 DMステータス:AUTO

 BGM:Fire Element~熱き魂の殿堂

 エレメント分布 火:A 水:D 地:B 雷:D 風:C~


俺はここに来た事情を話した。

まず俺が喋ったのに当然の如く反応するのはここが鱗族ギルドだからか。


「お主、我が眷属と仲良くしてもろうたようじゃのぅ」


燃える右腕と凍てつく左手、風の流れる頭を眺めながら大きな竜がくつろいだ様子で尋ねてきた。


そういえば頭で風を感じるって元の世界でオジサンにはいいイメージがない。

俺にはその系統の悩みは無かったはずだが。


暗がりからかかる声に、俺たちの世界の神の知り合いが居ないか聞いてみた。


「ふむふむ、それは難儀じゃのう…

 大体この世でDMであったとしても本来であればいずれの世界の神か神見習いであることなど普通のことじゃしのう…」


「どんな神かは権能を確認できれば分かるにしても、どこの世界由来の神かまでは詮索はせぬものじゃしのぅ…」


「まぁ我の知る辺は当たってみようぞ」


「所でさっきから気になっておったが…お主、その首の鱗はやはり彼の君の?」


「レンゼティアさんと交換したものですが…これどんな由来があるものでしょうか?」


「ほほぅ…本気で汝は鱗族の嗜みは知らぬと見える。

 まぁ稀人(異世界人の古い言い方らしい)の魂が入っておったれば無理はないがのう」


「しかしこれお主に教えていいものかのぅ…」


「彼女は行く先々で聞いてみろと言っていましたが…」


「左様か…では言うがの…我ら鱗族にとって首の鱗とは特別なものでな、伴侶のとして共にあることを誓い、そして喉元の鱗を交換するのじゃ」


「やっぱりそうか…」


俺の大体予想通りとはいえ、してやられた感じが強い、なんでいきなり一方的に結婚するんだろう。


「ブホゥ!ゲッホゲッホ!

 ゲ-フ!やっぱりそういうことか…やってくれるわ…」


暑さから水筒の水をガブ飲みしていたチヒロさんがむせて噴出した所為で頭が濡れ、俺はご褒美に打ち震え、嘘。


まぁ冷静になれて、突っこむことが出来た。


「聞いてませんけど!?」


まぁそんな感じのものかなとは思っていたけれど。


「特に竜族は伴侶を大事にするのでの、特に首元の鱗は大事な相手との交換の証。

 人族の巷では逆鱗なぞと呼んで弱点呼ばわりしているようじゃがの。

 まぁ実際は伴侶と交換した大事なものに手を出されて激怒しておるんじゃがのぅ…

 大体吸血鬼が胸に杭打たれれば死ぬのと同じようにドラゴンも喉に何か突き刺されれば死ぬんじゃないかのぅ」


なにそれ…逆鱗は婚約指輪とか結婚指輪みたいな感じ?


いや大事な眷属の証とかにつける、とかなら予想してはいたんだ。


でも事実は想像していた最大限に重い意味があった。


そんなに重いものをかけて俺を助けてくれたのか…


いきなり婚姻関係成立?にはびっくりだが。


そりゃあレーラさんびっくりするよな。


ゴダイバのチョコにチ〇チョコ混ざってるようなものだろう。


「しかし、しかしあの桜の姫の鱗とあればこれはこれは…嫉妬で身を焦がすのも無理はなかろうモノじゃしのう」


「あれだけ自由闊達な者が、自分の伴侶として指定したものを異界に返す、というのも何となく解せぬものがあるの…」


「お主らを帰すと約したのであればそれは守るであろうがのぅ」


「何とも言いにくいがのう、レンゼティアに友好的なDMを集めて伴侶のお披露目がしたかったんじゃろうかのぅ」


「わしはそのあたり中立なので見届けかのぅ」


「まぁ過激な連中がそろうとその場で殴り合いが始まるであろうしな」


大岩の陰や壁面の窪みの中から何体か居る鱗族がガヤガヤと話している。


隠れている連中も声は聞こえてくるが、


「バーハッハーバーハッハー!

 緊急で我らを呼び出したからにはなんぞ緊急事態が出来(しゅったい)したかと思うたが、なるほどなるほど、伴侶のお披露目であったか」

「しかもそれを本人も知らせぬとは。

 姫もやってくれるわい、ほーんほんほんブヒャブヒャ」


野球場サイズの大きさの広間をのたうち回りながら爆笑しているのは炎のように紅く燃える煌めく鱗をしたドラゴン。


ひとしきり巨体をよじらせ、ようやく笑いの発作を収めると、意外と思慮深そうな目で俺達を眺める。


「バーッハッハ、しかし俺たちを呼び出したところにお供一人で乗り込んでくるとは大した度胸だ」


…お供ってもしかしてアタシのことかしら?…

とチヒロさんが俺を見てくるが、俺が言ったんじゃないですからね?


「しかしお披露目の口実というか、お使いの品を帰りに持たせるように書いてああるぞな」


連れている勇者チロリとを見つめた後、両手と頭の文様を見る目は何となく優しげに感じる。

笑い上戸の火竜神は後ろの方であ~だこ~だと話をしている鱗ギルドの面々に呼びかけた。


「この状態の我らがタダでひょいとくれるわけがなかろうに。

 火属性の我ら、話なんぞで納得する訳なし!

 まずは一手仕るが定法であろうが!」


「やはりそうなるかのぅ、こやつらがどれほどの力を持っているか示さん限り認めはせんわ!

 どれ、どこまで戦えるか見せてもらおうかのぅ

 ついでじゃ勝った方にレンゼティア嬢ちゃんのお使いの品を進ぜることとしようかのう」


「2対2で戦うなら騎馬試合(ジョスト)がいいかねぇ?」


最初の入り口で迎えてくれた巨大な亀のDMが他のDMと話し始める。


「おーい、どこかの側近でワレの側近と組んで奴らと戦う者はおらんかぁ?」


どこかのDMが声を上げ、答えたDMもまたいて、俺達の対戦相手が一騎出来上がった。


命をかけた戦いではないが、この勝負色々かかっていて負けるわけにはいかない。


「いい?トカゲさんとアタシが組んで倒せない相手なんている訳ないの。

 これはランクがどうこう関係なしの相性の問題だから。

 そのくらいアタシたちコンビネーションは相性が抜群なのよ。

 判ってるわよ、油断はしないし!当てられないで当てればいいんでしょ?楽勝よ!」


自信満々に宣言するチヒロさんによくよく考えてみる。


騎馬試合(ジョスト)とは2騎が向かい合ってお互いに武器で突っつき合い、その突いた場所で点数が決まる競技だ。


一般的には長い槍が用いられるが、俺は棒切れ、チヒロさんは剣1本しか持ってない。


「いい?アタシに任せれば勝利間違いなしよ」


「そりゃあ剣武魔神の舞(ナタラージャダンス)使えば相手の武器がどんなに長くても関係ないしなぁ」


相手は騎手が白い髪のエルフ


「我はエルドア神が神殿長たる眷属、ミスリルボウのアダレード!

 おのれが女神様にふさわしいか我が試してやる!

 いざ尋常に勝負!」 


後方の暗がりから何か声がかかったのか気合を満面に出して進み出る。


「は、このエルフの弓と神樹アルダンスの矢を持って必ずや不遜な奴らに懲罰を与えてくれましょう」


鼻で笑いやがった…

不遜て…いや結構無理やりで俺の意思一切考慮されてないぞ。



グレード     (スペシャル)(スーパー)(レア)

所属       エルドア

名前       アダレード・ド・ナルス

種族/Lv    ハイエルフLv21

職業/Lv    ミスリルの神弓Lv08

階級       神官長

HP/MaxHP   8378/8378

SP/MaxSP   910/910

スキル01    射撃Lv08

スキル02    集中Lv08

スキル03    速射Lv05

スキル04    乱雨Lv07

スキル05    必中Lv05

スキル06    隠形Lv06

スキル07    エルドア神の加護

スキル08    アルダンスの矢


装備品①    ミスリルの弓

装備品②    エルドア神の胴鎧


馬役はオロバス


「もぉウチの大将勝手なんだからぁ…

 良いじゃんレンゼティア様に鱗を渡す相手が出来たってー…

 あんたは彼女のお父さんかってーの…

 まぁ強い相手と戦うのは楽しいからいいか…

 オロバスのドゥ・レディア参る!」


「え?絶対勝て?いややれるだけやりますけどね、こいつらに勝つのはかなーり難しいですよ、能力隠蔽かなりしてるっぽいですし」


なんかやる気なさそうな騎馬は何か相手の能力を感知できるスキルを持っているらしい。



グレード     (スペシャル)(スーパー)R(レア)

所属       アルェール・ザン

名前       ドゥ・レディア

種族/Lv    オロバスLv17

職業/Lv    嵐魔獣Lv08

階級       第3軍団長

HP/MaxHP   7142/7142

SP/MaxSP   777/777

スキル01    突進Lv07

スキル02    蹴激Lv06

スキル03    空歩Lv03

スキル04    土魔術Lv08

スキル05    黒煙Lv04

スキル06    アルェール・ザン神の加護

スキル07    心眼Lv02

スキル08    超回転襲撃毒火炎弾


騎手も馬役もなかなかのステータスをしている油断できないぞ、これは。

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