第18話
本命をやるだけやったところで
<HP 14/404→0/404>
クロケン分隊が勝利した。
Ptの皆も無事、なによりだ。
総大将一騎打ちも銀姫が魔法を使って乱入し、決着がついたようだ。
あの金メッキ、負けそうだったの助けられたクセに、銀姫に邪魔されたと文句を言ってるようだ。
持たせたのはさすがSRとしかいう他ないが、金メッキが単騎でゴブリン族長に勝てたかはかなり疑問だと思う。
まぁ上役同士の揉め事に、下っ端が首突っ込んでも吹っ飛ばされるのが精々だろう、くわばらくわばら。
~Regular Invasion War~
~勝利条件:敵拠点の抵抗力喪失
敗北条件:勝利条件を満たさないで軍団が撤退する
戦況:勝利!(WIN!)
DMキリア軍
部隊/指揮官:混成Liz歩兵中隊/リザードマン・ゴルドー ユニット数 98
部隊/指揮官:混成Liz歩兵中隊/リザードマン・ジルバ ユニット数 104
部隊/指揮官:Liz輜重小隊/リザードマン・ジェダイト ユニット数 9
Vs
無所属中規模ゴブリン集落
部隊/指揮官:中規模ゴブリン集落 混成ゴブリン集団/ゴブリンロード ユニット数 14
部隊/指揮官:ゴブリン混成分隊 精鋭ゴブリン集団/ゴブリンロード(兼) ユニット数 0
DMステータス:AUTO
BGM:War Trip10 忘れじの君~
…~は~い戦闘終了~
お疲れ様、結構危なかったんじゃないです?
生き残りのゴブリンは捕虜としてカウントされましたので、キャプチャー入れてダンジョンまで連行しま~す。
じゃ生き残りの帰還待ちで今回のゴブリン集落の攻撃は終了です。
ご視聴ありがとうございました。
次回もお楽しみに~…
勝ったのかこれ…
損害多すぎじゃないか?
こっちの損害3割近いんだけど。
ゲーム的な勝ちならば総大将のゴブリンロードを、倒したことによって勝ちでいいんだろうな。
生き残りはダンジョンに連れていく。
外の生き物を、ダンジョン所属にする方法があるんだろうか。
多少の捕虜は捕まえたようだが、損害数と釣り合いが取れているとはどうしても思えない。
他の要素も合わせると一概に勝ち、と言い切れないところがある感じがする。
今日は間もなく日が暮れる、ここゴブリン集落で1泊して明日から帰路に就くようだ。
「本日はご苦労である!
めでたくもわが軍の勝利である!
これより翌朝まで待機とする。
食事が、支給されたら、その場で、待機して、出歩いたりしないように!」
なんで、一語言うごとに、一歩ずつ詰められて、いるんですかねぇ、俺。
まぁというわけで食事だ、いつものダヨンのワーカーさんから食事を受け取る。
「キョウハアリガトウダヨン、オレイハナイケド…」
「いやぁ無事でよかったです。
お互い仕事だからってことで一つよろしくお願い致します」
「デモウレシカッタンダヨン」
「困ったことがあったらお互い様ですからー」
Pt全員に1個行き渡ったところで、3人にこんなことを持ち掛けた。
「その食料とこの食料交換しないか?」
「ソノトリト、コウカンスルト、イイダロウ」
「オデ、ソッチガスキ」
「オイシイホウト、コウカンスル、ウレシイ、ムイテクレルト、モットウレシイ」
さっきのお祭りのときに、ケコケッケの首捻っただけで、後はベルトに縦に差し込むようにしてPt人数分確保しておいたのだ。
シロには剥いてあげた。
無論俺も鳥を食べた。
生肉は腐ってもったいない、そうなる前に、食べてしまって適切に処理するのがいい。
保存のきく不思議食料と日持ちのしない生肉を比較したらどっちを食べるべきか悩むまでもないだろう。
ホント、俺達は誰が何を持っていてもあんまり気にしないようだ。
食べ終わったし、今日はさすがに俺も疲れた、休むとしよう。
翌朝になった。
~Regular Invasion War~
~勝利条件:敵拠点の抵抗力喪失
敗北条件:勝利条件を満たさないで軍団が撤退する
戦況:凱旋!(WIN!)
DMステータス:AUTO
BGM:War Trip11 帰り着くまでがお祭りですW~
武器の手入れをしながら大人しくしていたら、クロケン軍曹に
「何か悪い物でも食ったであるか?」
心配された、解せぬ。
そして2日目の夜、
「ダヨン、キョウノブンダヨン」
「いただきます、何かありました?」
いつもと表情が違う気がする。
「イヤジツハ、キョウカラナンダケド、コマッテシマウンダヨン」
その時、野営地のどこかで叫び声が上がった。
Pt警戒しつつ、とりあえず食事を済ませる。
俺も食べておく。
ペロンゴクン、ニェェェ。
悪い意味で味気ありすぎる食事を済ませると、立ち去りがたそうにしてしているワーカーさんに、聞いてみる。
「ダヨンのワーカーさん、あれはゴブリンの声では?」
「ソウダネ、ウン、ジツハ、ショクリョウガ、タリナクナッタンダヨン」
「あー相当やられちゃいましたもんねぇ、ワーカーさん達」
ワーカーさんからの食事が、部隊全員に回らなかった。
昨日まで1人1日1個の標準分を普通にワーカーが配っていたのに、帰りの分が足りなくなったのを気が付いていなかった。
俺たちの分隊は担当であるダヨンのワーカーさんが生き残ったので、優先度高めで貰えたので良かった。
だが他の、特に担当者が諸事情で居なくなった部隊は、下位ユニット全部に食料が回らなかったのである。
食料が足りなかった分は我慢するか、調達するしかない。
ではどうしたか。
捕虜のゴブリンをバラシて食べてしまったということだ。
「ナノデ、モウシワケナイケド、ショクリョウガ、ナクナッテシマッタンダヨン。
アシタモ、ショクリョウガ、ヒツヨウナラ、コマッテシマウンダヨン」
「あらぁそれは困っちゃいますねぇ」
そして、3日目の夜、通常の行軍をすませ、夜営を開始するとき食料の配給はなかった。
「おい、こっそり急いで食べろ」
「…!」
「コッソリト」
「シズカニ、テバヤク」
ゴブリン集落での戦闘後の夜営で鳥と交換した分、きっちりPt1回分がまだ残っている。
俺達Ptの分は何とかなった。
さて次だ、コソコソと移動する。
「分隊長殿…よろしいですか?」
「おう!おまえか、びっくりさせるなである。」
「なんであるか?食事が足りなくて皆イライラしている。
うろちょろしていると揉め事の元である。」
「はい、食料の件でお話があります。こちら、ご覧ください」
「これは、お前どこから…?」
あの日、ゴブリン集落での戦いのとき、やられてしまったワ-カーさんが持っていた背負子を回収したものだ。
食料は、ちらばったり踏みつぶされたものも多かったが、何とか分隊全員の分1回と少しは回収してここまで持ってこれた。
誰からも突っ込まれないあたり、自分の持っているもの以外に全然興味がないのがリザードマンの習慣、というよりこれはゲームのシステム的なものではないかと思い至った。
「分隊長たちがお食べの物とは別物ですが、我々が普段食べているものです。
よろしければどうぞ」
「お…おぅ、助かるのである。
感謝するである。」
その後分隊全員に配り、クロケン軍曹の身体を張ったダンジョンレーション初経験食レポを
「こぉこぉれは!これはなんであるかぁ!」(じったんばったん)
「我らが普段食べているものであります、分隊長殿ぉ」(ニヤニヤ)
リアクション芸を堪能して残り2人の知り合いの所に食料を届けることにした。
1人は銀姫。
食料不足で緊張した空気の中でしばらく歩くと、普段の輝くような鱗の銀色を少ししおらせた雰囲気の彼女を見つけた。
「中隊長殿…」
「あぁ、貴方でございますか、こんな時に出歩くとは貴方はやはり変わっているのでございますね」
「中隊長殿もやはり食事は…?」
「今日の分はやはり無いようでございますね」
「それはお困りでしょう、よろしければこちらをお召しくださいませ」
「これは…?」
「我々が普段食べているものですよ。
味はひどいですが空腹は紛れましょう」
「私にこれを下さるのでございますか」
「はい、あの、初めて出会った時頂いた袋のお礼でございます」
「あぁ、あれは本当に不要なものでございました。
でもそう仰るのでしたら喜んで頂くでございます」
「どうぞどうぞ」
食レポパート2は武士の情けである。
擬音で簡単に、
びたーんびたーん
ごっくん
うるうる。
「では私はこれで」
「え…えぇ、帰り道も明日1日とはいえ、油断なきよう気を付けるのでございますよ」
さぁ、最後の1人ダヨンのワーカーさんはどこかな。
そんなとき2つの聞き覚えのある声が争っているのを俺の耳は聞きつけた。
嫌な感じの危機感を覚え、駆け出した。
現場に到着するとやはり知った顔の2人が言い争っているのが見えた。
「何故だ!なぜ食料がないガァ!」
「シカタガナインダヨン」
金とダヨンのワーカーさんだ。
捕虜のゴブリンも前日に食いつくしてしまったし、出発時に用意した食べ物ももはや残っていない。
最悪なのが俺以外の戦闘部隊のリザードマンは、装備以外の物を持つ習慣が無いということだ。
例えゴブリン集落の食料が手に入ったとしても食べられるだけ食べたらあとは放置してしまうのである。
今までさんざんゲテモノ食いの話をしておいてなんだが、共食いの話をする。
聞きたくない奴は耳を塞いだほうがいいだろう。
続けます、よろしいな?




