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第11話

がんばれー!じゃねぇ!

ご期待ください!じゃねぇ!

ふ ざ け ん な よ !


ジャイアントケイブラットに勝利した後、俺は失神してしまったが、その間ひどい夢を見せられた。


色々分かったことはあるけれど、俺が今いるここは、DM(ダンジョンマスター)という神(笑)のいる世界である。


そして俺はダンジョン所属の(コモン)モンスターユニットである。

そして重要なことだがダンジョン所属のユニットはDM(ダンジョンマスター)に絶対服従である。

俺にどうしろと?いう感じでしかない。


大体あのスケルトンのオッサンと俺たちが遭遇した時は戦闘にならなかったので気が付かなかったけどな。


パーティーリーダー決定のミッションで分かるようにリザードマンは物事を物理的な力で解決する傾向がある。

つまりパーティー編成したユニットの意思決定は、知力ではなく腕力によってなされるのがほとんどである。


点検口に居るスケルトンに会うまで取れる行動は、リーダー決定のミッション以外は移動のみである。

ここまでの行動を簡単に説明すると、


『一番の脳筋がリーダーになった後そのまま移動してスケルトン(隠しボス)に遭遇している』


ここで問題だ、戦闘になる確率は高いだろうか、それとも低いだろうか。

俺は高いだろうと考える。

なぜか、勝てる可能性が高いからだ。

そしてそれは同時に、勝てる可能性はあるが無傷で勝てる可能性はかなり低い、が両立しているとも考えられる。


もし欠員が出ればその後邪妖に苦戦するのは確定である。

そしてどんどん欠員を出していき、戦力をすり潰していく。

最後に行きついたところで待って居るのは、ボスのジャイアントケイブラットである。


ボス戦が始まって初めて状態異常攻撃、毒を食らう可能性が出てくる。

ここまで明らかな状態異常攻撃がないのは温情ではない。

毒消しもまた出てきていないのである。


当のボス自身を倒すまで毒消しが出ないということである。

つまりボス戦中、毒を食らったら戦闘終了まで解除できない。


これは俺もボスと毒の二つのチキンレース状態に陥ったことで証明になるだろう。


そして、最後に


『この編成をした神(笑)は全て承知して設定していた』


どんどん深まるブラック疑惑どころじゃない。

ギルティである。

有罪である。

~ブラック労働者がブラックダンジョンに転職しました、身も心も~

そんなBGMはいらないしちょっと何言ってるかわからない。


初心者向け配信とは何だったのか。

初心者には分かりやすく説明していますが、初心者には判りにくい罠が仕掛けてあります。

こんな感じがする。


配信が盛り上がったのでオッケーという姿勢ならば、これで配信者としての評価は高まるのかもしれない。


ただし俺たちのような所属ユニットにとって、あのキリアとかいう神(笑)は意地が悪いとしか言いようがない。


声は若い女性のようだったがなぁ。

姿は俺にはまだ見えないようだ。

もしかするとDM(ダンジョンマスター)が利用するときは映像付きなのかもしれないが。


そしてこれからやることも告知された訳だ。

しかし、あれも予知夢に入るのか、冗談ではないな…


神(笑)(キリア)のお告げで大草原不可避です。


~Regular Invasion War~

~勝利条件:敵拠点の抵抗力喪失

 敗北条件:勝利条件を満たさないで軍団が撤退する

 戦況:出征準備中

 DMステータス:AUTO

 BGM:War Trip01 隣の村でお祭りがあるそうですよ?Wお仕度中~

 

草原を3日ほど旅してゴブリンの集落を壊滅させる任務です。

大草原不可避(物理)

戦争不可避w(強制)ar

死亡 (リアル)


面白くない。

御免被る。

ヤッダーー。

最弱ユニットで戦争イベント強制参加とかダメ絶対(フザケンナボケ)


などと内心で激しい抵抗があったとしても整列して歩いていくだけでどんどん準備が進んでいく。

俺の意思とか全く関係なし。


抵抗もできずに歩いてるだけでオートで装備が渡されていく。


俺たち(コモン)UC(アンコモン)のリザードマンは防具はない。

武器だけ渡された。

俺が点検口通路で愛用し、クラスチェンジ(割れた)までさせた石は、失神してる間にどこかに行ったらしく、紛れてしまった今となっては探す当てもない。

大変に残念なことである。


武器を失った俺には、


<装備品① 片手持ちのこん棒

 片手持ちのこん棒、杖としても使える>


が支給された。

これは堅くて良い木の棒じゃないか。

歩くときとかの補助に良いかもしれない。

武器特性の片手武器に合う一番コスパが良い武器に違いない。


パーティーメンバーの皆もそれぞれ


アオには


「コノブキハ、ホソクナガクテ、トテモイイ」


<装備品① 細長いこん棒

 堅い樫の木で作った両手で使うこん棒>


背の丈ほどの長い棒。

いつも真っ先に突撃体勢に入るスピード型のアオにはお似合いだろう。


アカには


<装備品① 両手持ちのこん棒

 堅い樫の木の大きなこん棒>


「フトイ、オオキイ、オモイ、コレデナグル」


握るところを細くした太い棒。

一撃の攻撃力が高い為、力自慢で足を止めての殴り合いが得意なアカに最適である。


そして精霊魔術の使い手、シロには   


「タタクニガテ…コマッタ…」


<装備品① 木の長杖

 堅い樫の木で作った長杖。

 先端に魔石をはめ込むことで魔法補助効果を付与することができる>


大体シロの足から胸までの長さがある長い杖が支給された。

シロの杖は魔法の杖は幅広い増幅媒体のはめ込みに適応できるよう、片側先端が二股に加工されている魔法の杖のベーシックな一品である。


Yの字の下の棒が非常に長い木の棒といえば、判りやすくイメージできるだろうか。


これから経験を積むことによって判明する、得意な召喚対象に合わせて魔石などの増幅素材を手に入れられれば、カスタマイズ可能である。


結論:俺のパーティーは全員木の棒を支給された。


周りを確認しても、体術以外に武器特性のないリザードマンに、神(笑)は最低限の武装しかさせるつもりがないらしく、大体は長さの違う丈夫な木の棒を渡されるだけだった。


おいこら神(笑)。

確かに俺たちに向いている装備ではあるんだろう。


神(笑)がこういう装備を支給してきたことで分かることがある。


それは


『神(笑)は(コモン)UC(アンコモン)のユニットを育成する気がない』


ということである。


育成するつもりがあるのならば、成長した時のことを考えて「育ったらどうなっているか」を考慮した装備を可能な範囲で渡すんじゃないだろうか?


育成のコストを削減する当たり、動画の盛り上がり優先である程度の損害と苦戦も演出の内だ、くらいに考えていそうである。


下位グレードのユニットには、徹底的にコストカットして今回の遠征を実行するつもりだろう。

損失をわざと出して盛り上げを狙う可能性すらあるかもしれない。


当然だが、俺たちが死んでも神(笑)の痛める心はゼロである。


このまま神(笑)の思惑に乗ってただ流されると、配信という見世物にされた挙句、損失1のカウントにされるだけである。


それはさすがに許容できない。


自分の正確な姿がどうなっているかは、いまだに見たことがないが(顔が前に長い気がする)。

だが、ちょっと額あたりの血管がビキビキと良い感じに盛り上がっている自覚がある。


何とかして生存確率上げられるよう、目的地のゴブリンの集落への行軍中に出来ることを考えよう。




行進していくだけの簡単な出征準備だと思っていたが、量があるので、なんだかんだで体感でまる一日はかかるようだ。


モンスターのドロップもないし、そろそろ腹も減ったなと思っていると、ワーカーのリザードマンジェダイトから食料が配給された。


「ホイ、キョウノバンメシダヨン」


「お疲れさまです、なんですかこれ?」


「ミンナガクウ、ヒョウジュンショクリョウダヨン」


標準食料とはなんだろうか。


<ダンジョンレーション レギュラー Lv1

 ダンジョン食糧生産施設で生産された食料。

 戦闘ユニット・労働ユニット共用の標準的な食料である。

 どのユニットが摂取しても一定の効果が期待できる>


「ココカラ、カワムイテ、クウト、イインダヨン」


ほうほう

ムニムニと不思議な弾力のある袋状になった皮に包まれた食料は、ぱっと見ると動物の内臓とも果物ともつかない謎の感触をした物体だ。


元の世界で俺が持ったとしたら、食パン一斤くらいの大きさだろうか。

爪を立てるとプツリという感触とともに、中身が出てきた。


中身は白いプルンとして、柔らかいが意外とミシっとした不思議な感触をしている。


リザードマンの鼻で匂いがほぼしないとは、不思議な食べ物である。


「いただきまーす」


グジュリ…

かみしめた瞬間、何とも言えない妙な感触と、覚えのある生臭い汁が口の中いっぱいに広がった。


「ウィィリァァァァ…」


生肉ゼリーさんじゃないですか!

またあなたにお目に掛かれるとは!


白く堅くなったことによってケミカルフレーバーが追加!

噛みしめるまで匂いも汁気もほぼ感じさせないステルス性能!

皮に包まれ携帯性と保存性の両方を向上させるという欲張り仕様!

一定の効果(サイテー)とは!


トラップ性が上がってるんだけど!

こんなものが標準食料とは、神(笑)許すまじ。


とりあえずやれることを思いついたので、皆の食事の様子を確認する。


アオはなぜそんな開け方をする。


「コノマズイ、クイモノヲマタ、クラウトハ」

「みかんのオモシロ剥きみたいになってんじゃないか」


逆に器用ともいえるが使えない。

アカは袋ごと食うな、ビリビリになってんじゃねぇか。


「アガァ、マズイ、モウイッコ!」

「どんだけ飢えてるんだお前、1日1体1回1個らしいぞ?」


食料を配っている|リザードマンジェダイト《ワーカーさん》と目があったので、空の袋を見せてもっと寄越せアピールをしたが首を横に振られた。

それ否定の仕草でいいのか。


シロ合格!それ食ったら残った袋おくれ。


「コンナマズイモノノタベカスガホシイノデスカ?」

「違う、袋が欲しい」

「ソウデスカ、シカタナイ」


涙が出そうなくらいまずいが皆が食べ終わるのを待つ。


「食べ終わったら休みたいところ悪いんだが、お前らはちょっとその辺で石を拾って集めてきてくれ」


「ブキハアル、イシナドモッテ、ドウシロト」


「良いから頼むぞアオ」


「コレデナグル、イシハモテナイ」


「武器はここに置いていって集めたら戻ってきてくれ、アカも、皆も」


「ワカリマシタ」


「ありがとう、シロ。

 おまえが頼みだ、かなり本気で」


「袋の足りない分は俺が調達するしかないな。

 俺が戻るまでに出来るだけ石を集めてくれ、頼む。

 じゃあ皆行こう」


さてそれじゃあやりますかねぇ。




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