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作者: 翠蘭 暁菓

僕の好きなあの綺麗な青

透き通っているようでそうではない。

…そんなあの青い空に溶けてしまえたら。

………あの空のようになれたのなら

小さい頃の僕はそんなことばかり考えていた。


昔の夢はパイロットになってあの空に近づくこと…

なんて言っていた過去が懐かしい…

今は空に近づくことどころか地面に近づいている

…というか正しくは机の上にあるパソコン。

そんな無機質な物体に俺はかじりついて生きている。


どんなに頑張っても他人以下…

平均より少し下

下がり続けて

頭も下がったまま

かつて笑いあった仲間も遠いところへ


「なにしてんだろ…俺」

こんなこと…したかったんだっけ

何をしたって無駄…海の泡のよう…


どんなにもがいても

抗っても

逆らうことはできず

沈んでいく…


あぁ……

深い…

暗い…

海に沈んでるみたいだ…


そんな錯覚を覚えるほど…

俺の体は悲鳴をあげている…

叫んでいるんだ…


分かってはいるんだ…

頑張れる…俺なら…


そう言い聞かせて

俺は重い体を引きずって

また無機質な物体にかじりつく。


不意に昔の俺の言葉が頭を過ぎった…


「おれはさー! あの空みたいにでっっかい男になる! きらきらですきとーっててさ! 迷いのない男になるんだー!!!」

…なんて無邪気な俺は言ってたな。

懐かしいな。

そんなこと言ってたな


そんなことを考えていたら

俺の足…勝手に動いているんだ

なにかに引き寄せられるかのように


……ふと気がついたらここは会社のビルの屋上。

俺は思ったんだ…

今、昔の言葉が俺を過ぎった理由をーーー…

「このためだったのか…」

俺は乾いた笑みを浮かべ

1歩、1歩と前へ進む。

「じゃあな…」


スローモーションで進む世界

俺の始まりのあの青い空…

俺の終わりのあの青い空…

静かで誰の声も何もない無の世界…


最後にあの空に吸い込まれたような気がして…

そんな気がして…

俺は救われたような気がしたんだ


初めてサイトに出しました!

小説…文を書くのが久々なのでお見苦しい点もあると思います…

読んでいただけたら幸いです…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めての割には私より数段上手い気が...(戦慄)翠蘭さん、こんばんは!空に近づくことが目標だったのに、空に近づくどころか地に近づいている。その対比が好きだなぁと思いました。先日書店で「心が…
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