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旅立ちの儀
ここケムナ王国は
国名だけで資源も無い国である
代々の国王の墓が唯一の観光資源である
それ故に わざわざ攻めてくる国も無い
不良物件を手に入れる奇特国など無いのだ
そんなケムナ王国なのだが
現在の王位が空席である
つい先日 国王がお隠れあそばしたからである
その亡き国王には息子が人居たのだが
長南は若くしてお亡くなり遊ばせ
次男は出奔
三男のグリード王子様にお鉢が回るという有り様だ
ならば何故現在 王位が空席なのか
その理由は国の掟である
国王は妻帯者じゃないといけないなどと
少し頓珍漢な掟のためである
今の国政は元老院が執り行っている
三男のグリード王子が執務室に呼び出された
「18歳まで3年間の間に嫁取りをせよ」
伯父にあたる元老院長老にグリードは言い渡される
剣
盾
50ゴールド
を無理矢理渡されて
城から出されてしまった
(まるでどこかのRPGである)
とにもかくにも グリードの嫁取りの旅は こうして始まった