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2008年

基本情報

社長 辻直広

強化 林淳一GM

監督 小松田実

主将 鈴木徳次

スローガン 新世界への冒険


 この昇格によってようやくサッカー界の第一線に躍り出たと言えるのだが、この時点ですでに15年に渡る歴史を描いてきた過去をないがしろにしてはならない。ともあれようやく昇格した尾道の、当時は日本においてあんまりそういう言い方はなされなかったがいわゆるスカッドは以下の通り。


2008年


首脳陣

監督 小松田実 51歳 湘南

コーチ 布山裕一 48歳 大分

コーチ 山奥信次 44歳 東北体育大

コーチ 白井正人 39歳 湘南


GK

1 野沢裕 29歳 大宮

16 岩井雄大 25歳 福岡国際大

20 奥本一平 22歳 東北体育大 新人

30 桑田大輔 21歳 福山中央高


DF

2 長山集太 21歳 光大高

3 岡本道治 27歳 徳島 新加入

4 千賀尚斗 26歳 進心大

5 宮本明矢 28歳 C大阪

13 石井健太 24歳 京都 新加入

17 平将吾 19歳 修王館高

18 高家亮 20歳 G大阪ユース

22 松広康 27歳 甲府 新加入

24 渡辺一也 30歳 沖縄

25 佐々木帆麻 19歳 呉学園高

32 根岸功介 22歳 神戸海洋大 新人


MF

6 山田哲三 25歳 大山西高

7 チッコ 26歳 デルソル

8 高橋一明 24歳 東北体育大

10 鈴木徳次 34歳 神戸

12 薮本晋悟 28歳 東京V

15 金重大祐 25歳 上方大

19 谷森健人 24歳 名古屋 新加入

21 小松友弘 24歳 駿水大

27 クラウジオ 26歳 ラモンテ 途中加入

31 川崎圭二 22歳 東北体育大 新人


FW

9 前川健次 29歳 天竜自動車

11 木暮丘明 32歳 大分

23 田村清正 23歳 大都大

26 レジナルド 19歳 大宮 途中加入

29 小野田俊 20歳 新南工業高


加入


首脳陣


GK

20 奥本(おくもと)一平(いっぺい) 22歳 東北体育大


DF

3 岡本(おかもと)道治(みちはる) 27歳 徳島

13 石井(いしい)健太(けんた) 24歳 京都

22 (まつ)広康(ひろやす) 27歳 甲府

32 根岸(ねぎし)功介(こうすけ) 22歳 神戸海洋大


MF

19 谷森(たにもり)健人(けんと) 24歳 名古屋

27 クラウジオ(Claudio) 26歳 ラモンテ 途中加入

31 川崎(かわさき)圭二(けいじ) 22歳 東北体育大


FW

26 レジナルド(Reginald) 19歳 大宮 途中加入




退団


首脳陣


GK

奥沢ロビン カナダ移籍



DF

足立匠 地域リーグ移籍

姜勇弼 韓国帰国

砂岡祐 京都

河合孝宏 引退


MF

ファビーニョ ブラジル帰国

安倉陸 引退


FW

串田隆太 岐阜



背番号変更

25→2 長山集太

19→5 宮本明矢

31→7 チッコ

27→8 高橋一明

7→12 薮本晋悟


 プロリーグに初挑戦する尾道の、いわばオリジナルメンバーが彼らである。新人選手は大卒が3人。補強に関しては徳島からセンターバックの岡本、京都から大型ディフェンダー石井、甲府から堅実派の松、名古屋からテクニシャンの谷森を獲得した。有名なのはユース時代に活躍した谷森ぐらいで比較的地味な補強であった。


 逆に退団はめぼしいものは期限付き移籍の砂岡が京都へ復帰したのと姜ファビーニョの帰国、串田が同時昇格の岐阜へ移籍といったところ。主力は砂岡ぐらいで外国人は徐々にスタメン出場が減っていた現実もありマイナスはそれほど大きくないと見られた。薮本は一旦退団が発表されたがその後再契約を果たした。総じて選手の増減はそれほど多くなく、基本的にはアマチュア時代の主力がそのままチームの中心となっている。


 これは「チームの立場が変わったと言っても急に別物に生まれ変わったわけではない。継続した強化の結果として今のチームは出来上がったものなのだから、むしろ慌てて無理をするよりもじっくり土台から作っていかないと本当に良いチームは作れない」という辻社長の言葉で説明された。しかし前評判では「有力選手がおらず戦力不足」と見られる事が多かった。



 シーズン開幕直前に攻守の要として活躍していたボランチの鈴木が故障。代役として移籍の谷森が抜擢された。この谷森、テクニックは抜群という前評判通りの輝きを放つ事もたまにはあったが守備は不得意だった。ディフェンス陣も前年の安定感とは一転して相手のオフェンス陣に力負けする場面が多く、野沢が奮闘しても失点は積み重なった。


 攻撃陣は、特にゲームメーカーのチッコはマークのきつさと本人のフィジカル不足から決定的なパスを出す前に潰されるシーンが目立った。その中で健闘していたのはサイドから中央に切り込むドリブルが得意な高橋と、少ないチャンスを効率的に得点へ結びつける木暮だった。長山も元FWらしい積極的な突破でたびたびチャンスを作った。


 とにかくチームの弱点は守備の脆さだった。第3節のC大阪戦では4対7という凄まじい打ち合いの末に敗北するなど、せっかくの得点を勝ち点に結び付けられない試合が多く、順位も最下位をさまよった。これがプロの洗礼か。厳しい日々が続いたが、それでも選手たちはひたむきに戦い続けた。


 この時期の基本的なスタメンは以下の通り。しかし実際は様々なフォーメーションが試されたため、これは序盤の数試合程度しか使用されていない。ゆえにより正確には「開幕戦のオーダーは以下の通り」と言うべきか。


 GKは野沢でほぼ安泰だったが、大量失点を喫した次の試合には奥本が起用される事もあった。DFは他にも千賀や渡辺らにも出番があった。ボランチはなかなか定まらず、FWも前川が前年とは打って変わって得意なプレーを封じ込まれ、やや雑だがパワーのある田村が出場機会を増やした。戦いぶりはとにかく不安定で、現有戦力の中から誰が戦えるかを見極めているようであった。


GK  1 野沢裕

DF  5 宮本明矢

DF  3 岡本道治

DF 22 松広康

MF  6 山田哲三

MF 13 谷森健人

MF  2 長山集太

MF  7 チッコ

MF  8 高橋一明

FW  9 前川健次

FW 11 木暮丘明



 7月に新外国人としてブラジルからクラウジオを獲得。これはヒットだった。鈴木が抜けた中盤の底に君臨すると、すぐに支配力を発揮。正確な読みから繰り出されるパスによるビルドアップ能力に長けた、地味ながらも基本的な動きの質が非常に高くてよく働く選手だった。またマークが分散された事でチッコもある程度働けるようになった。


 クラウジオ入団以降は高橋を中央に据えて木暮のワントップというフォーメーションに変更した。高橋のドリブル突破をより活かすためである。センターバックの高家、左サイドの平など新しい選手も台頭。通用する選手とそうでない選手の振り分けがなされつつあった時期と言える。


 この時期の基本的なスタメンは以下の通り。カードなどがない限りほぼ固定されたメンバーによって戦えた事で順位も最高12位まで浮上。またスーパーサブとして高さのある小野田やキックの精度が高い川崎、パワフルなドリブル突破が個性の田村といった若手がよく起用された。


GK  1 野沢裕

DF 18 高家亮

DF  4 千賀尚斗

DF 22 松広康

MF  6 山田哲三

MF 27 クラウジオ

MF  2 長山集太

MF 17 平将吾

MF  7 チッコ

MF  8 高橋一明

FW 11 木暮丘明



 9月にはチッコと長山が故障によって離脱したが、それと時を同じくしてチームは息切れ。川崎、小野田ら若手選手を積極的に起用したが退潮傾向は止められず、またも順位をズルズル下げてしまい最下位争いをせざるを得ない展開になってしまった。結果的には15位でフィニッシュとなったが、最終節の前日には小松田監督の今シーズン限りでの退任が発表されるなどほろ苦いデビューシーズンとなった。


 フォーメーションはまた2トップに戻ったが、相変わらず高橋のシャープな突破と木暮の得点感覚が頼りだった。逆に当初は不安定だったディフェンスはGKの野沢を中心に右から高家、千賀、松というラインの構築が得意なディフェンス陣に中盤の潰し屋山田も加わった、よく統率が取れたメンバーでなかなかの安定感を見せるようになった。


 最終的にはやはり勝ちきれない中で順位もズルズルと落としてしまった。小松田監督は「選手はみんなやれる事をやってくれたがこの舞台で戦うにはチーム全体の力が不足していた」と嘆いたように、選手層の薄さが最大の課題であった。ベストメンバーならそれなりに戦えても怪我人が出ると一気に弱体化するようではまだまだ。


 この時期の基本的なスタメンは以下の通り。アグレッシブな若手が次々と出てきたので順位の割に悲壮感は少なかった。むしろ彼らがもっと成長していけばきっともっと強くなれるという一年生らしいフレッシュな希望にあふれていた。


GK  1 野沢裕

DF 18 高家亮

DF  4 千賀尚斗

DF 22 松広康

MF  6 山田哲三

MF 27 クラウジオ

MF 31 川崎圭二

MF  8 高橋一明

MF 17 平将吾

FW 29 小野田俊

FW 11 木暮丘明



 小松田監督に代わって水沢威志氏の監督就任が発表されたのは12月24日の事であった。水沢はそれまで少年サッカーの指導者として活躍しており、育成能力には定評があった。林GMも「チームの根幹を構築してくれる人物を選んだ」と明言したように、長期的な視点に基づいた抜擢であった。


 水沢氏は監督就任に当たって「攻守のバランスが取れた全員サッカーが理想」「本当の意味で選手を育成するには勝利と言う結果も必要になってくるので、いかに勝ち抜くかを常に考えながら戦う」と抱負を語った。


 選手の入れ替わりは、前年が静かなオフであっただけにより一層激しかった。薮本、鈴木、チッコ、前川といった昇格に貢献した選手が上ではほとんど活躍出来ずに退団する姿はプロの厳しさを示すようであった。宮本は引退したがそこから長らく指導者として活躍する事となる。




一言寸評


小松田監督……持てる力を振り絞ったがチーム力が不足していた


GK

野沢……プレーは安定していたがノーチャンスな失点が多かった

岩井……出番少なく今季限り

奥本……新人ながら3試合に出場

桑田……数少ない地元選手として人気は高かった


DF

長山……守備は不安定だが持ち前のドリブル突破は通用

岡本……スピード不足が露呈し早々とレギュラー陥落

千賀……安定感あるプレーを見せたがフィジカルがもう一歩

宮本……パワー不足が祟ってレギュラー陥落しオフには引退

石井……期待されていたが怪我もあり出番なし

平……左サイドに定着したがミスも多かった

高家……フィジカルが認められシーズン途中からレギュラー定着

松……冷静な判断でピンチを多く防いだ

渡辺……経験豊富な選手だが実力を発揮できず

佐々木……数試合に出場も高家に出番を譲る

根岸……出番なく一年限りでプロ生活に見切りをつける


MF

山田……前へ後ろへと精力的に走り回った

チッコ……フィジカル不足で持ち前のテクニックを披露しきれず

高橋……前線で孤軍奮闘して尾道の明星とも呼ばれた

鈴木……怪我で満足にプレーできず引退

薮本……持ち前の破壊力を披露しきれなかった

金重……自慢のパワーを見せられず今季限り

谷森……開幕ボランチを任されたが力不足だった

小松……怪我もあり持ち前のテクニックを生かせず

クラウジオ……途中入団も即チームの中心に

川崎……ドリブルと正確なキックで中盤以降出番を増やした


FW

前川……アマチュアのエースも上では通用せず

木暮……少ないチャンスを確実にゴールに結びつけチーム得点王

田村……ゴリゴリしたプレースタイルは他にない個性だった

レジナルド……途中加入も未熟さ目立ち活躍できず

小野田……高さを武器にシーズン途中から台頭

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