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2024年

2024


基本情報

社長 姫野サンティアゴ→佐藤幸仁

強化 佐藤幸仁SD→大池長佳SD

監督 港滋光

主将 河口安世

スローガン 突


加入


首脳陣


コーチ 黄山(きやま)常範(ヨハン) 45歳 横浜M


GK

1 松井(まつい)正武(まさたけ) 36歳 C大阪

34 友田(ともだ)武尊(たける) 21歳 緑山大から特別指定選手として途中加入


DF

5 北畑(きたばた)大志(たいし) 24歳 清水

16 田下(たした)(まさる) 27歳 鳥栖

23 加藤(かとう)万多(まんた) 23歳 期限付き移籍していた藤枝から復帰


MF

36 (はた)聖十郎(せいじゅうろう) 21歳 光文大から特別指定選手として途中加入

40 漆部(ぬりべ)絢礼(あやなり) 17歳 尾道ユース


FW

11 ガウシーニョ(GAUCHINHO) 37歳 川崎

20 ミロシュ(Milos)イェリチッチ(JELICIC) 25歳 ディナモヴァルナ

30 伊藤(いとう)理彦(さとひこ) 21歳 名古屋から期限付き移籍

41 芦澤(あしざわ)颯也(そうや) 17歳 尾道ユース





退団


首脳陣


GK

ヌルラン・スルタノフ 30歳 福岡


DF

ヘジス・コスタ 27歳 ブラジル帰国

渡辺晴大 23歳 移籍期間満了で鹿島復帰

桜田熱獅 26歳 浦和へ昨年途中退団


MF

菊池伴路 24歳 広島

宮島傑 27歳 引退しユースコーチ就任

庄野吏応 25歳 昨年途中に期限付き移籍した新潟へ完全移籍


FW

垰月透 21歳 グラスゴーへ昨年途中退団

末吉未来也 20歳 リエジョワ

ロブソン・マルケス 25歳 移籍期間満了で宮崎復帰

崔鉉竣 22歳 韓国帰国




役職変更




背番号変更

37→24 林孟徳

36→27 米谷凛斗




 昨年は怪我人続出などで安定した戦力が整わず、あわや降格という不甲斐ない順位に終わった尾道。しかもそこから守護神スルタノフ、センターバックとして成長を見せた渡辺、右サイドで攻撃の要菊池、将来のエースと期待された末吉などあらゆるポジションの重要選手をごっそり奪われた。はっきり言って危機的状況だ。


 首脳陣は新たにコーチとして黄山常範を迎えた。現役時代は二部リーグを主戦場にしていた大型ストライカーで、引退後はドイツ留学を経て横浜Mで指導者としての経験を積んできた。名前は本来「つねのり」だが「じょうはん」と音読みした上でのアルファベット表記から通称ヨハン。現代的サッカー理論の知識豊富な国際派で、マンネリも指摘される港体制に新風を吹かせられるか。


 そして選手達だが、まず昨年の主軸だったスルタノフが移籍したGKは西原はまだ若すぎ、2014年以来の尾道復帰となる松井も近年のキャリアを見るとバックアップが関の山と見られ、杷木と木野下の争いになるだろう。いずれも決め手に欠けるが、競い合う中での成長に期待したい。


 DFも難しい。ここ数年の主力だった桜田ヘジス渡辺が次々と退団して、残った中ではまずベテランの木村が一番手でガッツある浜野が続く。移籍加入はミスが多いものの身体能力の高さは誰もが認める北畑と地味だが堅実な田下で、いずれにせよ即効性の活躍が求められる。大穴ではポテンシャル抜群な林の早期抜擢、大川もそろそろ勝負といきたい。


 中盤のボランチは若江佐和田川土を基本線に、河口西東らベテランが穴を埋める形か。菊池の抜けた右サイドはフランシスコが第一候補だが、そうなると左に穴が開く。昨年序盤に光を見せたイスマイルや胡本のさらなる成長は必須だろう。来シーズンから加入が決まった大学生の秦もかなりの逸材。


 そしてFWだが、野口はまだコンディションに不安があり戦力としては計算できそうにない。その中で元得点王の大ベテランガウシーニョを獲得したインパクトは大きい。存在感抜群な生粋のゴールハンターを軸に昨年終盤復活の兆しを見せた八十島、激しいプレーのイェリチッチ、テクニシャン山崎、期待株伊藤らのポテンシャルをどれだけ活かせるか。桂城も練習では前線でよく起用されており面白いオプションになりうる。


 総じて言うと未知数な選手に賭ける部分が近年と比べても多すぎる。得点力はある程度回復するだろうが、守備陣は苦労しそうだ。20チームと増加した分だけ降格枠も多くなり、厳しい戦いを強いられるのは確実。個々人の奮起は言うまでもないが、やはりチームとしての団結なしには乗り切れない試練だ。



 開幕の広島戦こそ惨敗を喫するもそこから3連勝するなど前評判以上にたくましい立ち上がりとなった。その原動力となったのは前線で頑張る30代のベテラン勢であった。


 最前線で存在感を発揮する重鎮ガウシーニョを中心に、前半は若く運動量豊富な伊藤やイェリチッチに相手ディフェンスを掻き回してもらい後半から決定的な働きができる桂城と八十島をスーパーサブとして投入するパターンの構築に成功。終盤75分以降の得点を数多く量産した。


 一方で守備は不安定だった。開幕戦は浜野木村北畑のトリオだったがミスが相次ぎ、堅実な田下が入った事で多少は安定したもののまだ盤石とは言えない。ボランチの主軸として定着したかに見えた川土が股関節を痛めて欠場したダメージも甚大だ。キーパーに関しても若手の西原に加えて開幕しばらくはスタメンとして使われていた木野下が負傷し、ユース出身の大学生友田を緊急加入させたがいささか不安の残る陣容だ。


 老獪で確実に仕事をこなす攻撃陣と支えきれない守備陣で試合終盤に良くも悪くも試合が動く展開が多かったので「尾道劇場」と呼ばれるようになった。


 この時期の主なスタメンは以下の通り。とは言え前述の通り選手交代によってゲームを大きく動かす采配の中においてこれがベストメンバーとイコールになるかは微妙なところだ。中盤に佐和田イスマイルと攻撃的センスは抜群だが低身長で守備が軽い選手を複数据えているのもバランスの悪さを助長する要因か。それと大学生の秦は間違いなくセンス抜群で将来有望だ。


GK 12 杷木現児

DF 16 田下勝

DF  5 木村内匠

DF  4 北畑大志

MF 22 フランシスコ・ペレ

MF 26 若江崇城

MF 17 佐和田愛琉

MF 10 イスマイル

FW 20 イェリチッチ

FW 30 伊藤理彦

FW 11 ガウシーニョ



 まずは夏場の移籍に関してだが、今年は珍しくプラスのほうが大きかった。特に現役韓国代表かつ長年ドイツで安定した活躍を見せていた実力派センターバック林永址の獲得は大きい。監督交代に伴いポジションを奪われ二部リーグへ移籍を余儀なくされたが実力は未だに錆びついておらず、チーム合流後即座にディフェンスリーダーとして君臨して絶大な安定感をもたらした。


 守備陣に関しては木村が負傷で離脱した際に見事なパフォーマンスを見せた若い大川がそのままレギュラーを奪ったのもトピックス。もう一枠は主に田下が担ったが意外な掘り出し物は加藤で、まだ安定感には欠けるもののスピード感のある攻め上がりは面白いオプションになりそうだ。また移籍期間終了直前に川崎から若手ゴールキーパーの鷹嘴覇漢を加えた。


 怪我から復帰した守備的ボランチ川土を前線で起用したのも面白い試みだった。中盤の4人が安定しており入り込む場所がないという消極的起用のはずだったが持ち前の運動力を活かしたプレッシングが今まで以上に機能するようになった。最前線に鎮座するガウシーニョや八十島の決定力の高さも合わさってショートカウンターがよく決まった。


 退団選手としては山崎が仙台へ完全移籍、長屋が札幌へ期限付き移籍した。特に司令塔として活躍してきた山崎の移籍は残念だが、今年のスタメン出場は2試合に留まるなどチームの中ではやや余剰戦力となっていたのも事実。本人は「必要とされての移籍だから光栄」と前向きに捉えていた。また移籍期間終了直前になって佐和田が故郷のクラブでもあるG大阪に引き抜かれた。


 また佐藤SDが社長就任したのも大きなニュースだった。「サッカーの知識とマネジメントの経験いずれも豊富でこれ以上ないほどの絶対的人材」と辻会長が述べたが、尾道では初の元プロ選手かつトップチームにおける監督経験者の社長就任となった。それに伴いSD職は強化部で主に外国人選手を担当してきた大池長佳、また新設のユースダイレクターに元ユース監督の木暮丘明がそれぞれ就任した。


 全体的にシステマチックな戦術がかっちりと嵌って5連勝を記録するなどチームは好調を維持し、順位も一気に跳ね上げてきた。この時期の主なスタメンは以下の通り。交代選手としては胡本岩垣秦らガッツある若い選手が前線への活力となった。


GK 12 杷木現児

DF 16 田下勝

DF  2 大川飛翔

DF  3 林永址

MF 22 フランシスコ・ペレ

MF 26 若江崇城

MF 17 佐和田愛琉

MF 10 イスマイル

FW 20 イェリチッチ

FW  6 川土越

FW 11 ガウシーニョ



 港監督が整備してきたサッカーのベースに若手の成長や補強が加わって、いよいよ実り多き黄金の秋を迎えた。後半戦の尾道の戦いぶりはこう表現するのが最もふさわしいだろう。引き分けを挟んで怒涛の6連勝を記録する驚異的な結果もさる事ながら、内容も玄人さえも唸らせる非常に素晴らしいものであった。あわや優勝争いかと騒がれた最終盤にはやや失速したものの最終順位は7位と、一時期の低迷感を完全に打ち破る見事な戦いぶりだった。


 そんな時期の主なスタメンは以下の通り。特に良かったのが守備だ。移籍して即座にポジションを獲得した守護神鷹嘴はいきなりビッグセーブを連発して完封勝利に貢献し、普段のビッグマウスは内実あってのものと明確に示した。ディフェンスラインでは林永址の薫陶を受けて林孟徳が急成長。持ち前のフィジカルを活かした空中戦の強さはリーグ2位の数値を記録している。大川の安定感も日増しに高まり、6連勝中5試合が無失点だった。


 中盤はスタメンは若くスピード豊富な胡本や秦に走らせてフランシスコを後半から投入するパターンが増えた。佐和田が抜けたボランチは河口やFWからコンバートの岩垣が使われた。ベテラン河口はさすがの安定感だが、岩垣はまだムラがあるものの運動量抜群で異なる魅力を放っていた。


 最前線は今年38歳になったガウシーニョは猛暑も堪えたかやや稼働率が落ちたが八十島がカバー。若い頃の豪快さの代わりに的確なポジション取りや消える動きでチャンスを引き出す技巧派ストライカーへの新生を鮮烈に印象付けた。また怪我明けの野口も徐々に出番を取り戻しつつある。


GK 44 鷹嘴覇漢

DF 24 林孟徳

DF  2 大川飛翔

DF  3 林永址

MF 28 胡本大蔵

MF 26 若江崇城

MF 19 河口安世

MF 10 イスマイル

FW 20 イェリチッチ

FW  6 川土越

FW 25 八十島響祐



 終わってみれば見事立て直しに成功したというシーズンだった。若手だけでなくベテランも含めたチーム作りが成功して、特に最前線に関しては層の厚さまで感じさせるシーンも度々あった。


 当初は守備陣の構築に苦労したが林永址や鷹嘴といった実力者の補強と大川林孟徳ら若手の成長が最終的にはかなりの安定感をもたらした。特に後者の伸び方は尋常ではなく、まさしく若さとは何にも勝る宝物だと再認識させられるようだった。シーズン途中から中盤から前線へ回った川土や最前線からボランチにコンバートされた岩垣も日に日に良くなっており、来シーズンはますます素晴らしいプレーを連発してくれそうだ。


 最前線はガウシーニョ八十島などベテランが重厚な存在感を発揮したが、どうやら八十島は移籍する模様だ。他に移籍しそうなのはディフェンス陣の競争に敗れた北畑や浜野、実用的な守備的ボランチとして需要が高まっている若江、オリンピック出場を念頭に移籍したもののアピールしきれなかった伊藤ら。


 補強に関しては二種登録選手から昇格する漆部芦澤や特別指定選手から正式にプロとなる秦友田の他にはマレーシアから若い攻撃的選手を加えると噂されている。第一陣たるイスマイルはすっかり尾道の主力となっただけに、これに続くか注目したい。


一言寸評


港監督……よりタイトなサッカーを実現させて再浮上に成功


GK

松井……ベテランならではの存在自体が安定をもたらした

杷木……試合ごとにムラが大きく鷹嘴にポジションを奪われた

木野下……開幕戦先発も負傷でポジションを手放す

友田……ベンチ入り果たせずも蔵GKコーチからの評価は高い

西原……引退しクラブ職員と大学生を両立させるそうだ

鷹嘴……ギラギラした存在感全開ですぐさまポジション確保



DF

大川……シーズン途中にポジション奪取し大奮闘

林永址……ワールドクラスの安定感とリーダーシップはさすが

北畑……あまりにもミスが多すぎて信頼を得られず

木村……怪我もあり後半戦は若手にポジション譲る

浜野……実力アピールしきれず新戦力台頭に押される

田下……地味だが堅実なプレーぶりで着実な戦力になった

加藤……スピード豊かな攻め上がりという個性は見せられた

林孟徳……レギュラー抜擢され猛烈な勢いで成長中


MF

川土……前線でのアグレッシブなプレーで新境地開拓

桂城……途中投入でムードを変える存在感はさすが

山崎臨……存在感薄れてシーズン途中で仙台へ完全移籍

イスマイル……ポジション確保し持ち前のテクニックを存分に発揮

長屋……出番確保しきれず札幌へ期限付き移籍となった

佐和田……攻撃の流れを司ったがシーズン途中に引き抜かれた

河口……控えメインだがベンチに居ると心強かった

フランシスコ……力強い突破と堅い守備で不動のレギュラー

若江……怪我の少なさもありがたいまさに欠かせない戦力

米谷……怪我もあり出場機会はほとんどなかった

胡本……豊富な運動量はさすがだが技術的にはまだ発展途上

西東……スピードが落ちてきた印象で存在感はかなり薄まった

秦……在学中ながら実力はすでに通用しており来季が楽しみ

漆部……プロ一本となる来季からが本番となるだろう


FW

野口……ようやく体調回復し来年から本格復帰となりそう

ガウシーニョ……生粋のゴールハンターは老いてなお圧倒的存在感

岩垣……献身的で運動量豊富なボランチとして台頭の気配

イェリチッチ……力と狡猾さで最前線では最も安定した選手となった

八十島……ゴール前での鋭さを完全に取り戻した

伊藤……頑張りが空回りする場面も散見され後半戦は試合に絡めず

芦澤……プロの世界でどれだけ個性を見せられるかが成功の鍵だ

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