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2023年

2023


基本情報

社長 姫野サンティアゴ

強化 佐藤幸仁SD

監督 港滋光

主将 木村内匠

スローガン WINNING GROOVE


加入


首脳陣


コーチ 村瀬(むらせ)秀徳(ひでのり) 40歳 尾道ユースから昇格


GK

1 ヌルラン(Nurlan)スルタノフ(Sultanov) 29歳 トゥーラン


DF

5 浜野(はまの)(りょう) 24歳 湘南

37 (はやし)孟徳(たけのり) 17歳 尾道ユース


MF

15 長屋(ながや)宇宙(そら) 22歳 熊本への期限付き移籍から復帰

22 フランシスコ(Rrancisco)ペレ(Pele) 26歳 インスブルック

26 若江(わかえ)崇城(たかき) 28歳 栃木

36 米谷(よねたに)凜斗(りんと) 17歳 尾道ユース


FW

18 岩垣(いわがき)汰熊(たくま) 21歳 盛岡への期限付き移籍から復帰

25 八十島(やそしま)響祐(きょうすけ) 30歳 G大阪

34 ロブソン(Robson)マルケス(Marques) 24歳 宮崎

40 (チェ)鉉竣(ヒョンジュン) 21歳 公州




退団


首脳陣

呉藤憲一郎 49歳 華城へ昨年途中退団

山田哲三 40歳 ユースコーチへ配置転換


GK

ウェインオースティン 20歳 キングストンへ昨年途中退団

次原益豊 33歳 愛媛


DF

赤藤香志雄 22歳 京都へ昨年途中退団

小石川龍馬 27歳 山口

新道前 19歳 シーズン途中に磐城へ育成型期限付き移籍


MF

今村友来 31歳 鹿児島

ラウル・ケサダ 30歳 メキシコ帰国

モーゼス・ネイホフ 32歳 オランダ帰国

庄野吏応 24歳 シーズン途中に新潟へ完全移籍

池田世紀 21歳 スカールベーク

田中比呂氏 21歳 川崎復帰後清水へ期限付き移籍


FW

山崎灯 23歳 札幌

尹世鎬 34歳 華城へ昨年途中退団

田頭真希士 18歳 大学進学




役職変更




背番号変更

36→2 大川飛翔

12→8 山崎臨

25→10 イスマイル

34→12 杷木現児

38→28 胡本大蔵

39→29 西原究




 若返りを進めながらもチームとしての完成度の高さも追求した昨シーズンは、ワールドカップ開催に伴う間隔の短いタフな日程を物ともせず9位と1桁順位を確保した。しかしその勢いを今年そのまま持ってくるという目論見は既に昨年の段階で崩れ去っていた。


 まず致命的と言えるのが尾道の大黒柱としてチーム得点王に輝いた野口が負傷によって今シーズン絶望という知らせであった。韓国から崔を獲得し、岩垣を復帰させるなど打てる手は打ったがさすがに荷が重い。


 加えて左サイドから積極的に攻め上がり多数のアシストを記録した池田も海外へと旅立っていった。活躍を見せた選手が間もなく引き抜かれるのは数年来続く尾道の、言い換えれば大型スポンサーに恵まれない地方クラブの宿命だ。新たなユニフォームスポンサーとして宝石や眼鏡の販売で知られるラリッサ社を加えるなど努力は続けているが、上位陣との差は依然大きい。


 あるライターが「尾道みたいなただ上にいるだけで発展性のないクラブはいらない」などと投稿してプチ炎上状態となったが、その発言の根幹もこういった部分にある。彼の無知や傲慢は糾弾されて然るべきだが、口にせずとも内心同意する者も多いとは胸に刻んで経営すべきではあろう。


 一方で補強に関しては、まずウェイン退団後やや苦労していたGKには現役カザフスタン代表守護神のスルタノフが加わった。言語の問題はあるが動きの鋭さとセービングの安定感は図抜けておりスタメン確実だろう。


 国内移籍では湘南からガッツのあるプレーが印象的なセンターバック浜野、栃木からパワフルなボランチ若江を獲得。そしてキャンプ終盤になって、元日本代表ストライカー八十島の加入が発表された。昨年オフにG大阪退団後はなかなか所属が決まらず、練習生を経て拾われた意地を見せたい。


 また大卒新人の大川はユースから大学を経て出戻りした初のケースとなる。強力なメンバーが揃うセンターバックでどれだけやれるか注目だ。他は長屋と岩垣が復帰、ユースから西原と胡本が昇格。また昨年までユースを指導していた理論派の村瀬コーチがトップチームへ、山田哲三コーチがユースへと回った。またユースは新任のGKコーチに昨年限りで現役引退した山田多摩男が就任したのでダブル山田体制となる。


 スタメン予想はまずGKはスルタノフ。スリーバックは去年と同じくヘジス木村桜田が基本線だが渡辺浜野大川がどれだけ絡めるか。ボランチは読みにくい。昨年終盤コンビを組んだ西東と佐和田は池田が抜けた左サイドに回るという話があるからだ。そうなると桂城や河口といったベテランが担うのか。川土や新加入の若江にもチャンスがありそう。


 サイドハーフは、右は菊池で安泰。一方で左は混沌としている。先述の通り西東や佐和田に加えて庄野イスマイル長屋胡本など様々な選手が試されているが、開幕後も当分は試行錯誤が続くだろう。FWは垰が中心になる以外にない。それを山崎末吉や新加入の崔八十島らがどれだけ支えられるか。


 個性的な才能に満ちた選手は多いが「こいつに任せれば何とかしてくれる」といった選手はいない。それをいかにして一つのチームとしてまとめ上げられるか。港監督を筆頭とする首脳陣の手腕が一層問われるシーズンとなりそうだ。



 絶対的なセンターフォワードにして精神的な意味においても中心選手である野口がいない尾道。しかし戦いがそこにある以上は他の誰かを立てて戦い抜くしかない。しかし彼の代役などそう簡単に見つかるはずもない。春の戦いとは相手以上に内部で正解を探し求める戦いであった。


 開幕当初は崔に期待がかけられた。練習ではヘディングなど高さにおいて野口を彷彿とさせるものがあったが、それ以外のプレーの質に問題があり実戦ではほとんど輝けなかった。八十島も未だコンディションが戻らず、技量に難があれど前線でのプレスなど今の自分に出来る事を真面目に頑張っている岩垣が一番ましといった状況であった。


 もう一つ懸案だった左サイドは、まずは佐和田が使われたが去年ほどの輝きは見せられず、4月にイスマイルを抜擢したところ非常に鋭いプレーを見せて「東南アジアへの営業要員」という見方を覆したが間もなく怪我で離脱。結局穴埋めのプロである西東が舞い戻ってきた。


 これも不安視されたボランチに関しては移籍の若江と若い川土の相性が良く名コンビ誕生の予感だ。ともに守備に定評があるタイプで、特に川土は去年までより力強さが格段にアップしてプレーに安定感が出てきたのが大きい。最終ラインは去年から続く3人。新加入のカザフスタン出身守護神スルタノフは決定機にも落ち着いたセービングを見せてこれも見事。


 途中交代要員として目立つのは2年目の末吉とルーキーの胡本。ともにスピード感あふれる若々しいプレーぶりで尾道の新たな希望となりつつあるがまだまだフィニッシュの部分での粗さなど改善すべき課題は多い。守備要員としては浜野がはつらつと持ち味を発揮している。大川も中盤で使われるなど汎用性でアピール中だが、この枠には河口がいるので簡単な道ではない。


 トータルで言うと守備は安定しているが攻撃力が足りないので順位も伸び悩んでいる。そんな時期の主なスタメンは以下の通り。本当はイスマイルがスタメンの時期はそれほど長くないのだが、垰とのホットラインで前線が活性化しており、戦力的にはこれがベストであろう。垰もボールがつながらないので中盤まで下がったりしているが、もう少し前線ででんと構えても良さそう。


GK  1 スルタノフ

DF 30 桜田熱獅

DF  5 木村内匠

DF  4 ヘジス・コスタ

MF  3 菊池伴路

MF 26 若江崇城

MF  6 川土越

MF 10 イスマイル

FW  8 山崎灯

FW 11 垰月透

FW 18 岩垣汰熊



 春のうちにカップ戦なども含めて様々なバリエーションを試してきた甲斐があって、7月中旬になるとようやく安定した戦いができるようになってきた。その中心となったのが河口のセンターフォワード起用であった。


 入団時は最前線でのゴールゲッターとして期待されていたものの、それ以降は徐々にポジションを下げて港監督時代初期にはセンターバックとしての起用もなされた河口。しかしこれまでのキャリアで培われたキープ力と豊富な経験に基づく冷静な判断は最前線におけるポストプレーヤーとして自身の存在を再定義させた。


 敵陣においても安定してボールを収められる河口の存在によって、末吉や胡本といったスピードに定評ある若手の存在感が一気に高まった。彼らの迫力ある飛び出しでゴールを奪うと、スルタノフを中心とした守備陣も堅実なプレーでチームを支えた。ベテランの木村がやや体調を崩しても渡辺や大川がフォローし、総合力の高さも見せつけた。


 6月までは降格圏内から逃れるための争いに終始していたが、河口の定着以降は安定して勝ち点を稼げるようになってきた。現在11位。降格枠が1つという特異なレギュレーションにも助けられひとまず危機は去ったと言えそうな位置だが、垰の海外移籍に加えて補強期間ギリギリになって桜田が浦和に引き抜かれるなどまだまだ油断は禁物だ。


 というわけでこの時期の基本的なスタメンは以下の通り。ボランチは攻防ともに隙なくこなす若江が中心で攻撃的に行くならパスセンスに長けた佐和田、守備を固めるなら運動量豊富な川土といった使い分けがなされた。


 リザーブの選手に関しては、ようやくチームに馴染んできた崔が終盤のパワープレー要員として存在感を高めた。またシーズン途中に久々の復帰となるフランシスコと宮崎で活躍するロブソンという二人のブラジル人を獲得した。ともに日本のサッカーを知る人物なので馴染めば力となるだろう。


GK  1 スルタノフ

DF 30 桜田熱獅

DF 23 渡辺晴大

DF  4 ヘジス・コスタ

MF  3 菊池伴路

MF 26 若江崇城

MF 17 佐和田愛琉

MF 28 胡本大蔵

FW 27 末吉未来也

FW 11 垰月透

FW 19 河口安世



 代表戦を行うための中断などを挟みつつ日程を消化していった秋の戦いだが、全体的な傾向としてはいささか勢いを欠いた試合が多かったのが正直なところであった。桜田退団に加えてヘジスが自損事故を起こす始末で、安定感を失った守備陣が早い時間帯に先制を許す流れが増えたのはチーム全体としても苦戦の要因となってしまった。


 一方で攻撃陣は左サイドのフランシスコが大分チームに馴染んできたのと交代要員が定まってきた事で活性化してきた。特に印象的だったのは経験豊富な八十島で、春先とはほとんど別人の、いやむしろようやく本来の彼の姿を取り戻したと言うべき活躍を見せた。


 他にはボランチは佐和田が負傷離脱したが山崎がポジションを下げて対応した他、西東や長屋も起用された。また野口がシーズン最終盤にようやく復帰を果たしたが、本格稼働は来年以降となりそうだ。


 そんな時期の基本的なスタメンは以下の通り。主力二人が消えたDFは高校生の林がデビューを果たすなどギリギリのやりくり。育成型期限付き移籍中の新道を復帰させるか真剣に検討したほどだった。最終順位は16位。終盤に6連敗を喫するなど露骨に失速したが、比較的楽なレギュレーションにも助けられて残留は決まった。


 しかし来年からは20チームとなり、近い将来には秋春制も決まりそうな雰囲気だ。常に変化を続ける世界の中では安定を得るのも一苦労だ。「来年もこれぐらいでいいだろう」という意識ではあっという間に取り残される。


GK  1 スルタノフ

DF 23 渡辺晴大

DF  5 木村内匠

DF 13 浜野亮

MF  3 菊池伴路

MF 26 若江崇城

MF  8 山崎臨

MF 22 フランシスコ・ペレ

FW 27 末吉未来也

FW 25 八十島響祐

FW 19 河口安世



 トータルで言うと残念ながら冴えない1年だったとまとめざるを得ない。こんなシーズンが繰り返されるようではそのうち確実に降格するし、人気定着など到底望めまい。


 シーズン序盤に関してはテクニカルなプレーで左サイドのポジションで輝きを見せたイスマイルや、若くスピードのある末吉や胡本といった若手の台頭もあり運動量豊富でフレッシュな戦いが好印象だった。守備の安定感は高く、河口センターフォワードの奇策も当たってやや迫力は足りないものの着実に勝ち点を稼げていた。


 問題はイスマイルが負傷離脱し、若手も研究が進み勢いだけでは立ち行かなくなった終盤の不甲斐なさだ。守備のアドバンテージもシーズン途中に桜田が引き抜かれ、ヘジス・コスタに至っては自動車事故を起こしてシーズン終了まで謹慎の末に退団というなんとも残念な形で失われた。カザフスタン代表守護神のスルタノフはスーパーセーブを連発したものの、最後尾の一人に負担がかかりすぎる体制が健全であるはずもない。


 攻撃陣に関しては、垰が迫力を増して得点王争いにも参戦したが途中移籍してからは決定力不足が目立った。最終盤に実績豊富ではあるものの近年は低迷していた八十島が復活を予感させる3試合連続ゴールを決めたのは来季への可能性を感じさせる一幕であった。野口も最後になってようやく試合出場を果たしたが、まだ実力の30%も出せていない状況だ。ロブソンも期待外れ。


 とにかく攻守に問題点は山積だったが、それでも一部残留を果たした。これこそが今年得られた全てではないか。港監督ら首脳陣の残留は早々と決まったが、このままではいけないと誰もが認識している。それで外部からコーチを招聘するそうだ。港体制も5年目を迎える。進歩を続けなければその歴史は簡単に断ち切られるだろう。


 とは言うものの今年のオフもやはり複数の主力選手を抜かれる情勢だ。末吉スルタノフ菊池の移籍が決定した。渡辺は鹿島に復帰し、崔も韓国へ帰国。一方で清水からフィジカル自慢の北畑、鳥栖から大学時代に宮島と同級生だった田下というディフェンダー二人の獲得が発表されているが、この程度ではまったく足りない。


 佐藤SDによるとフォワードは他にも国内で絶対的な実績を残した有力外国人などを含めて複数の交渉が進んでいるそうだ。期待したいというよりも信じるしかないのが実像に近いだろう。




一言寸評


港監督……苦しい中の選手活用が例年よりうまくいかなかった印象


GK

スルタノフ……1対1に極めて強く好セーブ連発もピンチが多すぎた

杷木……怪我でベンチ外も多かったが着実に心身を鍛えた

木野下……スルタノフ途中退場試合に交代出場が唯一の見せ場

西原……カップ戦でベンチ入りしたのみで出番なし


DF

大川……木村渡辺の壁は厚かったが着実に成長中

ヘジス……プレー自体は安定していただけに残念

木村……やや体力に衰えが見られるも万全ならさすがの働き

浜野……ナイスガイだが細かいミスを減らしたい

渡辺……バタバタしたところが減ってかなり成長した一人

新道……来季も引き続き磐城でプレーするようだ

桜田……絶対的存在だっただけにシーズン途中退団は痛かった

林……首脳陣からの評価は高く早いうちの抜擢もありそう


MF

菊池……攻守に鋭さを増して支配的存在にまで君臨した

川土……スタメン出場は増えたがまだ準主力止まり

桂城……強烈なミドルシュートを決めるなど要所で存在感発揮

山崎臨……全体的に存在感ないプレーが続き低迷の原因に

イスマイル……左サイドとして光るものを見せたが怪我から復帰後はもう一歩

長屋……独特なテンポでアクセントとして光るも波が激しい

宮島……出番ほぼなく引退しクラブ職員に転身

佐和田……ポジションがふらつきポテンシャルを活かしきれず

河口……今更のセンターフォワード起用は驚かされたが器用にこなす

庄野……開幕直後に新潟へ移籍したため特になし

フランシスコ……終盤はチームにも馴染み来季こそ本領発揮するだろう

若江……力強いプレーでボランチ定着した掘り出し物

胡本……スピード感あるプレーで一時はレギュラークラス

西東……ベンチ要員として高い安定感もスタメン回数は激減

米谷……高校卒業する来季からが本番


FW

野口……実戦復帰を果たせただけでも御の字

垰……シーズン途中移籍にも関わらずチーム得点王

岩垣……シーズン序盤に頑張ったが違いを作るほどではなかった

八十島……コンディションが整った終盤に力量発揮し完全復活へ視界良好

末吉……ガッツあるプレーで中盤戦以降はレギュラー定着

ロブソン……存在感なくほとんど試合に絡めず

崔……パワープレー要員として光るものを見せたが本領には遠い

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