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2022年

2022


基本情報

社長 姫野サンティアゴ

強化 佐藤幸仁SD

監督 港滋光

主将 野口拓斗

スローガン ハルモニア


加入


首脳陣

アシスタントコーチ 呉藤(ごとう)憲一郎(けんいちろう) 48歳 山口

コーチ 赤林(あかばやし)和己(かずみ) 34歳 ジュニアユース福山から昇格

コーチ 山田(やまだ)哲三(てつぞう) 39歳 アンバサダーから転身


GK

34 杷木(はき)現児(げんじ) 22歳 法治大

39 西原(にしはら)(きゅう) 17歳 尾道ユース


DF

5 木村(きむら)内匠(たくみ) 32歳 札幌

23 渡辺(わたなべ)晴大(はるた) 21歳 鹿島

24 新道(しんどう)(ぜん) 18歳 巨椋高

36 大川(おおかわ)飛翔(はるか) 21歳 中立大


MF

10 モーゼス(Moses)ネイホフ(Nijhof) 31歳 厦門

18 本井(もとい)ユリウス(Julius) 27歳 千葉

25 イスマイル(Ismail)ビンラシッド(bin Rashid) 21歳 クランバレーから途中加入

28 池田(いけだ)世紀(せいき) 20歳 C大阪から期限付き移籍

38 胡本(えびすもと)大蔵(たいぞう) 17歳 尾道ユース

40 田中(たなか)比呂氏(ひろし) 20歳 川崎から期限付き移籍で途中加入


FW

13 山崎(やまさき)(ともる) 22歳 京都への期限付き移籍から復帰

27 末吉(すえよし)未来也(みきや) 18歳 黒武者学園高

37 田頭(たがしら)真希士(まきし) 17歳 尾道ユース




退団


首脳陣

古谷龍樹 54歳 鹿児島


GK

潘海斗 27歳 京都


DF

バルニエ 31歳 浦和


MF

八幡銀仁郎 27歳 名古屋

奈古一平 27歳 G大阪


FW

山本聖樹 21歳 鹿児島

池角斌生 23歳 横浜C

荒川秀吉 41歳 引退




役職変更




背番号変更

39→4 ヘジス・コスタ

18→7 桂城矢太郎

38→8 ラウル・ケサダ

37→18 佐和田愛琉




 厳しい日程やレギュレーションをものともせず、港監督以下首脳陣と選手全員が一丸となった攻撃サッカーを完成させて躍進を遂げた2021年。それは小学生時代から下部組織に所属してきた垰など若手によってもたらされたのもまた育成クラブとしての成熟を示していた。


 シーズン前の補強に関してもクラブの一貫した方向性が感じられるものとなっている。注目は池田と渡辺の期限付き移籍コンビ。特に池田は父親がアマチュアリーグ時代の尾道に所属しており山田らと一緒にプレーしていたという縁を感じされる選手だ。渡辺もこの移籍で心機一転高校時代の輝きを取り戻したい。


 また長らく本職はボランチの河口が務めてきたスリーバックのセンター候補として獲得した木村も豊富な経験値を武器に目論見通り定着しそうだ。昨年途中に期限付き移籍の京都で昇格に貢献する活躍を見せた山崎灯がどう変わったかも期待したい。新外国人のネイホフは未だに来日出来ていないが、スペックを信じるとかなり働きそう。


 一方で退団選手に関しては大型守護神潘、攻守に力強く活躍したセンターバックバルニエ、豊富な運動量で守備を支えた八幡、キャラクターも愛された突貫小僧奈古と主力級が目白押し。41歳の荒川も現役最終戦でハットトリックという派手な打ち上げ花火とともにユニフォームを脱いだ。参謀の古谷も鹿児島の監督として招聘されたため尾道を去った。この離脱のダメージを重大と見て降格候補に挙げる評論家も少なくなかった。


 確かにダメージは大きい。しかし去年の今頃垰やウェインがここまで盤石の存在になると誰が信じられただろうか。尾道は育成を旨とするクラブ。ゆえに現有戦力を単純に合計しただけではその底力を見誤る。今までもそうであったように、今年もまた現時点では見知らぬ誰かがきっと台頭してくるだろうし、そうでなければ尾道ではない。


 時計は否が応でも未来へと進んでいく。よりフレッシュになったメンバーで今年もまたアグレッシブな攻撃サッカーを展開していく所存だ。



 そろそろスタジアムにおけるコロナの影響も減少しつつあるが、それはただこの異常が状態化してしまっただけで驚異が去った事を意味しない。ともあれスタジアムの本義は大勢の観客が集い、見守られてこそ。そういう意味で常に観客制限のかかっていた去年よりも賑わいのある、エネルギーのある空間を創出していたのは間違いない。


 そんな尾道だが、開幕戦でいきなりボランチで出場の河口が負傷し、3月には山崎兄も戦線を離脱した。ともに復帰は夏頃になる予定。これで戦力計算はかなり狂った。というのも、彼らこそ尾道の選手の中でクレバーに動いて違いを見せる二人であったからだ。


 二人の離脱以降は単調な攻撃が目立ち、ハマると強烈だが駄目な時は野口や垰にほとんどボールが渡らず宝の持ち腐れと化していた。対策として本井佐和田らテクニシャンを積極的に起用したがもう一歩で、結局山崎弟をスタメンに置いての力押しが一番効果的だった印象。港監督の理想とは随分離れた姿だが、勝ち点の推移は決して悪くなくて8位と中堅を確保している。


 この時期の主なスタメンは以下の通り。守備陣はヘジスが家庭の問題を抱えた影響か前年の切れがなく、新加入の渡辺が奮闘した。またボランチは声の大きさがよく目立つネイホフが早速定着。菊池池田の若い両サイドはともに苗字に池の字が入っているのと気風の良い突破からイケイケコンビと呼ばれ、チームの新たな魅力となった。


 なお3月から4月にかけて岩垣が盛岡へ育成型期限付き移籍、赤藤は京都へ完全移籍した。当初は期限付き移籍の予定だったが交渉の中で先方の非常に強い主張を受け入れて泣く泣く手放したという。別れの季節を経て、人はもっと強くなっていくのだろう。


GK  1 ウェイン

DF 30 桜田熱獅

DF  5 木村内匠

DF 23 渡辺晴大

MF  3 菊池伴路

MF 10 ネイホフ

MF  7 桂城矢太郎

MF 28 池田世紀

FW 13 山崎灯

FW 11 垰月透

FW  9 野口拓斗



 ひたすら高まる気温に負けない熱戦が繰り広げられるのはピッチの上だけで十分なのに、それ以外の争いが注目される時期となってしまった。港監督と呉藤コーチの意見対立が修復不能なまでに広がり、結局呉藤コーチは退団して韓国のクラブへと移った。


 また守護神のウェインがイングランドへ移籍した。かねてから海外志望を明言しており実績も素晴らしいので必然の結果であった。そして尹が韓国へ帰国。FWとしては決定力不足が目についたものの泥臭い仕事を率先してこなす貴重な存在だった。サブがメインとなっていた本井も出場機会を求めて二部へ移籍。


 プラスとしてはマレーシアからテクニシャンのイスマイルを獲得した。合流初日には現地メディアの取材攻勢でいつになく練習場が盛り上がったが、光る部分はあれど総合的にはまだまだ。またユースから二種登録選手が3人加わったが直ちに影響はないだろう。


 チーム成績としては先述のゴタゴタの影響もあって一時は4連敗を喫するなどかなり失速してあわや残留争いに参入かとも言われたが、問題が一応の解決を見た8月になって持ち直してきた。そんな時期の主なスタメンは以下の通り。ウェインが抜けたGKには木野下とルーキー杷木が併用された。守備陣は春先体調不良だったヘジスが復調してきた。


 ボランチはネイホフ桂城河口今村と30代の選手ばかりが試合に絡んでいた。ここに風穴を開けるべく川崎から田中を期限付き移籍で加入させたが、やはり安定感においては経験豊富な面々に敵うものではない。菊池池田の両サイドハーフは相変わらず好調。


 前線は野口が代表選出されるなど力を発揮しているが、垰がメンタルの部分で若さを露呈した。首脳陣の揉め事や親友でもあったウェインの不在が影響したものだ。8月には佐和田が連続ゴールを決めてラッキーボーイとなったが、こういう当初の計算になかった選手の活躍はチーム力を押し上げるのでもっと出てほしいものだ。


GK 21 木野下美徳

DF 30 桜田熱獅

DF  5 木村内匠

DF  4 ヘジス・コスタ

MF  3 菊池伴路

MF 10 ネイホフ

MF 19 河口安世

MF 28 池田世紀

FW 12 山崎臨

FW 13 山崎灯

FW  9 野口拓斗



 首脳陣のごたつきもあって順位を落とした夏場。その結果呉藤アシスタントコーチは韓国のクラブへ監督就任のため辞任し、新たなコーチとして山田哲三が加わった。指導力に関しては未だに未知数な部分を秘めているが、選手時代は尾道一筋20年というまさにこのクラブそのものと呼べる存在が指導の第一線に戻ってきた事でチーム全体のまとまりが良くなったのは明らかに山田の人徳ゆえであろう。


 かくして一連の問題が解決した8月の終わりから9月の始めにかけて引き分けを挟んで4連勝を決めて、一気に危機的状況から脱出した。最終順位は9位。結局のところどちらの理論が正しかったとか間違っていたという問題ではなく、チーム全体として同じ方向に目を向けて進んでいけるかどうかが重要だと改めて気付かされるようであった。


 この時期の主なスタメンは以下の通り。今年は全体的にタイトな日程だったので港監督も柔軟に選手を入れ替えながら臨んでいたが、その中で最大のインパクトを残したのは佐和田であった。華奢な印象が強かった選手だが8月末にボランチとして抜擢されると鋭いプレーを連発して攻撃を活性化させた。またグロインペイン症候群で離脱したネイホフの代役としてサイドから回ってきた西東が意外な奮闘を見せた。


 守護神は杷木が定着。若さゆえやや安定感に欠けるもキビキビした動きが清々しい選手。ディフェンス陣は桜田木村ヘジスの3人に控え一番手の渡辺という体制で安定。最前線は「色々な人から懇々と諭された」という垰が無事に復調してきた。


 また庄野や高卒ルーキー末吉がスーパーサブとして勢いあるプレーを披露。大川胡本がリーグ戦出場、西原がベンチ入りするなど若手もまた成長中。鳴り物入りで加入したイスマイルも初出場であわやという直接コーナーキックを蹴り込むなど光るものを見せた。


GK 34 杷木現児

DF 30 桜田熱獅

DF  5 木村内匠

DF  4 ヘジス・コスタ

MF  3 菊池伴路

MF 17 佐和田愛琉

MF 31 西東良福

MF 28 池田世紀

FW 12 山崎臨

FW 11 垰月透

FW  9 野口拓斗



 まさに今である秋から冬にかけて、中東カタールの地で4年に1回のサッカー界最高峰のお祭りが開催されている。世界の話題が飛び交う間でひっそりと、しかし確実に移籍情報も流れてくる状態はなかなかに趣のある光景ではある。


 今回の日本代表に尾道の選手はいない。野口は年齢的にも選手タイプ的にも、そして何よりそれまでの代表戦におけるアピール度合いからしても選出の可能性は十分にあったが直前で靭帯を痛めて落選どころか来シーズンも絶望的という悪夢のような現実が待っていた。しかし今シーズンの水際立った働きがそれで全て消えるわけではない。


 というわけで今年の尾道だが、若返りを果たしつつ菊池池田の両サイドなど新たな魅力を創出して着実に存在感を増していった。しかしそれも1シーズン限定の輝きとなってしまうのはこの世界における宿命であろう。特に池田は元々が期限付き移籍によって加入した選手なので、守りきろうと願っても叶うものではない。


 というわけでフロントとしては池田はもはや仕方ないと割り切った上で菊池残留に全力で取り組み、見事にそれはなされた。池田は古巣復帰ではなく海外へ移籍していったのでやはりこの方針は間違いではなかった。ただ池田後継を考えると庄野も退団したのは痛い。それと山崎弟も移籍する。


 他に今村、ケサダ、ネイホフ、次原ら30代の経験豊富な選手が数多く退団する事となる。ネイホフは怪我がなければ残留確実だっただろう。去年までは盤石の主力だった今村も怪我によってパフォーマンスが急落した。長く第一線でプレーし続ける困難さとはまさしくこの部分にある。


 港監督は当然続投。今シーズンはコーチ陣でゴタゴタがあったが最終的には山田入閣という荒療治でどうにか平穏を取り戻した。豊富な知識とそれを具体的な形にして活用する能力に長けた赤林がチーフ格で指揮官を支え、語学堪能で通訳兼任の鈴木は外国籍選手をまとめ、山田は兄貴分的存在として控え選手のメンタルケアなどを主に担当していた。なので来季は赤林が実質でもナンバー2であるアシスタントコーチに昇進するが、鈴木は横浜Mに引き抜かれた。


 選手だけでなく首脳陣もそうして常に人は動き続けていく。その中で停滞する事なく新しいものをどれだけ生み出していけるか。基本的に守り抜く事はできないクラブだからこそ、進んでいかなければならない。



一言寸評


港監督……若手抜擢や的確なコンバートで多少のトラブルをものともせず


GK

ウェイン……圧倒的な活躍の果てにシーズン途中に必然の海外移籍

木野下……ウェイン退団後チャンスを貰うも掴みきれず

次原……練習ではまとめ役として存在感もカップ戦要員止まり

杷木……荒削りだが積極的な守備で終盤戦は守護神に定着

西原……1試合にベンチ入りを果たしたが本番は来年以降


DF

ヘジス……コンディション不良から復調後は本来のプレーを披露

木村……高い判断力に基づく安定した守備で中央のポジション確保

赤藤……開幕直後に京都へ完全移籍

渡辺……控え一番手として与えられたポジションを粘り強くこなした

新道……体つきはプロらしくなったので来季は実戦経験を積みたい

小石川……全盛期のスピード感ある動きはまだ戻らない

桜田……少しずつミスも減ってきて盤石の存在に

大川……元ユースのキャプテンが大学を経て帰ってきた


MF

今村……負傷からの復帰後もパフォーマンスはなかなか戻らず

菊池……右サイドに定着し精度の高いクロスを上げまくった

川土……運動量豊富な控えとして重宝もそろそろレギュラー定着したい

桂城……年齢的に運動量はやや落ちたがここぞの存在感はさすが

ケサダ……菊池スタメン定着に伴いスーパーサブが定位置に

ネイホフ……熱血ボランチとして攻守に活躍も終盤は負傷離脱し退団へ

山崎臨……怪我やコロナもありやや出遅れたが中盤戦以降は安定

宮島……同ポジションのライバルが伸びてやや苦しい立場

佐和田……8月末の連続得点で一気にブレイクした伸び盛り

本井……出番が少ないと見るや半年程度でまたすぐ移籍

河口……本職たるボランチ中心も便利屋としてポジションを選ばない活躍

庄野……スーパーサブとして効果的な突破を度々見せた

イスマイル……テクニックは確かだが実戦に耐えるフィジカルが課題

池田……左サイドに定着し菊池との両サイド攻撃は尾道の見どころに

西東……終盤戦はボランチとして安定したプレーを見せる新境地

胡本……現役高校生ながらリーグ戦出場を果たした有望ドリブラー

田中……センスの片鱗は見せるもムラが大きく不安定


FW

野口……チーム得点王と絶対的存在として君臨も最後に重傷は不安

垰……スランプも脱出し野口不在が続きそうな来季こそ本物に進化する

山崎灯……出番は多かったかポテンシャル全開とは言えまい

尹……控えとして安定したパフォーマンスもシーズン途中に帰国

末吉……限られた出場機会で鋭い動きなど才能の片鱗を見せた

岩垣……期限付き移籍先の岩手ではチーム最多得点と奮闘

田頭……野口二世は大学進学で改めて実力を磨く

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