2021年
2021年
基本情報
社長 飯沼香南子→姫野サンティアゴ
強化 佐藤幸仁SD
監督 港滋光
主将 野口拓斗
スローガン 華
加入
首脳陣
GK
26 次原益豊 31歳 札幌
DF
30 桜田熱獅 23歳 福岡
39 ヘジス・コスタ 24歳 馬山
MF
18 桂城矢太郎 32歳 大分 途中復帰
20 庄野吏応 22歳 国際情報大
37 佐和田愛琉 21歳 光文大 特別指定選手として途中加入
38 ラウル・ケサダ 28歳 ベラクルス 途中加入
FW
24 池角斌生 22歳 北九州 復帰
32 岩垣汰熊 19歳 両備金属 途中加入
退団
首脳陣
GK
種部栄大 29歳 モントルー
山田多摩男 28歳 宮崎
DF
吉田万丈 28歳 甲府
ボイェ 24歳 広島
MF
山田哲三 38歳 引退
ルイッチ 31歳 湘南
FW
背番号変更
37→1 ウェインオースティン
35→3 菊池伴路
24→5 ニコラ・バルニエ
38→6 川土越
11→9 野口拓斗
26→12 山崎臨
27→13 山崎灯
9→27 荒川秀吉
2020年は終始コロナウイルスに翻弄される一年であった。リーグ戦もどうにか開催されたものの日程は極めてタイトで、この状況では実力を発揮するなんて夢のまた夢であった。リーグ側もそれは承知していたので降格なしとなったが、その反動で今年は4チーム降格というかつてない争いが展開される。
そして尾道だが、昨年は本来だと降格する17位に終わった。それは先述の理由から元々金銭的体力が強くない、つまり選手層が薄い分日程によるダメージをリカバリーできなかったというのが第一にある。
新任の港監督からしてもいきなり難しい舵取りを迫られただろうが、クラブ全体の意思として去年は一つ一つの勝ち負けや順位は優先順位が高くなかったように見受けられた。つまり、港監督のサッカーをチームに浸透させるために1年間を使ったとも言えるだろう。普通なら許されざる賭けの成否は今年の成績にかかっている。
そんなシーズンに臨むにあたって、補強という点ではともにDFの桜田とヘジス・コスタを獲得した程度で、種部やボイェといった有力選手が退団したダメージを埋めるには程遠い。もっとも資金力に限界のあるクラブだけに、現有戦力をどれだけ高めていけるかという点は今年に限らず、今までもこれからも最重要課題として立ちはだかり続けるのは間違いない。
連続在籍20年の重鎮山田哲三が引退し、荒川も今年限りでの引退が噂されるなどこれまでチームを支えた実力者が次第に第一線を退きつつある。去年ブレイクした山崎兄弟や菊池、そしてウェイン川土垰の高卒ルーキートリオら若手の背番号が小さくなったのはベテランに代わって尾道を背負う存在になってほしいという切実な願いの結晶である。
これまでの練習では内容結果ともに抜群で、これを本番でも続けられるならまったく問題ないのだが……。とは言え育てながら勝つという二兎を追うのは口で言うよりも難しい。新スタジアム元年、いきなり正念場だ。
春
新スタジアムの加護か、開幕から快調なペースで勝利を重ねていった。非常事態宣言のためセラーノの来日が遅れ、新外国人のヘジス・コスタに至ってはそろそろ5月になろうかというところでようやく入団会見というアクシデントはあったものの、キャプテンの野口を中心に非常に安定感の高いサッカーをピッチ上に描き出していた。5月終了時点で10位は大健闘と言えるだろう。
そんな時期の基本的なスタメンは以下の通り。前線は他にも山崎弟や尹といった汗かき役の奮闘が印象的だった。特に尹は自身のゴールこそないもののポストプレーやプレッシングによる貢献は非常に大きい。調整に手間取ったとは言えセラーノの存在感は相変わらず抜群だし、サイドハーフではスピード自慢の新人庄野がスーパーサブとして存在感を発揮中。
一方で前述の通りヘジスの合流が遅れ、小石川も怪我で出られなかったディフェンス陣はやや苦しかった。これ以上怪我人が出ればフォーメーション変更も考えていたと指揮官が語るほどの瀬戸際だったが、加入1年目の桜田、2年目のバルニエ、本職は中盤の河口という即席メンバーでよく耐え抜いた。
GK 25 潘海斗
DF 30 桜田熱獅
DF 19 河口安世
DF 5 バルニエ
MF 16 宮島傑
MF 10 森川好誠
MF 4 八幡銀仁郎
MF 2 今村友来
FW 12 山崎臨
FW 7 奈古一平
FW 9 野口拓斗
夏
オリンピックによる長期間の中断を挟んだので、この季節にしては試合数が控え目だった。しかもそんな節目のタイミングだけあって例年以上に途中移籍が活発だったのも今年の特徴だった。尾道からは中盤の支配者だった森川と最前線で圧倒的な存在感を見せていたセラーノが相次いで退団し、ヨーロッパへと渡っていった。さらに山崎弟が突然の期限付き移籍、コロナ感染者も出るなど波乱は多かった。
そんな時期の基本的なスタメンは以下の通り。去年のうちにベースは完成しているので大きな変化はないが、春は人数不足だったディフェンス陣はヘジスが馴染み小石川が怪我から復帰した事でようやく余裕を持った運用が可能になった。前線も四十代の大ベテラン荒川から十代の新鋭垰まで多彩な個性を発揮しつつある。順位こそ春とあまり変わらない12位だが内容は確実に向上している。
新加入選手の中で即戦力となったのは17年以来の復帰となった桂城であった。09年から定期的に赤と緑のユニフォームを纏っているためすんなりとチームに馴染み、攻撃の中心となっている。右サイド要員として補強のケサダも現在は控えメインながら力強い突破が良いアクセントとなっている。
GK 25 潘海斗
DF 35 ヘジス・コスタ
DF 19 河口安世
DF 5 バルニエ
MF 31 西東良福
MF 18 桂城矢太郎
MF 4 八幡銀仁郎
MF 2 今村友来
FW 12 山崎臨
FW 7 奈古一平
FW 9 野口拓斗
秋
今年の尾道は秋からが本番だった。森川とセラーノという中心選手が抜けたにも関わらず若手中心のメンバーが躍動。リーグカップ初制覇に加えてリーグ戦でも最高で7位を記録するなど大きく躍進するまさしく実りの秋となった。
低迷して本来なら降格圏内に沈んだ去年との違いはやはり選手層となるだろう。特に守護神に定着したウェインと短期間で猛烈な勢いでゴールを量産した垰の二人はまだ10代にしてチームに欠かせない存在となった。一方で最長老荒川は41歳の誕生日となる11月7日の試合終了後に今シーズン限りでの引退を宣言。否応なしに動き続ける時代の中で今年もまた変革の瞬間を迎えようとしている。
選手の躍動やそれを見極めて抜擢した監督ら首脳陣の適切な判断は当然称賛されてしかるべきである。しかしなかなか固定されなかった右サイドにケサダを獲得、森川が抜けたボランチには勝手知ったる桂城を復帰させるなど積極的かつ効果的な動きを見せたフロントの活躍も大きい。まさにクラブ全体で勝ち取った躍進である。
そんな時期の基本的なスタメンは以下の通り。しかしバルニエが離脱しても序盤戦で奮闘した桜田が即座に穴を埋める、ボランチには川土が奮闘しサイドも庄野や菊池ら若手が虎視眈々とポジションを窺う。若手からベテランまでが練習では鍔迫り合いを繰り返しつつ本番では一つの目標に向かって突き進む、まさに戦う集団となってきた。
GK 1 ウェイン
DF 35 ヘジス・コスタ
DF 19 河口安世
DF 5 バルニエ
MF 38 ケサダ
MF 18 桂城矢太郎
MF 4 八幡銀仁郎
MF 2 今村友来
FW 12 山崎臨
FW 11 垰月透
FW 9 野口拓斗
冬
あれだけ輝いたサッカーを披露したメンバーとて、すぐに別れは訪れる。今のジェミルダート尾道というクラブに選手全員を守り通す力はない。それは資金的な問題もあるし、クラブとしてのブランドの未成熟さもあるだろう。もっとも国内最強チームですら海外からの魔手にはなす術がないのだから、これはサッカーというグローバルスポーツに身を置いた宿命と言うしかないのだろう。
それで退団したのは大型守護神潘、攻撃センスも高いセンターバックバルニエ、運動量豊富な守備的ボランチ八幡、鋭い突破と珍妙なキャラで愛された奈古といった面々。いずれも尾道の主力格であり、そのマイナスは計り知れない。また昨シーズンの山田に続いて今年は荒川が引退。二部時代の尾道を知る現役選手も随分減ったものだ。
しかしウェイン、垰らの残留に成功したのは大きい。彼ら若手の台頭によって後半戦の躍進はなされたのだから、同世代の川土や山崎兄弟、菊池、桜田ら若い選手によってこれからの尾道の歴史は彩られていくのだろう。
人は行き道は続く。山田とて荒川とて、現在は監督を務めている港とて、かつては期待の若手と呼ばれた日々があった。そこから実力を蓄えポジションを掴み、時に批判もされたがそれを乗り越えて経験を積み重ね、いつしかベテランと呼ばれるようになり、そして魂を置き土産に現役を引退した。
今の若手もいずれユニフォームを脱ぐ日が訪れる。その時は赤と緑のユニフォームでその時を迎えた諸先輩方のように広く愛される存在であってほしいと切に願う。本編はそろそろ終わるがここはこれからも更新していく予定。
一言寸評
港監督……後半戦からやりたいサッカーをやれるようになり大いに躍進
GK
ウェイン……勇敢なプレーで後半戦一気に台頭
木野下……一時期出番を得たがその後はリザーブ争いに逆戻り
潘……極端にパフォーマンスを落としたわけではないが勢いに屈する
次原……選手としては出番なしもまとめ役として活躍
DF
バルニエ……守備はもちろん攻撃参加でも大きな力に
赤藤……桜田ヘジスら新加入選手の前に影が薄かった
加藤……能力を高めるため期限付き移籍
小石川……怪我の影響か全体的に動きが鈍かった
桜田……粗さも出たがガッツあふれるプレーは好印象
ヘジス……高い身体能力を武器に早速レギュラー奪取
MF
今村……水準の高い技術力で左サイドの地位は安泰
菊池……出番は減ったが体つきはプロに近付いた
八幡……驚異的な運動量で中盤の底を支えたチームの背骨
川土……それなりに出番は貰ったがスタメン出場を増やしたい
奈古……新スタジアム初ゴールを決めるなど要所で存在感発揮
森川……活躍が眩すぎたのでシーズン途中にヨーロッパへ
山崎臨……安定感あるプレーですっかりチームの主軸
宮島……よく頑張ったが攻守にもう一歩鋭さが出れば
桂城……途中復帰もすぐチームに馴染んだのはさすが
河口……センターバックとして随分定着してきた
庄野……コロナによる離脱もあったがスーパーサブとしてアピール
長屋……実戦感覚を養うために期限付き移籍
西東……便利屋なベンチウォーマーに戻りつつあり要奮起
佐和田……特別指定選手として早速リーグ戦にも出場した
ケサダ……強引な突破力を武器に後半戦の欠かせない戦力となった
FW
セラーノ……イタリアのクラブからオファーをもらうほど立ち直った
野口……主将として心身ともに成長しフル代表にも選出された
垰……後半戦の驚異的なゴール量産でいきなりチーム得点王に
山崎灯……期限付き移籍した京都で昇格に貢献し復帰する来年こそ勝負
尹……選手たちの兄貴分として精神面でも貴重な存在となったが得点少ない
山本……能力を高めるため期限付き移籍
池角……光るものは見せたがもっとアピールできたはず
荒川……最終戦で有終の美を飾り惜しまれつつ引退
岩垣……プロとしての本格的なトレーニングを積んで着実に成長中




