2020年
2020年
基本情報
社長 飯沼香南子
強化 佐藤幸仁SD
監督 港滋光
主将 野口拓斗
スローガン more aggressive
加入
首脳陣
アシスタントコーチ 古谷龍樹 52歳 尾道ユースから復帰
GKコーチ 蔵侍郎 36歳 尾道ユースから昇格
分析担当コーチ 慶徳正飛 26歳 金犀大大学院
GK
37 ウェインオースティン 17歳 京南学園高 二種登録
DF
5 吉田万丈 27歳 山形
24 ニコラ・バルニエ 29歳 ヘイスト 途中加入
MF
2 今村友来 28歳 清水
12 ブラッド・ルイッチ 30歳 磐田
26 山崎臨 22歳 大洋大
35 菊池伴路 20歳 中立大 特別指定選手として途中加入
39 川土越 17歳 尾道ユース 二種登録
FW
15 尹世鎬 31歳 鳥栖 途中加入
18 エミリオ・ヒル 21歳 バラカス
39 垰月透 17歳 尾道ユース 二種登録
退団
首脳陣
ヒース 60歳 引退
セントジョン 65歳 引退
森永和志 52歳 大分
GK
DF
茅野優真 26歳 横浜M
汐野勝永 25歳 期限付き移籍中の大宮へ完全移籍
平田祥矢 27歳 期限付き移籍中の大分へ完全移籍
円山青朗 30歳 横浜C
MF
蒔田宏基 34歳 水戸
中原城吾 40歳
FW
デニス 31歳 浦和
リンドマン 21歳 相模原
役職変更
港 コーチ→監督
背番号変更
39→8 パブロ・セラーノ
24→10 森川好誠
37→22 赤藤香志雄
38→28 加藤万多
15→31 西東良福
なんだかんだで一部リーグ暮らしもこれで6年目。決して潤沢な予算を持たないクラブが一丸となってよく頑張ってきた。今年の末には待望の新スタジアムが完成する予定で、そろそろそれにふさわしい称号もほしいところ。まずは残留が一番なのは言うまでもないが、人間の欲は尽きない。
守備重視で確実に勝ち点を稼ぐのがモットーだったヒース時代と異なり、新監督に就任した港滋光は2016年の佐藤監督時代を彷彿とさせるようなアグレッシブな攻撃サッカーを目指している。しかしそれを達成する手段として大規模な補強ではなく現有戦力の強化と最適化を選択したのは尾道のDNAを受け継ぐ存在としてふさわしい。
今シーズンの補強自体は比較的地味だったが、今村や吉田などインテリジェンスに秀でた選手を数多く加入させたのが特徴。今年唯一の大卒ルーキーで山崎灯の兄である山崎臨も同様のタイプである。新外国人のエミリオ・ヒルはアルゼンチンのオリンピック代表としても活躍が期待されている。
逆に退団した主力選手としては茅野が横浜Mへ、デニスが浦和へ移籍した。茅野が移籍しなければ右のウイングバックは安泰であっただろうし、繊細な足技のあるデニスの移籍もスリートップ構築には痛手となる。また大ベテランの中原も退団して、現在のところ所属が決まっていない。
能島兼安から強化の最高責任者を引き継いだのはあの年のまさしく当事者であった佐藤幸仁その人である。全て見抜いた上でのピンポイント補強なのか、はたまた能力が足りなかったゆえの妥協なのか。新監督ともども早速お手並み拝見といったところだ。
春
港監督の初陣となるG大阪戦は前半こそ新戦術の浸透度の低さが災いしてあっという間に3失点を喫してしまったものの、選手交代が功を奏して後半には追いついた。課題と光明がともに明確な形で示された試合となり、この後半のような試合が増えれば今までにない魅力的な尾道サッカーが誕生すると期待されたのもつかの間、第二章は今に至るまで書き綴られていない。
すでに開幕時には懸念されていた新型コロナウイルスは発生した中国を飛び越えて全世界へと広まり、その驚異は未だに続いている。不要不急の外出や密閉密集密接の三密を避けるように指導される中、プロスポーツがそのしわ寄せを食らうのは必然であった。かくしてリーグ戦は中止。その期間も延期に延期を重ね最低でも5月中、つまり春に再開する可能性はなくなった。
そのような事情から、この時期のベストメンバー選出に当たっては開幕戦しか参考材料がない。しかし前半のイレブンはベストとは到底呼べず、そこで後半開始とともに八幡から森川、山崎弟から荒川に選手交代した11人を選出した。本当は試合を繰り返す中でよりベストなメンバーが固まっていただろうが、この情勢では仕方あるまい。
GK 1 種部栄大
DF 29 小石川龍馬
DF 5 吉田万丈
DF 20 讃良玲
MF 34 ボイェ
MF 10 森川好誠
MF 12 ルイッチ
MF 2 今村友来
FW 9 荒川秀吉
FW 11 野口拓斗
FW 8 パブロ・セラーノ
夏
実際のところコロナが収まったとは到底言い難い状況なのだが、それでもいつまでも立ち止まってはいられないので7月にはリーグ戦が再開した。しかし異常に異常が重なった今年の戦いがまともに行われるはずもなく、かなりの強行日程をこなす結果となった。
厳しい日程と天候の中でボイェ、奈古、吉田、セラーノなど怪我人が相次いだ。使える選手は使っていくしかない中で、港監督は赤藤、長屋、山崎兄、加藤といった若手を次々とデビューさせた。また本来中盤の河口をセンターバックに据えるなどの新たな起用法を見せてチームの革新を図った。
今年に限っては下位でも降格がないので殊更順位を語るのは適切ではないかも知れないが、現状では14位となっている。一時期は目指すべき攻撃サッカーがはまってきたのだが、攻守の要である讃良とエミリオ・ヒルの途中移籍でまたゼロからのスタートとなりそうだ。
そんな時期の代表的スタメンは以下の通り。とは言え強行日程ゆえのターンオーバーや怪我人、退団といった事情ゆえこの通りのメンバーで戦えた試合はほとんどない。特に不安定だったのがボイェも奈古も離脱した右サイドで、宮島や長屋らも試されたが一番無難だったのは西東だったか。
GK 1 種部栄大
DF 29 小石川龍馬
DF 19 河口安世
DF 20 讃良玲
MF 31 西東良福
MF 10 森川好誠
MF 4 八幡銀仁郎
MF 2 今村友来
FW 11 野口拓斗
FW 18 エミリオ・ヒル
FW 8 パブロ・セラーノ
秋
どうにか年内にはシーズンを終わらせるべくゴリゴリに詰め込んだ日程のお陰で、12月にも決して少なくない数の試合が開催されたので厳密には秋冬とでも言うべきなのだろうが、とにかく秋の戦いとなる。
小石川や荒川など相変わらず怪我人は多かったが、逆に木野下が1年にわたるリハビリ生活を経て終盤にはベンチ入りを果たすまでに回復したのを筆頭に、離脱者の復帰も相次いだ。ただもう一歩迫力に欠けるところがあり、また下位チームとの直接対決を取りこぼすなど勝負弱さも出て順位は17位と、本来なら降格の厳しい結果に終わった。
そんな時期の代表的スタメンは以下の通り。守護神は11月頃より潘が優勢となった。ディフェンスラインには途中加入のバルニエが入り、当初は動きが鈍かったが12月に入るとチームにも馴染んで来年は期待できそう。攻撃的なイメージが強かったボイェのセンターバックも意外とはまっていた。
また特別指定選手として加入した菊池が安定したプレーを武器に右サイドに定着。前線でも臨と灯の山崎兄弟が運動量と巧みさを兼ね備えた質の高い動きでレギュラーを勝ち取った。順位こそ低迷したものの、こういった若手の躍動は4チームが降格となる来年に向けて頼もしい。
また一撃のパワーを秘めたセラーノは途中交代から後半を主戦場によく暴れてチーム最多得点者となった。突破力のある奈古も後半メインで力を発揮した。
GK 25 潘海斗
DF 34 ボイェ
DF 19 河口安世
DF 24 バルニエ
MF 35 菊池伴路
MF 10 森川好誠
MF 4 八幡銀仁郎
MF 2 今村友来
FW 26 山崎臨
FW 27 山崎灯
FW 11 野口拓斗
冬
本来なら降格のところを救われた命。しかしやはり経営的には苦しいものがあった。ただでさえスタジアム建設のために資金を投下しまくったのにコロナの追い打ちで、数億単位の赤字が出たとも言われている。それを12月12日に竣工した新スタジアムが本格稼働する来年から回収、といこうにも観客数の制限は今後も続くだろう。なかなかタイミングとは難しいものだ。
ともあれそのような事情もあって今年は厳冬オフとなった。そもそもシーズン途中に就任した姫野社長は経営に強いタイプ。こうなる事は織り込み済みだったと言えよう。だからと言って守護神種部、ボランチの一角を占めたルイッチ、センターバックの吉田といった優秀な選手が次々と退団したのは容易に看過できる問題ではないのだが。
元々は野口も放出候補だったが減俸を飲んだためどうにか残留したとも聞く。一方めぼしい加入組は福岡の昇格に貢献した桜田ぐらい。しかしそれもボイェとの実質トレードで痛みを伴うものであった。いくら山崎兄弟や菊池といった若手の台頭があったとは言え戦力は不足しているようにしか見えず、来年はどうなってしまうのだろうか。
一言寸評
港監督……怪我人続出もあり厳しい成績も土台はできた
GK
種部……総合力はトップだったが退団決定した最終盤はベンチ外
山田多……今年も出番なくついに退団
木野下……シーズン途中に復帰しベンチ入りを果たすまでに回復
潘……威圧感は抜群だったがパフォーマンスにムラがあるのが課題
ウェイン……素質は確かなだけにこれからの過ごし方が大事
DF
シドニー……コロナの中断期間に移籍しそのまま退団
吉田……悪くはなかったが存在感も薄かった
森川……チームの若き司令塔として不可欠な存在に成長
讃良……ついに海外移籍はめでたいが痛い戦力減でもあった
赤藤……ややパワー不足も真面目に頑張ってくれた
バルニエ……当初はイマイチも次第に慣れてきて来年は本領発揮の予感大
加藤……リーグ戦デビューを飾るもまだまだ発展途上
小石川……レギュラー確保した矢先に怪我で無念の離脱
西東……ベンチにいると心強い便利屋に逆戻りしてしまった
ボイェ……守備意識が高まり終盤はセンターバックを無難にこなすまでに
MF
今村……久々復帰も高い技術力と安定感は健在で左サイドを固めた
八幡……ルイッチの影響か攻撃でも存在感を見せるようになった
山田哲……20年の戦いを終えてついに引退
奈古……今年も怪我に泣いたがスーパーサブとして一定の活躍
ルイッチ……力強いプレーで存在感も経営の問題から退団
宮島……一時期ポジションを掴みかけたがやや精度に欠けた
河口……前線で期待のはずがセンターバックでレギュラー定着の不思議
長屋……独特のセンスでインパクト残すも安定性が課題
山崎臨……新人ながら気の利いたプレーで欠かせない存在に
添島……港サッカーには適応せずシーズン途中移籍
菊池……まだ大学生らしく華奢だが玄人じみたプレーで定位置確保
川土……山田二世と評判だがどれだけ成長できるか
FW
セラーノ……抜群の存在感を見せてチーム得点王
荒川……不惑となりフィジカルの衰えは隠せないが老獪なプレーはさすが
野口……すっかりチームの重鎮となってきた
尹……控えとしてはそれなりに安心して計算できる存在だった
山本……育成型期限付き移籍で修行中
ヒル……抜群の個人技は見せたが在籍期間が短すぎでチームプレーは皆無
山崎灯……兄の臨とともにスタメン定着し最前線でよく走った
垰……ウェイン川土とともに本番は高校を卒業する来年から




