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前史その2 1996-1998

 同じく尾道を本拠地に置き、同じく1993年に誕生した尾道レッドウォーリアーズ。グリーンブレーブスの良きライバルとして競い合っていたのだが、当時の監督が尾道を離れる事となったため1995年限りで解散となった。それを惜しんだ辻岡野らは積極的に選手を勧誘し、その結果約半数となる8人が加わった。


 ポジション順にGKの豊田(とよた)(あきら)、DFの円福寺(えんぷくじ)義丈(よしたけ)長谷川(はせがわ)清志(きよし)森西(もりにし)敏伸(としのぶ)、MFの山本(やまもと)勝人(かつと)山本(やまもと)哲司(てつじ)河本(かわもと)(じゅん)、FWの新谷(しんたに)治道(はるみち)


 ここまでの大量加入は今までの歴史にないものであった。また実際はともかく意識の上ではあくまでも対等合併という事で、チーム名が双子を意味するジェミニFCとなった。そのメンバーは以下の通り。背番号などもかなり手直しされた。


GK

1 松本圭輔 28歳 GB創設メンバー

22 豊田晃 23歳 RW


DF

2 大岡亨 34歳 GB創設メンバー

3 新本敦 27歳 GB創設メンバー

4 神原和久 43歳 GB創設メンバー

5 円福寺義丈 38歳 RW

16 小口久志 20歳 GB

19 長谷川清志 25歳 RW

21 森西敏伸 19歳 RW


MF

7 岡野佑一郎 31歳 GB創設メンバー

8 辻直広 31歳 GB創設メンバー

9 堀秀平 31歳 GB

10 沢田礼司 31歳 GB

17 山本勝人 26歳 RW

18 山本哲司 24歳 RW

20 川本順 21歳 RW


FW

6 佐々木光一 23歳 GB

11 村上武男 37歳 GB創設メンバー

12 林淳一 26歳 GB創設メンバー

13 森島大輔 23歳 GB

15 神原辰馬 17歳 GB創設メンバー

23 新谷治道 28歳 RW


 この大型補強とその後のたゆまぬ努力によって備後地域の中でも最強クラスのチームとなり、尾道に昇り龍のサッカーチームありとその名声は県内各地においても高まりつつあった。とは言えまだまだアマチュア選手の集合体。備後では強くてもそもそも広島県におけるサッカーの本場は広島市であり、そういった歴史ある強豪相手にはまだまだ苦戦していた。


 ただ全体的な流れを見るにこの辺りの時期に辻はプロ化計画をひっそりと心のうちに温めていたのは間違いないと思われる。元レッドウォーリアーズの面々も意外とすんなり馴染んだ。それ以外のチームからの移籍選手も同様だった。あれ、もしかしてこのチームには大いなる求心力があるのではないか。何が直接的なきっかけがあったと言うよりも、そういったポテンシャルに段々と気付いていったのだろう。




1996


 レッドウォーリアーズからの加入選手は守護神豊田晃、ディフェンスリーダーでキャプテンも務めた移籍組のボス円福寺義丈、両サイドバックの長谷川清志と森西敏伸、中盤を支える山本勝人と哲司の兄弟、パスセンスのある河本順、ストライカーの新谷治道であった。円福寺は選手兼任でコーチにも就任。一方で藤井が大学卒業を機に、またチームの実力アップに伴い野川と関も退団した。


 そんな年の基本的なスタメンは以下の通り。レッドウォーリアーズ出身の新加入選手が5人レギュラー入りしたが既存の選手もよく成長して、特に右サイドバックは良質なポジション争いが展開された。一気に優秀な選手が増えた事でチーム内での争いが活発になり、それがチーム力を伸ばす原動力ともなった。


 またこの合併に伴って辻と岡野、そしてチームで一番サッカーの知識豊富だった林は試合出場がかなり減っていく一方、指導者としての役割が強くなっていった。選手が増えると統率のための人材も必要となる中で、それを担えるのはこの3人以外になかった。


GK 22 豊田晃

DF  4 小口久志

DF  5 円福寺義丈

DF  3 新本敦

DF 21 森西敏伸

MF  9 堀秀平

MF 17 山本勝人

MF 18 山本哲司

MF 10 沢田礼司

FW  6 佐々木光一

FW 13 森島大輔


1997


 大岡と神原父が体力の限界に伴う現役引退といった形でチームを退き、事実上の初代マスコットと呼べる神原子も大学進学のため退団。4年も経てば人生も色々と分岐していくものだ。でも神原親子は今でも熱心なファンとして知られている。またレッドウォーリアーズ出身の河本も怪我が相次ぎ治療に専念するため引退となった。


 一方で新加入選手としては大卒の金山(かなやま)(まこと)井上(いのうえ)竜一(りゅういち)、高卒の山根(やまね)和博(かずひろ)上島(うえしま)英光(ひでみつ)が加入した。いずれもサッカー経験豊富な実力者だが、そういった選手でも全員が即レギュラーを獲得出来ないほどに選手層が厚くなってきた。


 この時期の基本的なスタメンは以下の通り。抜群のフィジカルを武器に老朽化したディフェンス陣に割って入った金山は見事。井上は森島らと激しく争っていた。そしてこの年に広島県東部地域リーグ一部優勝して県リーグ二部に昇格を決めた。


GK 22 豊田晃

DF  4 小口久志

DF 16 金山誠

DF  3 新本敦

DF  2 森西敏伸

MF 10 堀秀平

MF 17 山本勝人

MF 18 山本哲司

MF 10 沢田礼司

FW  6 佐々木光一

FW 15 井上竜一


1998


 前年の神原に続いてグリーンブレーブス時代からの長老的存在だったベテラン村上が現役引退。また40歳になった円福寺はコーチに専念するようになり、元レッドウォーリアーズ組の長谷川と新谷はくすぶっていた魂がこの2年で浄化されたかのように相次いでチームを退いた。また上島も退団。


 そして寺田がチームに戻ってきた。ちょうどバブル崩壊で苦しくなった実家の釣具屋の経営に専念するため退団していたのだが、折からのバス釣りブームという追い風もありようやく軌道に乗ったためここで復帰となった。


また福山の強豪チームに所属していた万能ストライカー、備後のゴンこと中山(なかやま)輝明(てるあき)が「チームの雰囲気が良さそうだったので」といきなり移籍してきたのには辻らもびっくりしていたが、思わぬ大型補強となった。明るくユニークな感性の持ち主だった。


 他に大卒の谷山(たにやま)慎一(しんいち)平田(ひらた)(じゅん)、高卒の中郷(なかごう)六郎(ろくろう)が加入。なお平田純と初年度に所属していた平田健との間に血縁関係は一切ない。というわけで全体的には若返りが進んだ。


 そんな年の基本的なスタメンは以下の通り。まず中山は期待通りにゴール量産。その相方は当初は井上だったが怪我で動けなくなると大柄な中郷が抜擢。技術力はないが愚直なポストプレーで中山を引き立てていた。中盤に下がった森島もセンスの良いパス出しでスピードだけじゃない部分を見せた。


 辻岡野沢田堀の同級生カルテットはもはや緊急事態用の控えまでチーム内の順列を下げても平気なほど選手層は厚くなってきた。最前線からコンバートされた森島や山本兄弟の素早いパスはこのレベルでは突出した実力であった。また復帰したばかりなのに相変わらずスタミナ抜群の寺田も大きな戦力となった。退団中もトレーニングは欠かさなかったとの言葉に偽りなし。


GK 22 豊田晃

DF  4 小口久志

DF  5 金山誠

DF  3 新本敦

DF  2 森西敏伸

MF 16 寺田吉政

MF 17 山本勝人

MF 18 山本哲司

MF 13 森島大輔

FW 21 中郷六郎

FW 23 中山輝明

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