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2012年

2012年


基本情報

社長 辻直広

強化 林淳一GM

監督 水沢威志

主将 港滋光

スローガン 漸新


加入


首脳陣

GKコーチ 野沢(のざわ)(ひろし) 33歳 大宮


GK

23 松井(まつい)正武(まさたけ) 24歳 清水


DF

3 山吉(やまよし)貴則(たかのり) 22歳 F東京

4 モンテーロ(Montero) 21歳 ロタ

15 小原(こはら)伸平(しんぺい) 24歳 神戸

21 橋本(はしもと)俊二(しゅんじ) 25歳 仙台

30 マルコス(Marcos)イデ(Ide) 26歳 サンドナ 途中加入


MF

17 亀井(かめい)智広(ともひろ) 18歳 三原緑ヶ丘高

19 茅野(かやの)優真(ゆうま) 18歳 鹿児島第一学園高

29 (しま)照平(しょうへい) 20歳 広島 途中加入


FW

16 有川(ありかわ)貴義(きよし) 21歳 横浜M

18 野口(のぐち)拓斗(たくと) 18歳 尾道ユース

27 荒川(あらかわ)秀吉(ひでよし) 31歳 アデレード




退団


首脳陣

ラモン 退団


GK

野沢裕 引退

田中佑太 富山


DF

佐藤敏英 山形

アンドレ・シウバ 徳島

平将吾 磐田

小林翔 沖縄


MF

村島平 沖縄

山根高明 広島

大庭啓 松本

大原明 東京V


FW

木暮丘明 引退

大谷蓮 長崎

小泉新吾 横浜M


背番号変更

23→7 今村友来

32→11 ヴィトル


 センターバックのアンドレ・シウバは徳島に移籍したがまたも大型ブラジル人センターバックのモンテーロ獲得に成功。昨シーズン弱さが指摘されたサイドバックには山吉と小原を期限付き移籍で獲得するなど、ディフェンス陣の強化に力を注いだ。


 最前線にはセンスがありながら横浜ではブレイクしきれなかった有川に加えて、開幕直前に五大陸のリーグでプレーした風来のストライカー荒川を獲得。背番号に関してはこの年から中盤にチャレンジする今村と怪我があったものの残留のヴィトルに若い番号が与えられた。


 一方で野沢や木暮といったベテランに加えて、大谷や大庭といった個性のある選手もチームを離れた。特に大谷はもう一歩で覚醒かと言うところで怪我をするなどちょっとした運のなさゆえに尾道では大輪の花を咲かせられなかった。しかし無事移籍先も決まったのでサポーターからも安堵の声が漏れた。



 序盤の出来は過去最高クラスだった2009年を更新する勢いだった。開幕戦で強敵の千葉に辛勝すると、それからは引き分けを挟んで3連勝といつになくスムーズな滑り出し。その後も順調に数字を伸ばして昇格圏内を争った。


 スタートダッシュの要因は新戦力の山吉や有川の躍動が大きかった。特にFWの有川は持ち前のフィジカルに加えて闘争心も出てきた事から、相手のマークを力強く振り切ってゴールを量産。山吉のクロスも正確だった。また、ユース出身の御野が高橋の穴を埋めるプレーを披露した。モンテーロも期待通りのパワーを見せた。


 この時期の基本的なスタメンは以下の通り。GKは開幕当初はベテランの玄馬だったが、若手の宇佐野も起用されるようになってきた。スーパーサブとして運動量豊富な王秀民と得点感覚の鋭い荒川がよく起用された。


GK  1 玄馬和幸

DF  3 山吉貴則

DF  4 モンテーロ

DF  5 港滋光

DF 15 小原伸平

MF  6 山田哲三

MF  7 今村友来

MF 10 金田正和

MF 24 御野輝

FW 16 有川貴義

FW 11 ヴィトル



 梅雨時の失速はおなじみとなっているが、この2012年においても怪我人が続出するなど受難の時期となった。左サイドバックに定着して冷静なプレーを見せていた小原とゲームメーカーの金田がこの時期に離脱。突出したスペックを持っていないものの確実に計算出来る選手がいなくなった事でチームはバランスを失った。


 この時期の基本的なスタメンは以下の通り。しかし特に中盤に関しては毎試合のようにメンバーを変えてきたので実際はこの通りの試合は少なかった。今村をより前目の位置に置いたのも金田不在によるまさに苦肉の策だが、彼なりによく働いてくれた。


 GKは宇佐野と玄馬がコンディションなどによって併用された。反応のいい宇佐野と経験豊富な玄馬、個性が違う選手なのでうまく持ち味を引き出そうとしたが、やや迷走という部分はあったかも知れない。しかし夏も深まると左サイドバックのマルコス・イデや若い嶋といった新選手を獲得。巻き返しを図った。


GK 20 宇佐野竜

DF  3 山吉貴則

DF  4 モンテーロ

DF  5 港滋光

DF 26 深田光平

MF  6 山田哲三

MF 12 開田伊多智

MF  7 今村友来

MF 24 御野輝

FW 11 ヴィトル

FW 16 有川貴義



 結果を先に言うと年間順位は7位。この年から導入されたプレーオフ進出には1つ届かなかった。新戦力のマルコスはよく働いたし、それ以外の選手も出来る限りのプレーをしたのだが、まさに一歩及ばずという悔しい結果に終わった。それでも過去最高順位を更新した、確かな前進を感じられるシーズンであった。


 この時期は有川、ヴィトルに加えて御野や荒川を加えての3トップが多用された。攻撃力を上げるこの方策は荒川の巧みなプレーによる貢献もあり、得点力は確実にアップした。中盤にも金田が復帰した事で正しいサイクルが戻った。


 ディフェンダーでは新加入のマルコスが持ち味であるゴリゴリしたドリブル突破を武器に、早々とレギュラーを奪った。またマルコスは守備意識も高く、リーダーシップ抜群の港とフィジカルの鬼モンテーロのセンターバックコンビをよく助けた。控えの橋本も意外な活躍を見せるなど守備陣は非常に強固で、一気にプレーオフ圏内に飛び込めそうな勢いもあったのだが……。


 この時期の基本的なスタメンは以下の通り。控えで言うとセンターバックの橋本、両サイドを器用にこなす深田らが奮闘した。また、高卒1年目の茅野ら若手選手がフレッシュな躍動を見せて将来を期待させるシーズンでもあった。


GK 20 宇佐野竜

DF  3 山吉貴則

DF  4 モンテーロ

DF  5 港滋光

DF 30 マルコス・イデ

MF  6 山田哲三

MF  7 今村友来

MF 10 金田正和

MF 24 御野輝

FW 11 ヴィトル

FW 16 有川貴義



 最終節を前にして高橋が現役引退を宣言。怪我さえなければJ1クラスの実力者だったが尾道愛を貫いた。さらに長山にも契約満了が提示されて和歌山へ移籍。これでJFL時代の尾道を知る現役選手は山田ただ一人となった。また、期限付き移籍の山吉と有川もやはり今季限りとなった。


 水沢監督はもちろん残留。ついに5年目を迎えるに至った。会見で「狙うのは昇格だけ」と断言したのは積み重ねてきた日々への誇りもあるだろう。また、新たにフィジカルコーチとして経験豊富な神田幸雄を招聘した。勝負所でのスタミナ不足や怪我人の減少などが期待される。




一言寸評


水沢監督……またも最高順位更新で育成力の高さを実証


GK

玄馬……若い宇佐野と競争もプレーの安定感はさすが

宇佐野……鋭い反応を武器にシーズン途中から台頭

松井……リーグ戦出場なしも少しずつ良くなっている


DF

長山……少ない出番でミスするなどアピールしきれず

山吉……右サイドに定着してチームを盛り立てた

モンテーロ……高さとパワーは攻守両面で貢献

港……判断力はさすがもフィジカルに若干の不安が

開田……主にボランチの控えとして出番を増やした

小原……冷静な判断力は評価高く左サイド定着も怪我で離脱

橋本……スピードとクレバーな頭脳を持ち合わせており掘り出し物だった

鈴木……橋本の台頭で出番を失った

深田……昨年より出番は減ったが両サイドをこなす器用さは健在

マルコス・イデ……体幹の強さは見事で途中入団から左サイドに定着


MF

山田……相変わらずタフな仕事人

今村……中盤で複数のポジションを器用にこなした

高橋……パス主体のプレーで新境地を見せるも怪我で引退

金田……高い技術に溺れている節があるのは危険

中村……堅実なプレーを見せていたが本人の希望で退団

亀井……わずか1試合の出場もセンスの良さは明白

茅野……身体能力は抜群だがいかに磨き上げるか

久保……華麗なテクニックを披露しきれず今季限り

御野……来季は師匠である高橋を超えるプレーを

嶋……ガッツ溢れるプレーは好印象もスタメンを奪うには至らず


FW

王……シーズン途中からは控えとなっていた

ヴィトル……怪我なくプレーすればこれぐらいは想定内

有川……強靭なフィジカルを生かしてチーム得点王

野口……力のある先輩に囲まれて目下成長中

荒川……スーパーサブメインで10ゴールと驚異の得点感覚

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