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大人にはわからない

作者: 西藤宮斗

3作目

 悲鳴を上げている体に鞭を打って必死に走る。

 もう時間もあまり無い。見失えばあれを討つことは出来ないだろう。

 もう回復薬などの消耗品は底を突きた。

 体も鎧もボロボロで、満身創痍もいいところだがそれはやつも、天龍ミスラガルズも同じだ。

 やつはの自慢の翼も、鞭のようにしなやかな尻尾も、成竜の証である角も、全て愛刀で切り落とした。

 勝率は五分といったところだが、天龍相手に五分ならいいほうだ。

 そんな事を考えながら走ると、開けた場所に出た。

 大きな水晶に彩られた神秘的な広間だ。

 その広間の中央に天龍はいた。

 美しい鱗に覆われたからだにいくつもの裂傷を走らせ、雄雄しくも彫刻のように整った顔を苦痛に歪ませてこちらを睨んでいる。

 天龍が大きく息を吸い込んだのを見て横に跳ぶ。

 ブレスが打ち込まれ、さっきまで自分がいた場所が蒸発していく。

 光を操る天龍の太陽炉のようなブレスに冷や汗を流しつつも愛刀を手に斬りかかる。

 繰り出される鋭い爪を避け、隙を見つけてはチクチクと斬りつけてダメージを与えていく。

 業を煮やした天龍がもう一度大きく息を吸う。

 間合いを詰めて愛刀を大きく振りかぶる。

 一か八かの大勝負、ブレスが早ければ俺は死に、愛刀が早ければ天龍を討つことができる。

 そして――――





 世界が暗転した。





 えっなんで!?

 「あんたいつまでゲームしてんの!! ご飯だって言ってるでしょ!!」

 声のした方を見るとプラグをもったお袋がいた。

 「おっお袋、なにもコンセント抜くこたぁないだろう! 天龍倒せそうだったのに!!」

 「いつまでもゲームやってるのがわるいんでしょ!! 早く下りてきなさいよ!!」

 そういってお袋は下りていった。

 「クソッ、これがどれほどのことか大人にはわからないんだ」

 俺はぼやきながら下りていった。

 

ファンタジーっぽいモン〇ンをイメージしてます。

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― 新着の感想 ―
[一言] あるあるネタですね。 私も学生の頃によく親にやられました。 このラスボスを倒せば……。的な。 途中経過のレベルアップも、過酷なダンジョン攻略も全て水の泡。 今は大人になり子供もおりま…
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