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黒で塗りつぶされた、
ヤンデレなのか何なのか。
君は優しいから、僕に嘘をついていたんだよね
君は強いから、僕を護ってくれるんだよね
君は賢いから、僕に色々な事を教えてくれるんだよね
君はその笑顔で、僕を救ってくれたよね
君は僕のすべてだったんだ
君がいたから今の僕がいるんだ
って信じてた
のに
…全部嘘だったの?
あれは全部つくられたものだったの?
僕の知ってる君は、偽物だったの?
あの笑顔も
君のしぐさも
思い出も
全部、全部ニセモノだというのですか?
そして今更気付いた
僕の生きる世界は
最初から嘘で出来ていて
僕の存在さえもが嘘なのだから
君が嘘でもおかしくはないんだ、と―
それはすべてが嘘で回る世界の
小さな、小さな日常