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あい
甘いものがほしいときは、愛情が足りてないんだよって誰かが言ってた。それ以上に足りないものがあることから目をそらして愛情を求めるなんて、馬鹿げてるよ。
頭の中で瓦解していく“ぼくだったもの”を自ら粉々にして、今日も殺人を完了させる。明日にはまた生き返っているから、繰り返し。
からだを砂糖で満たしても、愛されたことにはならない。破壊と再生のループから逃れられないぼくに、愛される権利なんてないんだろうけど。
愛とはどんなものかしら、なんて、可視化できないものを計ることはむずかしいよ。誰かに大切にされてみたかったなぁ。ごめんね。