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てがみ
宛てのない手紙を、ずっと書いているような、そんな気持ち。書いては消して、消しては書いて、繰り返したところでどうしようもないってことは、ぼくが一番よく知っている。こころの秘密箱はもういっぱいいっぱいで隙間なんてどこにもないのに、無理矢理押しこんで隠した気になっているけど、いつかすべてぶちまけてしまう日が来るにちがいない。
欲しかったものさえわかっていないくせに、なにかを望みつづけているおとなたちが、こんなぼくのことを嘲っているよ。同類を嗤って満足しているうちは、しあわせにはなれないのにね。
ざまあみろ。