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運命

何か暗い

 ぱらぱらと全てが砕けて手から零れ落ちていく。大切なものは何もかも失ってしまった。私に残る物など何も有りはしない。残ったのはただ“私自身”というちっぽけな存在だけ。

 全てを失った私に、一体何が出来るのか。答えは一つ。何も出来はしない。何か出来る事があるのならきっとこんな結末は訪れなかっただろう。何も出来ないから、才能が無いから選ぶ道がこれしか無かったのだ。

 もし他の道が選べていたら――なんてありえないifを並べてみたってそこに意味は無い。あるはずのないことを考えたところでそれはただの無駄にしかならない。どう足掻いても私は今の私にしかなれなかったのだから。

……足掻く権利すら、手にすることが出来なかったのだから。

 私は結局決まり切ったレールの上を進むしか選択肢が無かったのだ。それは仕方のない事で、誰かが頑張って変えられるようなものでは無かった。

 他の道に進みたい、と思った事もある。ただ、そう思っても道は一つしかなかった。誰に何を言おうとも、私の想いが届くことは無く、新たな道が生まれる事も無かった。


 そうして冒頭の私に戻る。大切なものを無くした惨めで無様な私に。ちっぽけな私は、何も出来ぬままただただ用意された道筋を歩く。そう、この絶望さえもが始めから用意されたものだったのだ。私はただ、仕組まれた絶望の渦に巻き込まれたにすぎないのだ。

 所詮私はあの人の選ぶ道しか進むことはできない、あの人の愛する人形(おもちゃ)にしかなれはしないのだ。

――それもまた、運命(さだめ)。私は笑ってそれを受け入れるしか、ないのだ。

このお話はフィクションですw

私はこんな可哀想な人じゃありませんよー

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