うーちゃんとすーちゃん
シリーズ化してみたいお話をちょこっと書いてみただけ。
うーちゃんもすーちゃんも男ですよ\(^p^)/
「……すーちゃん」
遠慮がちに袖を引っ張られ、慌てて振り向くと、目に涙をいっぱい浮かべたうーちゃんの姿。
「ちょ、うーちゃん何かあった?」
訊ねてみたものの、返事はなく、ただただ泣きかけの目で此方を見つめてくるばかり。
「ちゃんと言ってくれないと分かんないよ」
諭すように言えば、感極まったのであろう、うーちゃんは大泣きし始めた。
「あ、いや、別に怒った訳じゃ…」
言い訳にもならないような言葉を重ねたところで、泣き止んでくれるような人では無いことは疾うに分かっている。
早々と言い訳を止めた俺は、うーちゃんの背中を擦って、落ち着くのを待つことにした。
……―一体どれだけの時間が過ぎ去ったのだろうか。もうそんなことも分からなくなりかけた頃、漸くうーちゃんは泣き止んでくれた。
「………すーちゃん、ごめんなさい」
「別に謝らなくてもいいよ。怒った訳じゃないし」
しょんぼりと項垂れるうーちゃんを慰めるように言ったつもりだったが、どうやら逆効果だったようだ。
「…でも、すーちゃんに迷惑かけた……」
「迷惑なんかじゃない。大事な人が泣いてるの慰めるのは、恋人として当然の事だろ」
恋人。大事な人。うーちゃんは、俺の世界で一番可愛い恋人。慰めるのは当たり前だ。
「……でも、」
「でも、じゃないよ。うーちゃんは気にしすぎ。そんなに卑屈にならなくたってさ、俺はうーちゃんの事嫌いになったりしないから」
―嫌いになったり出来るわけないじゃないか。手離したくないんだから、わざわざ離れていかれるような事、するわけない。
「………すーちゃん」
項垂れていたうーちゃんは、やっと俺の方を見てくれた。
「…すーちゃん、僕ね、寂しかった。ずっと構ってもらえなくて、独りぼっちの時間ばっかりだった」
言われてからハッとした。確かに最近は仕事ばかりで、あまり会話をした記憶もない。それどころかうーちゃんが話しかけてくるのを邪険にしてしまった。
「あー…、そのー……ごめんなさい!」
全部自分のせいじゃないか。泣かせてしまったのも、遠慮させてしまったのも自分。傷付けたのは、紛れもなく俺。
「ごめん、俺、自分の事で精一杯でうーちゃんの事大事に出来てなかった。大事な恋人後回しにしてた」
目の前の華奢な恋人は、一体どれだけ傷付いたのだろうか。想像したらゾッとした。
「…これからは、もっと構ってほしい」
遠慮がちな声のうーちゃん。
…もう二度と傷付けたりしないと決めた。
「今度からはうーちゃんの事、今までとは比べ物にならないくらいに大事にするから、だから俺の事嫌いになったりしないでね」
「……するわけない」
ボソッと呟かれたその台詞に、俺は果てしない喜びを感じながら、うーちゃんをギュッと抱き締めた。
仕事とかでてるとこで分かるかもしれませんが、二人は成人してる設定です←
うーちゃんは少年ぽいけど違うよ(ヾ(´・ω・`)
気が向いたら違う話も書いてみたいなぁ…