dangerous☆schooldays
多分ギャグです。学園モノが書きたかっただけ。
ここは私立聖鳳学園。
3-2の教室では、今日も賑やかにお弁当タイム。
「俺の弁当食うんじゃねえよ!」
怒号を飛ばしたのは日野悠、
「良いじゃん別に」
しれっとした顔で言い放ったのは広崎小波だ。
この学園では毎日の恒例行事のようになっているこのやりとり。
クラスメイトどころか、学園の生徒、教師さえもが一度はこのやりとりを見た事があるという。
そのお陰でこの二人はすっかり有名になっていた。
「あーあ、またやってるよ。ホント飽きないよね」
そう言って呆れているのは後藤爽空。
「ていうか、小波ちゃんが自分のお弁当食べたらいいんじゃないの?」
正論を述べたのは坂上紬。
この四人は、聖鳳学園で最も有名である。
何故かって、それは決まっている。
あまりにも個性が強すぎるからだ。
いつもキレてる悠、クールな小波、優しいドSの爽空、そして女子のような男子の紬。
名前を見れば全員女子に見えるが、この中で女子は小波と爽空の二人。
あとの二人はれっきとした男子である。
「小波はいつもいつも何で俺の弁当ばっかり食うんだ!」
既にキレている悠。
「だって一番美味しそうだもん」
当たり前のように言う小波。
「僕には小波ちゃんのお弁当も美味しそうに見えるんだけどなぁ」
ニコニコとはにかんで言う紬。
「小波の弁当は見た目だけだもんね」
褒めているのか貶しているのか分からない爽空。
こんなやり取りはしょっちゅう行われている。
「おい小波、手前俺の教科書パクっただろ」
「…さあね」
「手前だって事は分かってるんだ、とっとと出せ!」
机を思いっきり叩く悠と、意味深に笑う小波。
「机壊れちゃうよー?」
「いいのいいの。どうせあれ悠の机だし」
そう、小波が座っていたのは悠の席。
「なあんだ、じゃあ壊れても大丈夫だね」
「おいお前ら、俺の机は壊れていいのかよ」
「え、だって悠学校で勉強しないじゃん」
不思議そうに言う紬。
「馬鹿!学校のモン壊したら弁償だろうが!」
「悠は真面目だねー、その眉間の皺直したらもっと真面目に見えるよ」
「爽空、手前…!」
と、その時、教科書が宙を舞った。
『あ…』
三人の声がハモる。
そのまま床に堕ちた教科書は、落ちた衝撃で所々ページが折れ曲がっていた。
書いてある名前は………日野悠。
涼しげな顔で小波が言った。
「教科書あってよかったじゃん」
▶悠の怒りのパラメータがMAXになった。
「小波……ぶっ殺す!!!」
「悠は怒りの沸点が低すぎるんだよ、もっと忍耐力つけないと」
「うるせえ!」
悠は手近にあった椅子を小波に向かって投げ捨てた。
小波はそれを簡単によけ、ガン、と派手な音を立てて椅子は机にぶち当たった。
その後も悠は小波に椅子や机を投げまくり、教室は大惨事になった。
「あーあ、またせんせーに怒られちゃうよぉ」
「悠も小波も教室壊すの得意だもんねえ?」
呆れたような紬と、半笑いの爽空。
二人とも最初から廊下に避難済みだったので、全く被害は受けていない。
…尤も、机とその中身は酷い目に遭ったが。
結局、先生にこっぴどく叱られた後、四人で教室の修復作業を行う事になった。
「何で僕らまで手伝わなきゃいけないの?」
「仕方ないじゃん、いつも四人でいるから先生もあたしたちの事はまとめて扱ってるみたいだし」
「…先生酷いよ!」
「紬、絞められたいのか」
「嘘ですごめんなさい」
「ほら、悠は沸点低い」
「小波お前絶対殺してやる」
「バカの一つ覚えみたいに殺す殺す言われても困る」
「速攻で殺害してやる」
「それ意味一緒だから」
「黙って死ね」
「死ぬ時はみんな黙ってるよ」
「あー、もう!とりあえず死ね!!」
「じゃあ希望通り死んであげるよ……老衰で」
小波は人をイライラさせるのが得意なのだ…いや、悠をイライラさせるのが得意なのだ。
「このクソ野郎!!!!」
「何とでも言えば?」
―その後、修復するどころかますます破壊された教室を見て、先生が涙目で頭を抱えていた事を四人は知らない。
続く…かもしれないし続かない…かもしれないし、まあ、需要があるなら続くかもしれません。詳しいキャラ設定なども、需要があるようでしたら書きます。