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1st trip 求める心
僕は小さな頃から「新しいもの」が好きだった
新しい、おもちゃ 新しい、ゲーム 新しい、服 新しい、友達
新しいもはいつだって、僕に楽しさや新鮮さをくれる。
常に何かを発見できているような充実感をくれた。
でも、1つ1つに思い出は無い。
僕が15歳になった頃
初めて、「新しいもの」の意味を知った、それは母の最期にくれたもの。
ロケットペンダント
それは、母がいつも身に着けていたもの
かなり錆びていて、開きもしないのに大切にしていたもの
新しいとは程遠いもの
でも、たくさんの思い出が詰まっていた。
僕は初めて思い出の詰まったものを手にして気づいた。
ものは手にして失った時に初めてなにか新しいものに繋がる。
この古いロケットペンダントから新しいものをもらった。
それは母との思い出と
これから始まる新たな思い出。
そんな新しいものを求めて
あれから一年
僕は旅に出ます。